Last-modified: 2024-04-07 (日) 08:14:22 (20d)

【19式装輪自走155mm榴弾砲】(ひときゅうしきそうりんじそうひゃくごじゅうごみりりゅうだんほう)

防衛省が開発し、2019年に陸上自衛隊制式採用された自走榴弾砲
現在、陸上自衛隊野戦特科部隊で使用されている155mmりゅう弾砲の後継として開発された。
当初「火力戦闘車」という名称で開発が始まったが、平成26年度から名称を「装輪155mmりゅう弾砲」に変更し、更に2019年の制式化に伴って「19式装輪自走155mm榴弾砲」に変更している。

戦略機動性の向上を図るために装輪式となり、低コスト化のために砲塔99式自走榴弾砲の物を活用した。
試作車輛は車体部のベース車両としてRMMV(Rheinmetall MAN Military Vehicles)社の軍用トラック「HX」シリーズである「HX44M」の8×8輪・右ハンドル仕様を採用している。

また、火力戦闘指揮統制システム(FCCS)や観測ヘリコプターとのネットワーク化も行われる。
平成25年度(2013年度)予算で開発が認められ、平成30年度(2018年度)に開発完了。
令和元年(2019年)の富士総合火力演習で試作車が初公開された。

今後、2021年度から量産車が部隊配備される予定となっている。

但し、本砲の装備化に関してその優先順位は低いという意見もある。その理由として

  1. 既存のFH70が今でも正面装備としての利用に耐えられるだけの寿命がある事。
  2. 島嶼戦や上陸戦能力にあたって大きすぎて空輸能力や船舶輸送に難点があり、射程において石垣島や宮古島では射程過剰、近隣への島、例えば与那国島-石垣島間、石垣島-宮古島間の砲撃には射程不足で持て余し気味になること。
  3. 軽量で離島や上陸海岸への輸送が容易な120mm迫撃砲やFH70に比べ使い難い。
    野戦砲に関しては軽量でヘリでも吊り下げて空輸が可能なM777?への更新が有効であること。これはC-2でしか空輸できない本砲が陸自の防衛方針と乖離した装備であることを如実に現している。
  4. 汎用機関銃など他に優先すべき装備の存在。
  5. コンテナ輸送のような輸送手段の近代化、野外での居住環境の改善といった人事、後方の優先すべき課題の存在。

といったことが挙げられている。

関連:アーチャー カエサル? ダナ ズザナ A-222? ノーラB-52? ATMOS?

配備部隊

スペックデータ

乗員5名
口径/口径長52口径/155mm
全長11.21m
全高3.4m
全幅2.5m
全備重量25t以下
エンジンMAN D2066 4ストローク直列6気筒液冷ディーゼル(出力440hp/1,900rpm)
最高速度100km/h
作動方式砲尾:断隔螺式閉鎖機(試作車)
反動:駐退復座装置
武装52口径155mm榴弾砲×1門
開発社日本製鋼所



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