Last-modified: 2023-09-14 (木) 18:55:25 (85d)
【短波】 †
High Frequency(HF)/Short Wave(SW).
電波のうち、波長が10〜100m・周波数が3〜30MHzのものを指す。
「デカメートル波」とも呼ばれる。
地上から200〜400kmの上空にある「電離層F層」で反射された反射波が地球上の遠方まで到達するため、適切な設備と周波数を使えば世界中との通信が可能な特性を持つ。
一方で、宇宙空間との通信には不向きである。
こうした特性から、かつては世界中との交信に広く用いられてきたが、周波数帯域が狭いため、現代の情報伝送量を賄うには小さくなりつつある*1。
このため、(映像など)大量の情報を伝送する際には超短波や極超短波などが用いられている*2。
また、到達距離を長く取れることから、原子時計を用いて正確な周波数と時刻*3の情報を国内外に伝達する「標準電波」や超地平レーダーにも用いられていた。
標準電波は、日本では2001年3月31日以降、受信状況の安定している長波に切り替えられたが、他国では現在でも短波や中波で送信している国がある。
主な用途 †
*1 短波の利用例である超地平レーダーは、レーダーとしての解像度が極めて低く、物体の輪郭を識別するのがやっとだという。
*2 遠距離への伝送には通信衛星を用いることもある。
*3 数学的には、周波数は時刻(秒)の逆数と解釈される。
*4 この周波数帯域は、ICタグを稼働させる程度の電波出力では無線局の開設申請が不要なため、広く利用されている。