Last-modified: 2022-09-18 (日) 10:32:17 (587d)

【液体燃料ロケット】(えきたいねんりょうろけっと)

ロケットエンジンの一種。
酸化剤燃料を液体の状態でタンクに貯めておき、それらを燃焼室へ送り込んで燃焼させる。

固体燃料ロケットに比べ、タンクやターボポンプなどの部品を必要とするため推力重量比は劣る。
エンジンの構造が複雑なために整備が難しく煩雑で、調達単価も高い。
水素脆性や腐食性を持った劇物を取り扱うため、燃料の長期保存にも難がある。
しかし、比推力の高い推進剤を使えるため、十分に大きなロケットであれば推進剤を含めた推力重量比で勝る。

また、燃焼室への流入量を調節して推力を制御でき、必要に応じて消火・再点火も可能である。
この特性から宇宙船姿勢制御装置や、弾道ミサイルおよび宇宙ロケットの主エンジンとして使われる。

一般的には以下の燃料が推進剤として用いられる。

液体水素
酸化剤は液体酸素。
現行の液体燃料ロケットで最も比推力に優れるが、燃料を液体に留めるのが困難(沸点-252.6℃・融点-259.2℃)。
ジェット燃料
酸化剤は液体酸素。
効率は良くないが燃料の調達コストが安価。
ヒドラジン系
エアロジン・非対称ジメチルヒドラジンなど。酸化剤は四酸化二窒素。
ヒドラジンは腐食性の猛毒だが、常温では気化しないため長期保存が比較的容易。

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