Last-modified: 2024-04-27 (土) 12:37:38 (23d)

【E-767】(いーななろくなな)

Boeing E-767(B767-27CER).

アメリカのボーイング社が、日本の航空自衛隊向けに生産したAWACS。機材はボーイングB767-200ER旅客機からの改装。
公的な愛称は命名されていないが、アメリカ空軍では非公式に「J-WACS(ジェイワックス)」と称されている。

1976年のベレンコ中尉亡命事件戦訓から、航空自衛隊は自国のバッジシステム規格に対応した早期警戒機の導入を欲していた。
このため、日本政府は航空自衛隊においてグラマンE-2「ホークアイ」早期警戒機を導入したが、同機はアメリカ海軍航空母艦に搭載されることを前提とした艦上機であり、警戒システムも海軍の方式に最適化されていたことから、より能力の高いボーイングE-3「セントリー」AWACSの導入を検討した。
しかし、予算上の問題から実際に調達計画が動き出すのは1990年代までずれこみ、その時点でE-3(および原型機のB707)は生産を終了していた。
ボーイング側からの商談として、E-3と同様の早期警戒指揮管制システムをB767に搭載する機体設計を提案され、これを受け入れた日本政府が4機を発注、納入された。

原型機の変更によって搭載機材の再設計が必要となったが、その開発費は日本政府が全額負担した。

本機の生産は1993年に開始され、1994年に素体となる機体(アメリカ国籍の民間機「B767-27CER」名義)が日本政府に引き渡されて初飛行
その後、アメリカの有償軍事援助によりレーダーなどの改修を行ったうえで1998年に航空自衛隊へ引き渡され、1999年から運用が開始された。
2024年現在、4機とも静岡県・浜松基地警戒航空団飛行警戒管制群第602飛行隊で運用されている。

なお、本機は日本以外にも韓国・台湾・オーストラリア空軍が導入を検討したが、1990年代末のアジア通貨危機の影響でいずれも頓挫しており、2024年現在の総生産数は、日本向けの4機のみに留まっている。

その後、オーストラリア空軍と韓国空軍はより小型のE-737を採用している。

機体記号の変遷

前述のとおり、本機はアメリカ国籍の民間機として素体のB767-200ERが作られ、これにAN/APY-2レーダーなどの警戒管制システムを組み込んで作られた。
その機体記号の変遷の経緯を下表にまとめた。

 アメリカ民間機としての
機体記号
自衛隊機としての
機体記号
日本への
引き渡し年
1号機N767JA64-35011998年
2号機N767JB64-3502
3号機N767JC74-35031999年
4号機N767JD84-35042000年


スペックデータ

乗員操縦士2名(機長副操縦士)+機器操作員19名
全長48.51m
全高15.85m
翼幅47.57m
翼面積283.3
水平尾翼18.62m
ホイールベース19.69m
ロートドーム直径9.14m
ロートドーム厚1.83m
空虚重量132,903kg(推定)
最大重量
離陸/着陸
174,635kg/144,242kg(推定)
エンジンGE CF6-80C2B6FAターボファン推力273.6kN)×2基
燃料容量91,378L(推定)
速度
(最高/巡航
800km/h以上 / 722 km/h
航続距離10,370km
実用上昇限度10,360m〜12,222m
連続警戒滞空時間9.25時間(進出半径1,000nm)/13時間(300nm)
アビオニクスAN/APY-2 パルスドップラーレーダー



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