Last-modified: 2022-08-07 (日) 18:15:13 (630d)

【装弾筒】(そうだんとう)

Sabot(サボ)(仏).

語源はフランス語で「木靴」の意。弾丸の尾部に靴を履かせたように見える事が由来。

火砲口径より細い弾丸を装填可能にするための詰め物。
弾丸の外周をプラスティックや軽金属の筒で覆い、見かけ上の口径を拡大する。

火砲装薬の爆発によるガスの圧力で初速を得ている。
よって、口径より細い弾丸は発射ガスの漏出を招き、初活力を大きく損なう。
また、隙間があると砲口から飛び出すまでの挙動が不安定になり、故障・事故を誘発する。

装弾筒はこの隙間を埋め合わせ、発射ガスを受け止めて弾丸に伝える役割を果たす。
無事に発射されたら直後に分離されて落下し、弾丸本体だけが目標に向かって飛んでいく。

細い弾丸を大口径砲から発射する事で空気抵抗が軽減され、最大射程が伸張される。
また、弾丸のスパイク形状がより鋭角になり、装甲を貫徹しやすくなる。
一方、弾丸本体が軽量であるためデストラクションパワーは激減する。

基本的には徹甲弾のための用具で、特に主力戦車級の大口径カノン砲で用いられる。
対人用途で防具を貫通させるために用いられる事もあるが、これはさほど有意義ではないとされる。

小銃弾を完全に無力化するほどの防護を全身に施すのは、歩兵装備の重量制限内では非現実的。
また、人間が着る防具は防護と軽量化を達成させるために耐久性を犠牲にしており、被弾すると壊れる。
従って、防具が初弾を防ぐ事はあるかもしれないが、撃ち込み続ければ何発目かの被弾で死ぬ。

関連:装弾筒付徹甲弾 装弾筒付翼安定式徹甲弾


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