Last-modified: 2024-01-13 (土) 16:38:19 (105d)

【ブロークンアロー】(ぶろーくんあろー)

Broken Arrow.

アメリカ空軍で用いられていた符丁で、核兵器の紛失事故が発生した事を意味する。

戦略哨戒任務についた戦略爆撃機が滞空中に発生させる事が多く、重大事故も何度も発生している。
この理由から核兵器の運用に航空機を用いるのは忌避されるようになり、弾道ミサイル戦略潜水艦に置換されていった。

主な事例

1950年
アメリカのアラスカ州。
B-36墜落、搭載していたMk.4ウラニウム原子爆弾が一時行方不明に。
機体ごと海中に没したと思われていたが、1953年にカナダで原子爆弾が発見・回収された。
1957年
アメリカのニューメキシコ州。
飛行中のB-36から、搭載されていたMk.17水素爆弾が落下。
水爆は起爆せず、後に回収される。
1961年
アメリカのノースカロライナ州ゴールズボロ、シーモア・ジョンソン空軍基地近郊。
B-52Gが墜落、搭載されていたMk.39水素爆弾2発が落下。
うち1発は衝撃で起爆装置が作動した上4つの安全装置のうち3つが解除されるも、奇跡的に起爆しなかった。
もし爆発した場合、首都ワシントンおよびフィラデルフィア・ニューヨークは壊滅したものと推定される。
1965年
日本・九州沖の公海上(現在では日本の排他的経済水域)、喜界島の南東約150キロ。
空母タイコンデロガにて、A-4E攻撃機エレベーターから海中へ転落。
搭載されていたB43水素爆弾は機体とともに水深約5,000メートルの深海へ没し、回収は断念されている。
1966年
スペイン。
空中給油中だったB-52KC-135Aと衝突し、海中に墜落
搭載されていたB28R水素爆弾4基のうち、回収できたのは1基のみ。
2基は地上で飛散して放射能汚染を引き起こし、1基は行方不明(海中に没したと見られる)。
1968年
グリーンランド(デンマーク自治領)のチューレ空軍基地上空。
アラート任務に就いていたアメリカ空軍B-52の機内で火災が発生し、チューレ基地西方の氷上に墜落し大破炎上。
これにより、搭載されていたB28FI水素爆弾の爆縮用通常火薬が起爆。
核爆発には至らなかったものの放射性物質が飛散、炎で溶けた氷と混じり合って大規模な放射能汚染を引き起こした。
なお、2024年時点でも1基の水爆が未発見。跡形もなく爆散して海水に混じり凍ったものと推定される。

上記の他、10回以上の事故が発生している。


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