Last-modified: 2023-12-29 (金) 12:11:41 (145d)

【T-38】(てぃーさんじゅうはち)

Northrop T-38"Talon(タロン)".

ノースロップ社で開発され、アメリカ空軍ドイツ空軍などで用いられた高等練習機
世界初の超音速練習機である。
愛称の「タロン」は猛禽類などに見られる鉤爪の意。

元は軽戦闘機を目指して開発された機体(社内呼称N-156)だったが、米軍によって軽戦闘機が否定されたため、練習機として開発された。
(ただし後に輸出用戦闘機型のF-5も造られた)

小型のJ85ターボジェットを双発で備え、主翼低翼式のテーパー翼であり、翼面荷重が高いながらも運動性と安定性を兼ね備えている。
また設計初期から高度な信頼性と整備性を考慮に入れられていたため、稼働率が高く、運用コストも安い。この特性から「完璧な練習機」とも称された。

しかし、燃費は良いものの機内の燃料タンクが小さくハードポイントもないため、航続距離が短いという欠点がある。
これはアメリカ国内の練習飛行においては特段の問題とはみなされていない(練習飛行を砂漠の僻地で行うため)。
しかし他国ではT-38のかわりに増槽を取り付けられるF-5Bを使っていた国も多い。

1961年から1972年にかけて1,187機が生産された。練習機としての用途のほか、オイルショックの時代には燃費の安い曲技機としても用いられた。
また、NASAでは宇宙飛行士の飛行訓練に使われるほか、宇宙ロケットの打ち上げや実験機の試験飛行を観測する任務など、多岐にわたって利用されている。

スペックデータ(T-38A)

乗員2名
全長14.14m
全高3.92m
翼幅7.7m
主翼面積15.79
空虚重量3,270kg
全備重量5,360kg
最大離陸重量5,485kg
エンジンGE J85-5Aアフターバーナー付きターボジェット×2基
推力9.1kN(2,050lb)(ドライ推力
12.9kN(2,900lbf)(A/B使用時)
最高速度マッハ1.3
航続距離1,835km
実用上昇限度15,240m
上昇率
(海面上)
170.7m/s
翼面荷重339.4kg/
推力重量比0.65


IMG_1128.jpg


バリエーション(カッコ内は製造・改修機数)

  • N-156T:
    社内開発名称。

  • YT-38(7機):
    原型機。YJ85-GE-1エンジンを搭載する。

    • YT-38A:
      評価・試験用の機体。原型機4機を改称。
      YJ85-GE-5エンジンを搭載する。

  • T-38A(1,187機):
    標準の高等練習機型。(西)ドイツにも輸出された。

    • T-38A(N):
      NASAが使用しているタイプ。
      エアインテークに除氷装置が追加され、無線機を民間規格のVHF無線機に換装。また気象レーダーが搭載されている。

    • AT-38A(1機):
      武装練習機型。試作のみ。

    • DT-38A(4機):
      米海軍が使用する無人標的機指令機型。

    • GT-38A(15機):
      A型の地上教育任務用。

    • NT-38A(2機):
      米空軍の研究・試験機型。

    • QT-38A:
      無人標的機型。

  • AT-38B(115機):
    A型を改修した武装練習機型。
    後席下に取り付けられた機体中心線パイロンに訓練弾やガンポッドを搭載できる。

  • T-38C:
    A型の機体寿命延長型。
    アビオニクスの改良で操縦席はグラスコックピット化され、HUDを装備した他、射出座席や足回りの改良、内部構造の補強、エンジンの換装、キャノピーの強化などが行われている。

    • AT-38C:
      武装型の近代化改修型。

  • T-38M:
    トルコ軍での近代化改修型。
    C型と同様の改修が施されている。

  • T-38N:
    アメリカ空軍のA型をNASAが取得したもの。
    アビオニクスがアップグレードされ、気象レーダーや飛行管理システム、高度警報システムが追加された。


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