Last-modified: 2023-09-01 (金) 09:22:42 (224d)

【強風】(きょうふう)

川西 N1K「強風」

大東亜戦争(太平洋戦争)期に川西航空機が開発、日本海軍で運用された単発水上戦闘機
連合国軍におけるコードネームは"Rex(レックス)"。

開発・特徴

太平洋戦域の作戦において、占領した島嶼や進出先に陸上基地を整備する*1までの間、制空権を確保するための戦闘機を必要とした海軍は、昭和15年9月に川西に対して「十五試高速水上戦闘機」の試作を指示した。

これと並行して、本機が実戦化されるまでのつなぎとして零戦水上機化した二式水上戦闘機が作られていた*2

水上機にとって欠かせない浮舟によって発生する陸上機との性能差を可能な限り抑えるため、主翼取り付け位置には空力特性と失速点に優れる中翼形状、翼型には層流翼の一種であるLB翼、川西航空機が独自に開発した自動空戦フラップが採用された。
また、離水時の方向安定性確保のための二重反転プロペラ装備が計画されたが、整備性・実用性に難があったため試作1号機の試験的な装備のみに終わり、以降の機体は通常の三翅プロペラを装備することとなった。
発動機は当時の日本で実用化されていたものの中で最高の出力を発揮する「火星」を搭載、当時の水上戦闘機としては良好な性能を発揮したが、制式採用・実用化された昭和18年には、戦局の推移から本来想定されていた活躍の場は失われていた。

戦史

日本本土防空のため、佐世保航空隊や大津航空隊*3(琵琶湖)などに配備されたが、全部で97機の少数生産に終わり、実戦参加の記録こそあるものの大きな活躍はなかった。
しかし、本機はその設計をベースに陸上機化された紫電、これを更に改良した紫電改の原型となった。

なお、本機は戦後、飛行試験用としてアメリカに4機が持ち込まれており、うち3機(514号機、562号機*4、565号機)が全部品が揃った状態でアメリカに現存している。
このうち、テキサス州フレデリックスバーグのニミッツ博物館に収蔵されている562号機は公開されているが、残り2機はレストア待ちの状態で公開はされていない。

性能諸元

型式強風一一型
乗員数1名
全長10.58m
全高4.750m
全幅12.00m
翼面積23.50
空虚重量2,700kg
最大離陸重量3,500kg
プロペラ住友ハミルトン 油圧式可変ピッチ定速回転3翅
発動機三菱 火星一三型空冷複列星形14気筒×1基
出力離昇1,460hp
公称1,400hp
最高速度485km/h(高度6,000m)
巡航速度352km/h
実用上昇限度10,560m
航続距離2,000km
上昇力4分11秒/4,000m
総生産機数97機
武装九七式三型改二7.7mm機銃×2挺(装弾数各500発)
九九式二号三型20mm機銃×2挺(装弾数各100発)
30kg爆弾×2発


型式

分類制式呼称略符号解説生産機数
生産強風一一型N1K1火星一三型発動機を搭載。97
計画強風二二型N1K2紫電二一型の設計を取り入れた型。-
生産紫電N1K-J強風を原型に開発された局地戦闘機型。詳しくは項を参照。1,422
紫電改



*1 当時の日本の土木技術は、人海戦術に頼った手作業が主であったため、飛行場の造成には相当の時間がかかっていた。
*2 オリジナルの零戦は三菱重工業が主契約メーカーだったが、二式水戦は三菱の多忙から中島飛行機が生産を担当した。
*3 現在は一部が陸上自衛隊大津駐屯地となっている。
*4 佐世保航空隊で使用されていたもの。

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