Last-modified: 2023-10-26 (木) 11:23:44 (184d)

【予備自衛官】(よびじえいかん)

自衛隊における予備役制度で、有事に招集される非常勤の自衛官
防衛省設置法に定められた「自衛官の定員」の枠には含まれていない。

原則として、常備自衛官として1年以上の勤務を経験した者から希望者を募る。
ただし、現在は最終階級二等陸佐一等海空尉以下の者のみが対象とされており、それ以上の階級の隊員は制度対象外となっている。

平時には毎年5日間(退官後1年未満の初年度は1日のみ)、居住地近辺の駐屯地・基地に出頭して訓練に従事する義務を負う。
自衛隊に各種の出動命令が下った際には、必要に応じて長期の招集を受ける事がある。
割り当てられる任務は施設警備・市民の避難誘導・給食・給水・医療支援などの後方支援が主。

また隊員の殉職・長期休養による欠員を補う任期付自衛官として登用される事もある。
これは戦闘被害を想定した制度だが、実際の欠員は育児・怪我・病気・依願退職などで生じる事が多い。

階級については、基本的に現役隊員時代の最終階級が踏襲される(予備自衛官補からの登用では防衛大臣が指定した階級となる)。勤務実績に応じて昇進する事もある。
ただし常備自衛官とは厳密に区別され、文書上では階級の前に必ず「予備」(即応予備自衛官は「即応予備」)の二文字が記載される。

現在の人員数は即応予備自衛官予備自衛官補などの補助的な制度によるものも含めて約59,000人である。
これは常備定員の40%に満たない規模であり、有事に際しての危機的な人員不足が懸念されている。

国家総力戦規模の戦争が発生した場合には間違いなく人員が足りなくなる。
ただし、国家総力戦に対応可能な規模の人的・物的備蓄体制を構築するのも日本の国力から見て現実的ではない。

関連:即応予備自衛官 予備自衛官補 予備役 任期付自衛官


トップ 編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS