Last-modified: 2017-06-18 (日) 02:27:58 (2505d)

【施条砲】(しじょうほう)

砲身内部に螺旋状の溝(ライフリング)の刻まれた火砲。「ライフル砲」とも。

弾体は溝に沿って回転しながら発射され、飛翔中も回転し続ける事によるジャイロ効果によって弾道が安定する。
これにより、ライフリングがない場合よりも長い有効射程を確保する事ができる。
また、弾体をライフリングに食い込むように密閉できるため、装薬のエネルギーを効率的に初活力に変換できる。

ライフルから発射された弾丸は、溝との摩擦で削られて線条痕が刻まれる。
工学上、この線条痕は銃身ごと形状が異なるため、鑑識によって発射した銃砲を同定する事が可能である。
これは主に小銃で問題になる。重火器では弾丸が原型を留めなかったり、過熱した銃身を使い捨てにしている場合が多い。

小銃から艦載砲に至るまで、現代の銃砲類のほぼ全てがライフリングを採用している。
ただし例外的に、装弾筒付翼安定式徹甲弾成形炸薬弾散弾では砲弾の回転がかえって害になる。
このため、現代型主力戦車の主砲は装弾筒付翼安定式徹甲弾を想定した滑腔砲が主流である。

また、迫撃砲は弾道特性の関係でジャイロ効果の恩恵が薄いため、ライフリングを省略した滑腔砲である場合がある。
ただし迫撃砲でもライフリングを採用している場合もあり、この用途に滑腔砲と施条砲のどちらが適するのかは判然としない。

関連:滑腔砲 対戦車砲 戦車 成形炸薬弾 粘着榴弾 高速徹甲弾 装弾筒付徹甲弾 装弾筒付翼安定式徹甲弾

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A-10攻撃機に搭載されたGAU-8ガトリングガン


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