Last-modified: 2024-02-24 (土) 17:19:25 (59d)

【酒保】(しゅほ)

Exchange / Post Exchange(米)、kantine(仏)、Feldschenke/Soldatenschenke(独).

軍隊の基地・駐屯地や大型の艦艇に設けられた売店。
将兵(主に下士官兵卒)向けにタバコ、酒類、菓子などの嗜好品、食品、日用品などを販売する。
将兵の慰安のために休憩スペースを備えたり、新聞・雑誌・書籍や娯楽・運動器具を備える事もある。
郵便や銀行業務の取り扱い窓口となっている場合も多い。

アメリカでは単なる売店・交換所を"Exchange"、郵便番号を割り振られた売店を"Post Exchange(PX)"として区別する。

余談ながら、現代の軍隊のほとんどは任務中の飲酒に懲罰を課しており、酒類の販売を行う事は稀である。
しかし、近代以前においては酒保がまさしく軍隊酒場の様相を呈する事も少なくなかった。

人権意識の希薄な時代、末端兵士にとっての軍隊は「酒にでも溺れなければやっていけない」環境であった。
また、その時代は娯楽のバリエーションも非常に少なく、士気を高揚させる手段など酒盛りと娼婦くらいがせいぜいであった。
極端な場合、敵前逃亡を防ぐために酒を飲ませたり麻薬を与えたりして戦場での恐怖を麻痺させた事例さえある。

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酒保と虐殺

酒保は基本的に軍隊の兵站部門が直接運営するもので、採算はそれほど考えない。
しかし、昔から民間軍事会社や外部の商人に運営が委託される場合は多い。
民兵組織などでは酒保を設けず、一般店舗や各員の家庭を利用する場合もある。

ただし通常、近代軍隊は戦闘員を有事に隔離し、民間人を兵站活動から切り離そうとする。
なぜなら、戦闘員に物資を提供している施設は明らかに軍事目標であるからだ。
自国の民間人を保護するためには、民間人が紛争に巻き込まれないよう距離を置く事が必要不可欠である。

これは裏を返せば、非戦闘員を峻別できない民兵内戦国家総力戦は惨禍を招くという事でもある。
民兵に協力する店舗・家庭は民兵組織の一部であるから、当然、紛争において攻撃を受ける。
街ぐるみでテロリストに協力していると看做されれば、街ごと砲爆撃で粉砕されるのも当然の帰結である。

また、敗勢に陥って困窮した民兵(あるいは正規軍も)は、総じて民間人を恐喝・弾圧・虐殺し始める傾向にある。
戦禍で経済が萎縮すれば補給が滞り、市民社会から物資を収奪する必要に迫られるからだ。

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