Last-modified: 2022-08-14 (日) 11:33:31 (622d)

【愛国号】(あいこくごう)

1930年代〜1940年代の日本において、(政府・議会が策定した国の軍事予算からの支出ではなく)一般市民や非軍需企業などからの献金により調達され、陸軍に納入された航空機につけられた愛称
海軍でも同様の経緯で調達された機体があり、こちらは「報国号」と呼ばれた。

機体の納入は、一般的に、地域住民や企業・団体の構成員が資金を出し合ってメーカーから機体を購入、これを軍に寄付するという形でされることになっていたが、実際には陸軍省内にあった「国防献品委員会」という組織が間に入り、機体の購入を含めた事務手続一切を代行していた。
(中には、資産を持つ篤志家が個人で機体の購入資金を寄付するケースもあった)

これによって納入された機体には、主翼及び胴体に「愛国○○(何某)」という標記が大書されていたが、第二次世界大戦の頃には機密保持のため小さな標記に替わり、やがて標記そのものが見られなくなった。

なお、「愛国(報国)」の名称は航空機以外にも、寄付金によって調達された陸軍海軍)の装備品全てにつけられたものである。
また、航空機、自動車、火砲などの大型装備品には、納入された順番に1号からの連番と寄付金の拠出者名(氏名・団体・地方名)を表記することになっていた。


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