Last-modified: 2022-11-04 (金) 10:56:46 (540d)

【トス爆撃】(とすばくげき)

Toss Bombing.

航空機から爆弾を投下する際の技法の一つ。第二次世界大戦後から使用され始めた。
事前に機体を急上昇させ、斜め上に放り投げるように低抵抗爆弾を投下する事。

低抵抗爆弾は慣性に従って砲弾のように滑空し、やがて落ちていく。
滞空時間が長くなるため、比較的長い有効射程を確保する事ができる。
反面、長い滞空時間で風や誤差に影響されやすく、半数必中界は広くなる。
主に地形追随飛行などの回避機動から爆撃に移行する際に行われる。

現代の航空機FCSの多くはトス爆撃の補正処理に対応している。
また、命中精度の低下を補うために誘導爆弾を用いる場合も多い。

主な種類

  • トス爆撃/ロフト爆撃
    主に低空を飛行し、機体を引き起こしつつ、爆弾を進行方向前方へと放り投げる方式。
    爆弾投下後の機体は、ハーフキューバンエイトやインメルマンターンにより、そのまま上昇・反転し、退避する。
    爆弾を放り投げるため、投下機は目標に接近することなく、爆撃を行える。

    原爆投下においても実行されている(核兵器それ自体の危害半径から退避する必要があったため)。

  • ダイブ・トス爆撃
    目標に対し急降下し、爆弾投下時に機体を引き起こす方式。1947年にアメリカ海軍で開発された。
    引き起こしながら投下することで、急降下爆撃より爆弾の落下位置が進行方向前方へと移動し目標へと命中する。

  • 肩越し爆撃
    目標上空を通過後に、機体を引き起こし上昇・反転させ、機体の進行方向が反転した後の上昇・背面飛行中に爆弾を投下する方法。
    爆撃機動を開始する爆撃発起点を設定できない場合にとられる方法であり、目標そのものを爆撃発起点として利用する。

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