Last-modified: 2024-04-07 (日) 07:56:40 (20d)
【88式地対艦誘導弾】 †
陸上自衛隊が装備する国産の地対艦ミサイル。通称SSM-1。
広報での愛称は「シーバスター」だが、広報愛称を黙殺する陸上自衛隊の伝統に則ってSSMと呼ぶ場合が多い。
74式特大型トラックの荷台に6連装のチューブランチャーを搭載しており、火器管制装置などを搭載した車両と共に機動・展開する。
従来の地対艦ミサイルと異なり、海岸線に沿って大量のミサイルと発射装置を配備する必要はない。
また、発射装置を移動できるため、事前のスパイ活動で発射地点を特定されにくくなっている。
遠洋を航行する敵艦船に対しては、海上自衛隊のP-3C/P-1対潜哨戒機が探知した情報を元に、陸自側が火力戦闘指揮統制システム?に敵艦船の情報を手作業で入力して本システムを運用する。
ミサイル自体は80式空対艦誘導弾(ASM-1)からの派生。ASM-1からの変更点は以下の通り。
- 内陸から発射できるように固体燃料ロケットからターボジェットに変更して有効射程を延長
- 初速を確保するために固体燃料ロケットによるブースターを付加
- 運用実態に即した軌道制御プログラム
- 磁性体を含んだ特殊なステルス塗装(推定。軍事機密につき詳細不明)
システムは以下で構成される。
- 指揮統制装置×1基
- 中継装置(JMRC-R5)×1基〜12基(中継装置1基につき捜索・標定レーダ装置を最大2基接続可能)
- 捜索・標定レーダ装置(JTPS-P15)×1基〜12基
- 射撃管制装置(JTSQ-W5)×1基〜4基(射撃管制装置1基につき、発射機は1〜4基まで接続可能)
- ミサイル発射機搭載車×1両〜16両
- 予備ミサイル・装填装置搭載車×1両〜16両
現在、改良型として12式地対艦誘導弾が採用されている。
関連:RGM-84 JTPS-P15
配備部隊(カッコ内は駐屯地) †
スペックデータ †
形式 | 88式地対艦誘導弾 (SSM-1) | 91式空対艦誘導弾 (ASM-1) |
全長 | 5.1m (ブースター含む) | 4m |
直径 | 35cm | |
ミサイル重量 | 約660kg | 510kg |
射程 | 150km〜200km(推定) | |
推進方式 | 固体燃料ロケット (ブースター部) + ターボジェット | ターボジェット |
エンジン | TJM2ターボジェット | |
飛翔速度 | 1,150km/h | - |
弾頭 | 焼い剤付きHE (重量不詳。270kg説と225kg説がある) | 焼い剤付きHE (250kg) |
誘導方式 | 慣性誘導/アクティブレーダー誘導 |