*&ruby(ハーエー・ハンダート){【He 100】}; [#p76cd998]
Heinkel He 100.~
~
[[第二次世界大戦]]期にハインケル社が[[ルフトバッフェ]]向けに開発した試作[[レシプロ>レシプロエンジン]][[戦闘機]]。~
[[メッサーシュミット]][[Bf109]]との競争試作で不採用となった[[He112]]の代替機として自主開発した機体で、試作1号機(V1)は1938年1月22日に[[初飛行]]した。~
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**特徴 [#k1a8826d]
前作He112が[[Bf109]]より劣速で、上昇力でも運動性でも劣ったことへの反省から、軽量化と徹底的な生産合理化、高速化のための空力的洗練が図られた。~
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同時期の航空機で一般的だった空気抵抗を増大させるラジエーター冷却[[開口部>エアインテーク]]に代替、[[主翼]]外板の内側に蒸気を循環させる''蒸気冷却''機構を備える((更に潤滑油はエタノールを冷媒とする二重冷却系とされていた。))ことで、従来機と比較して良好な空力特性を実現、優れた速度性能を発揮する革新的な機体だった。~
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しかし、複雑な構造ゆえに損なわれた整備性、信頼性、被弾に対する脆弱性((翼面に被弾した場合、蒸気を漏洩し冷却能力を喪失する可能性が非常に高かった。))など、既に実用化されていたBf109に対して運用面における問題点が多く、[[ルフトバッフェ]]では不採用となった。~
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それでも、He100の優秀な飛行性能は様々な形で諸外国に影響を与えた。~

**戦史 [#t6529d34]
He100はナチス・ドイツのプロパガンダにおいて「He113」の呼称が与えられた高性能戦闘機として登場、種々に迷彩され、あたかも本格配備・実戦投入されているかのように国内外に宣伝された。~
結果として、連合国軍にはHe113との交戦記録が残されることとなった((確実に誤認である。))。~

He100はナチス・ドイツのプロパガンダにおいて「He113」の呼称が与えられた高性能戦闘機として登場、種々に[[迷彩]]され、あたかも本格配備・実戦投入されているかのように国内外に宣伝された。~
結果として、[[連合国軍>連合国(第二次世界大戦)]]にはHe113との交戦記録が残されることとなった((確実に誤認である。))。~
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ソビエト連邦は独ソ戦開戦前に6機のHe100試作機(V1, V2, V4, V5, V6, V7)を購入し、蒸気冷却や空力の研究に用いた。~

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日本は[[太平洋戦争]]開戦直前の1941年に3機のHe100を購入、「ハインケル100型戦闘機(略符号:''AXHe1'')」の呼称で1940年から試験運用し、その性能を高く評価していた。~
また、日立航空機による[[ライセンス生産]]および[[日本海軍>日本軍]]による[[制式]]化・本格配備の計画があったものの、[[第二次世界大戦]]の激化により実現しなかった。~
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また、生産された12機のHe100D-1のうち3機はハインケル社による自社工場防空のために大戦初期の短期間に運用されたが、戦闘には参加しなかった。~
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関連:[[Bf109]] [[キ64]]~
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**性能諸元 [#qa7622df]
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|~型式|~''He 100 D-1''|
|~型式|~''He100D-1''|
|~乗員|1名|
|~全長|8.20m|
|~全幅|9.40m|
|~全高|3.60m(水平姿勢)|
|~翼面積|14.60|
|~空虚重量|1,810kg|
|~最大離陸重量|2,500kg|
|~燃料容量|300kg|
|~エンジン|ダイムラー・ベンツ [[DB 601M>DB 601]][[液冷>液冷エンジン]]倒立V型12気筒×1基|
|~エンジン|ダイムラー・ベンツ [[DB601M>DB 601]][[液冷>液冷エンジン]]倒立V型12気筒×1基|
|~出力|1,175PS|
|~プロペラ|VDM 定速3翅(直径2.80m)|
|~プロペラ|VDM定速3翅(直径2.80m)|
|~最高速度|670km/h@5,000m|
|~巡航速度|552km/h@2,000m&br;(出力80%)|
|~航続距離|1,010km|
|~上昇性能|2,000mまで2分12秒&br;6,000mまで7分48秒|
|~[[上昇限度]]|11,000m|
|>|~固定武装|
|モーターカノン|MG17 7.92mm機銃×1挺((開発段階ではMG FF 20mm機関砲の搭載が予定されていたが、実際の生産機には未搭載。))|
|主翼根|MG17 7.92mm機銃×2挺|

**型式 [#kda5f7d2]
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|~分類|~型式|~解説|~生産機数|
|試作|V|V1からV10まで製造された。&br;V8では水・エタノール噴射装置付高過給仕様に改造した[[DB 601]](短時間出力1,750hp)に換装、翼弦を短縮。&br;V1からV7までの機体はソ連へ輸出された。|10|
|試作|V|V1からV10まで製造された。&br;V8では水・エタノール噴射装置付高過給仕様に改造した&br;[[DB601>DB 601]](短時間出力1,750hp)に換装、翼弦を短縮。&br;V1からV7までの機体はソ連へ輸出された。|10|
|生産|D-0|増加試作型。&br;武装はMG FF 20mm機関砲×1門、MG17 7.92mm機銃×2挺。&br;日本へ輸出された。|3|
|~|D-1|量産準備型。&br;D-0と同等だが、一部改設計(([[尾翼]]面積拡大による方向安定性増加、[[ユンカース]][[Jumo211]][[エンジン]]への換装、胴体下半埋め込み式の集中冷却器への変更など。))。&br;武装はMG17 7.92mm機銃×3挺。|12|
|>||生産機数総計|25|
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