Last-modified: 2022-09-02 (金) 18:41:30 (603d)

【磁気捜索装置】(じきそうさくそうち)

Magnetic Anomaly Detector(MAD).

地中や水中から発せられる磁力を検知し、地磁気が急激に変動している地点を特定する探査機器。
基本的には地質学などの学術調査機器であり、磁場の乱れから地底の鉱脈などを探り当てる用途に用いる。
などの強磁性物質は地球の磁場に影響を及ぼし、その影響によって周辺の磁場に検知可能な歪みをもたらす。

軍事用途では海中に潜む巨大な強磁性物質、即ち艦艇を発見する用途に用いられる。
現状では潜水艦の位置を特定する最も確実な手段であり、ほぼ全ての対潜哨戒機に装備されている。
また、海中に潜伏する潜水艦機雷も、水上の敵艦を発見する上で磁気捜索装置を利用している。

磁気捜索からの隠蔽

近年の軍用船舶は磁気捜索による検知を逃れるため、船体の消磁を行い、地磁気の乱れを最小限に抑える工夫が施される。
整備のためにドックの船台(典型的に鋼鉄製)に固定するだけでも着磁するため、こうした消磁処理は定期的に必要となる。

逆に、潜水艦は意図的に着磁させ、磁気誘導を中和するように調整して磁気捜索を掻い潜っている。
消磁処理には電力が必要となるため、潜水艦の電力事情で完全な消磁を維持するのは難しい。

船体全体を木材や繊維強化プラスチックなどの非金属構造材で建造すれば上記のような処理は不要だが、装甲や構造強度の関係上、あまり現実的ではない。
しかし、掃海艇だけは非金属構造材で建造される。磁気機雷に対する徹底的な対策が必要とされるためである。


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