Last-modified: 2024-01-02 (火) 14:46:17 (110d)

【A-10】(えーてん)

Fairchild A-10 "Thunderbolt(サンダーボルト)(ツー)"

フェアチャイルド社が設計・開発した重攻撃機
正式な愛称は"Thunderbolt"だが、"Warthog(ウォートホグ)"(いぼいのしし)または"Hog(ホッグ)"(豚)という俗称もある。

ワルシャワ条約機構仮想敵国とし、敵機甲部隊に対する近接航空支援に特化した設計がなされている。
対戦車戦を想定しているため、低速域での操縦性に優れる低翼直線翼を採用。
コックピット周辺は厚さ1.5インチのチタニウム装甲に覆われ、エンジンも被弾を避けるため主翼垂直尾翼の奥に隠されている。

東側の23mm機関砲を想定した防御能力を持ち、多少の被弾でも問題なく飛行でき、整備性も非常に良好で、機体の稼働率も高い。
ただし防御能力は開発当時の対空榴弾による曳下射撃を想定したもので、現代の火器管制装置による射撃では直撃弾が発生するため耐えられない。

対空戦闘は全く想定されておらず、レーダーは未搭載。空力特性も相当に鈍重。
戦闘機との交戦には全く耐えられないし、航空優勢未確立の状況下に投入する事も想定されていない。

飛行機の基準では鈍重だが、ヘリコプターと比べれば遙かに優速。
湾岸戦争においてイラク軍のMi-17ヘリコプター2機を機関砲撃墜した実績を持つ。

誘導爆弾空対地ミサイルの搭載も可能だが、開発時に想定された主武装は本機専用のGAU-8/A「アヴェンジャー」30mmガトリング砲
最大毎秒67発の徹甲弾劣化ウラン弾を発射し、戦車装甲車など現存するあらゆる車両を破壊可能。
しかし地対空ミサイル高射砲に対して有効射程で劣っており、攻勢対航空作戦には不適格。

1991年の湾岸戦争において、イラク軍メディナ師団との交戦に際し、防空部隊のSA-13によって2機を喪失している。

配備当初は不評を買っていたが、湾岸戦争での実戦証明によって評価が一転。
攻撃ヘリコプターを上回る速度と稼働率、高い攻撃能力、被弾によく耐える頑丈な機体設計などで定評を受けている。
現在も攻撃機および前線航空管制機としてアメリカ空軍州空軍に配備されている。

関連:前線航空管制官 タンクバスター ガンシップ サイレントガン Il-2

a10.jpg

Photo: USAF

スペックデータ(A-10A)

乗員パイロット1名
全長16.26m
全高4.47m
翼幅17.53m
主翼面積47
翼型ルート:NACA 6716
チップ:NACA 6713
空虚重量11,321kg
積載重量13,782kg
CAS任務時:21,361kg
装甲ミッション時:19,083kg
最大離陸重量22,700kg
機体内燃料容量4,990kg
エンジンGE TF34-GE-100A?ターボファン×2基
推力40.32kN(9,065lbf)
超過禁止速度833km/h(高度1,500m、Mk.82×18発搭載時)
最高速度706km/h(海面上、クリーン時)
巡航速度560km/h
失速速度220km/h
戦闘行動半径CAS任務時:460km(高度1,500mで1.88時間のロイター、10分間の戦闘)
対装甲ミッション時:467km(海面上、30分間の戦闘)
フェリー航続距離4,150km(50ktの向かい風、20分のリザーブ)
実用上昇限度13,700m
上昇率30m/s
翼面荷重482kg/
推力重量比0.36
固定武装GAU-8/A「アヴェンジャー」30mmガトリング砲×1基(装弾数1,174発)
ハードポイント11か所(胴体下3か所と主翼下8か所のパイロンステーション)に
最大16,000ポンド(7,260kg)まで搭載可能。
AAMAIM-9「サイドワインダー」×2発
AGMAGM-65「マーベリック」空対地ミサイル×6発
爆弾類Mk.77 750lb焼夷爆弾
GBU-15 TV誘導/赤外線誘導爆弾
各種ナパーム弾(BLU-1・BLU-27)
Mk.80シリーズ
クラスター爆弾各種
(BLU-1、BLU-27/B「ロックアイ供廖BL755、CBU-52/58/71/87/89/97)
ペイヴウェイ」シリーズレーザー誘導爆弾
JDAM(C型)
風向修正弾薬ディスペンサー(C型)
ロケット弾LAU-61/LAU-68ロケット弾ポッド×4基
(ハイドラ70 70mmロケット弾×19発/APKWS(Advanced Precision Kill Weapon System.) 70mmロケット弾×7発)
LAU-131ロケット弾ポッド×6基(ハイドラ70 70mmロケット弾×7発)
その他装備SUU-42A/A チャフ/フレア/デコイディスペンサーポッド
AN/ALQ-131 or AN/ALQ-184 ECMポッド
スナイパーXRまたはAN/AAQ-28「ライトニングAT」目標指示ポッド(C型)
600 US ガロン(2,300リットル)増槽×2基
アビオニクスAN/AAS-35(V)「ぺイヴ・ペニー」レーザー目標指示ポッド(現在は使用されていない)
ヘッドアップディスプレイ


派生型

  • YA-10A:
    試作機。2機製造。

  • A-10A:
    量産型。1976年より部隊配備。

  • OA-10A:
    前線航空管制機型。

  • YA-10B Night/Adverse Weather(N/AW):
    夜間全天候攻撃型の複座実験機。
    前量産初号機 (73-1664) を改装。
    一機のみ試作され、2024年現在、アメリカ空軍フライトテストセンター博物館に展示されている。

  • A-10C:
    A型の精密交戦プログラム(PEP)能力向上計画による近代化改修型。2005年初飛行。
    コックピットグラスコックピット化やHOTAS概念の導入、新型兵装搭載管理システムの搭載が行われた。
    また、TF34-GE-101?エンジンへの換装や、スナイパーXRまたはAN/AAQ-28「ライトニングAT」目標指示ポッドの携行能力付与が行われた。


添付ファイル: filea10.jpg 2364件 [詳細]

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