Last-modified: 2023-10-21 (土) 15:08:58 (186d)

【フォレスタル】(ふぉれすたる)

CVB-59 USS Forrestal(後にCVA-59、CV-59).

フォレスタル級航空母艦の一番艦にして、世界初のスーパーキャリアー

冷戦初期において、アメリカ軍核報復力を担うべく、空軍海軍との間に熾烈な予算獲得競争があった。
この過程で、空軍は「B-36超大型爆撃機」、海軍は「大型空母*1による機動部隊」をそれぞれ提示したが、実際に予算を獲得したのは空軍のB-36のほうであった。
アメリカ海軍は太平洋戦争中に莫大な数の空母を既に就役させており*2、その上でさらに「核攻撃専用」の巨大空母を建造することは認められなかったのである。

これを巡って「提督たちの反乱」と呼ばれることになる内紛が国防総省・連邦議会で起きている。

しかし、朝鮮戦争において空母の必要性が改めて認められ、かつ軍用機が大型化の一途をたどっていたことから、巨大空母にも価値が見出されるようになり、本艦の建造が承認された。

一番艦「フォレスタル」は1952年起工され、1954年進水、1955年就役した。
本艦はそれまでにない巨大空母である*3と同時に、蒸気カタパルト斜め飛行甲板*4ミラーランディングシステム?といった近代空母に不可欠な装備を就役時点から装備した世界初の艦である。
その巨大さを活かし、A-5や、後のF-14といった、それまでにない大型で高性能の艦上機を運用することができるようになった。

しかし、海軍はフォレスタル級の出来に満足していたわけではなく、続くキティホーク級では飛行甲板のレイアウト、特にエレベーターの配置が大幅に改良された。
フォレスタルは1992年に練習艦(AVT-59)へ艦種変更され、1993年に退役した。
残る同型艦も、1998年までにはすでに退役している。

なお、本艦の艦名は、空軍との予算獲得競争に敗れて自殺したジェームズ・V・フォレスタル元海軍省長官に由来する。

スペックデータ

主建造所ニューポート・ニューズ(CV-59・CV-61)
ニューヨーク海軍工廠(CV-60・CV-62)
排水量
基準/満載
59,060〜60,000t/79,250〜81,163t
全長325m
全幅
(水線/最大)
39.50m/76.80m
喫水11.3m
主缶バブコック・アンド・ウィルコックス社製水管罐×8基
主機ウェスティングハウス式蒸気タービン×4基(出力260,000shp)
推進器スクリュープロペラ×4軸(外側2軸は5翼式、内側2軸は4翼式)
電源タービン発電機(SSTG)×8基(出力1,500kW)(後に出力600kW×2基を追加)
ディーゼル発電機×3基(出力1,000kW)
最大速力33ノット
乗員4,378名(士官552名、下士官4,988名)
兵装(竣工時)Mk.42 5インチ(127mm)単装砲×8基(1977年までに撤去)
兵装(改装後)Mk.29 8連装ランチャー×2基(CV-62は3基)(シースパローSAMを装備)
Mk.15 20mmCIWS×2〜3基
航空装備飛行甲板(長さ×幅):310.3m×72.2m
エレベーター:4基(長さ×幅:15.95m×18.9m)
左舷側×1基、右舷側艦橋前×1基、艦橋後方×2基

蒸気カタパルト:4基
C-7(75メートル長)×2基、C-11(65メートル長)×2基(CV-59・CV-60)
C-7×4基(CV-61・CV-62)
C-13×4基(SLEP改修時に計画。実現せず)
アレスティングギア:Mk.7制動索(6索型)(後に4索型に変更)
搭載機CTOL機+ヘリコプター(冷戦期:90機、通常時:70機前後)
1960年:
F-8「クルセイダー」またはF3H「デーモン」?×24〜28機
A-4「スカイホーク」×36機
A-3「スカイウォーリアー」×10〜12機
計70機
AD-5W「スカイレイダー」×1スコードロン

1970年:
F-4「ファントム供またはF-8「クルセイダー」*5×24機
A-7「コルセア供またはA-4「スカイホーク」×24機
A-6A/B「イントルーダー」×1スコードロン
RA-5C「ヴィジランティ」×4機
E-2A「ホークアイ」×4〜6機
EKA-3B「スカイウォーリアー」×1スコードロン
SH-3A「シーキング」またはUH-2C「シースプライト」×1スコードロン
計90機
RF-8G「クルセイダー」×1スコードロン
KA-3B「スカイウォーリアー」×1スコードロン

1981年:
F-4「ファントム供廚泙燭F-14「トムキャット」×24機
A-7「コルセア供廖24機
A-6E「イントルーダー」×10〜12機
KA-6D「イントルーダー」×4機
E-2C「ホークアイ」×4〜6機
EA-6B「プラウラー」×4〜6機
S-3A「ヴァイキング」×10機
SH-3G/H「シーキング」×6機
計86〜92機
EA-3「スカイウォーリアー」×1スコードロン
RF-8G「クルセイダー」×3機
電子装備
砲射撃指揮装置
(改装時に撤去)
Mk.69 GFCS×2基(5インチ砲用、後にMk.56に換装*6
GUNAR×4基(5インチ砲用)
レーダー竣工時:
AN/SPS-10 対水上捜索用
AN/SPS-12 対空捜索用
AN/SPS-8 高角測定用
AN/SPN-6 航空管制用
AN/SPN-8 航空管制用

更新後:
AN/SPS-29/37A*7/43A*8 対空捜索用
AN/SPS-30 高角測定用*9

SLEP改修後:
AN/SPS-48C 3次元式
AN/SPS-67対水上捜索用
AN/SPS-49 2次元式対空捜索用

CV-61:
Mk.23"TAS"低空警戒用


同型艦

艦番号艦名起工進水就役退役その後
CVA-59

CV-59

AVT-59
フォレスタル
(USS Forrestal)
1952.7.141954.12.111955.10.11993.9.112014.2.4
スクラップ
として売却

2015.12.15
解体終了
CVB-60

CVA-60

CV-60
サラトガ
(USS Saratoga)
1952.12.161955.10.81956.4.141994.8.202014.5.
スクラップ
として売却

2019.3.31
解体終了
CVA-61

CV-61
レンジャー
(USS Ranger)
1954.8.21956.9.291957.8.101993.7.102015.3.5
スクラップ
として売却

2017.11.1
解体終了
CVA-62

CV-62
インディペンデンス
(USS Independence)
1955.7.71958.6.61959.1.101998.9.302017.3.10
スクラップ
として売却

2019.
解体終了



*1 ユナイテッド・ステーツはこの過程で計画・建造が始まった。
*2 エセックス級の全艦が生き残っており、その上さらに多数の軽空母護衛空母を(モスボールという形で)保有していた。
*3 全長・満載排水量において、旧日本海軍の「信濃」を凌駕していた。
*4 起工時から装備されたのはレンジャー以後。
*5 主にエセックス級航空母艦に搭載されていた。
*6 更にMk.68 GFCSへの換装も検討されたが、こちらは実現しなかった。
*7 CV-62は最初から装備。
*8 1962年に換装。CV-61・CV-62は1961年に換装。
*9 CV-60は1960年代初め、CV-61は1964年、CV-62は1963年に換装。

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