*&ruby(ぴーふぉーてぃ){【P-40】}; [#s6410ae1]
Curtiss P-40 Tomahawk/Kittyhawk/Warhawk~
~
アメリカの[[カーチス社>カーチス・ライト]]が1930年代に開発・生産し、[[第二次世界大戦]]期に運用された[[単発>単発機]][[レシプロ>レシプロエンジン]][[戦闘機]]。~
愛称は「トマホーク」「[[キティホーク]]」「ウォーホーク」。~
**開発 [#hc8a2621]
[[P-36「ホーク」>P-36]]戦闘機を原型に、搭載する[[空冷エンジン]]を[[液冷エンジン]]に換装、[[ターボチャージャー]]を装備した「XP-37」試作高高度戦闘機から不調の多いターボチャージャーを除いた改良型として開発された。~
1938年に[[初飛行]]した原型機は試験飛行で最高速度589km/hを記録、原型機であるP-36の504km/hから大幅な向上が認められ、[[制式]]採用された。~
**特徴 [#mbfab0a6]
同時期の各国が配備していた先進的な[[単発>単発機]][[レシプロ>レシプロエンジン]][[戦闘機]]と比較すると[[カタログスペック]]上は平均的な機体であったが、旧来的ながら堅実な設計から生産性や機体構造の強固さでは他を上回った。~
また、防弾装備や人間工学への配慮がなされた[[コックピット]]は実際に本機に搭乗する[[パイロット>エビエーター]]たちの生存率向上に寄与した。~
さらに、機体重量の大きさ、[[前面投影面積]]の小さい[[液冷エンジン]]が組み合わさった結果、本機の急降下性能は非常に優れたものとなった。~
この特性は急降下を伴う[[一撃離脱>ヒットアンドアウェイ]]や[[急降下爆撃]]、戦闘中の迅速な離脱の容易さに繋がった。~
**戦史 [#vab7fe2e]
初期の生産型は[[第二次世界大戦]]が本格化しつつある欧州の[[フランス空軍>フランス軍]]にて運用される予定だったが、引渡し前にフランスがドイツの侵攻を受けて[[降伏]]したため、[[イギリス空軍>RAF]]が同機を引き取り「Tomahawk Mk.�機廚箸靴萄陵僉�[[バトル・オブ・ブリテン]]で運用された。~
~
その後、生産を継続しながら改良型が次々と開発され、本国の[[USAAF]]や英国のみならず英連邦のカナダ軍やオーストラリア軍、ニュージーランド軍、南アフリカ軍のほか、自由ポーランド軍やトルコ軍、ブラジル軍、中華民国軍などにも引き渡され、大戦序盤に守勢にあった[[連合国軍>連合国（第二次世界大戦）]]における主力戦闘機となった。~
~
また、[[ソ連軍]]もレンド・リースによって受領した機体を運用したが、国産機や他のレンド・リース機と比べて比較的低い[[運動性]]から評価は芳しくなかった。~
~
連合国が攻勢に転じた大戦中期以降は、長距離任務の増加により主力機が[[P-38「ライトニング」>P-38]]や[[P-47「サンダーボルト」>P-47]]、[[P-51「マスタング」>P-51]]といった航続距離の長い機体へと移り、P-40の生産は1944年に終了した。~
総生産数は13,738機であった。~
その後も終戦まで運用は継続され、P-40は[[第二次世界大戦]]全期を通して活躍した機体となった。~
#ref(http://www.masdf.com/altimeter/chino/1st/IMG_7565.jpg,600x400);
（P-40E）
**性能諸元[#m0375a3c]
|型式|CENTER:''P-40E''|CENTER:''P-40N ''|
|乗員|>|CENTER:[[パイロット>エビエーター]]1名|
|全長|CENTER:9.665m|CENTER:10.2m|
|全高|CENTER:3.76m|CENTER:3.76m|
|翼幅|CENTER:11.367m|CENTER:11.42m|
|翼面積|CENTER:21.9��|CENTER:21.95��|
|翼型|>|CENTER:翼根：NACA2215&br;翼端：NACA2209|
|空虚重量|CENTER:2,686kg|CENTER:2,905kg|
|全備重量|CENTER:3,862kg|CENTER:3,505kg|
|[[発動機>エンジン]]|CENTER:アリソン V-1710-39 (F3R) [[液冷>液冷エンジン]]V型12気筒×1基|アリソン V-1710-81 [[液冷>液冷エンジン]]V型12気筒×1基|
|出力| 1,150hp/858kW @ 海面高度&br;1,150hp/858kW @ 高度3,566m&br;1,490hp/1,111kW @ 高度1,311m（WEP((戦時緊急出力。))）|1,200hp/895kW @ 海面高度&br;1,125hp/839kW @ 高度4,724m&br;1,410hp/1,052kW @ 高度2,895m（WEP）|
|[[プロペラ]]|>|CENTER:[[カーチス・ライト]]電動定速プロペラ3枚翅（直径3.35m）|
|最高速度|CENTER:550km/h @ 高度4,297m&br;583km/h @ 高度4,572m（WEP）|CENTER:608km/h @ 高度5,000m|
|[[巡航速度]]|CENTER:496km/h|CENTER:455km/h|
|[[航続距離]]|CENTER:1,152km（エンジン出力70％）|CENTER:1,200km|
|[[上昇限度]]|CENTER:8,900m|CENTER:11,630m|
|上昇性能|CENTER:高度4,571mまで6分15秒（12.2m/s）|CENTER:[[上昇率]]：11.4m/s|
|[[翼面荷重]]|CENTER:171kg/��|CENTER:160kg/��|
|馬力荷重|CENTER:222W/kg|CENTER:300W/kg|
|>|>|CENTER:固定武装|
|翼内|>|CENTER:[[ブローニングM2 12.7mm重機関銃>ブローニングM2]]|
|~|CENTER:6挺（各281発）|CENTER:4~6挺（各281発）|
|>|>|CENTER:追加装備|
|胴体下|>|CENTER:500lb（227kg）爆弾×1発|
|~|>|CENTER:408L[[増槽]]×1基|
|主翼下|>|CENTER:100lb（45kg）爆弾×2発|
|~|>|CENTER:30lb~22lb（13kg~10kg）爆弾×6発|
|~|>|CENTER:284L[[増槽]]×2基 |
~
**バリエーション [#kaca3226]
***モデル75シリーズ（アリソンエンジン搭載） [#x3d8dc91]
-XP-37：~
モデル81を[[米陸軍>USAAF]]が審査した時の呼称。社内呼称モデル75I。~
~
-YP-37：~
[[ターボチャージャー]]付きのアリソンV-1710-21エンジン搭載の実用試験機。~
エンジンの不調が目立ち、満足な試験飛行が不可能だったため、1942年に計画中止となった。~
~
-XP-40：~
P-36AにV-1710-19エンジンを搭載した改良型原型。社内呼称モデル75P。~
~
***モデル81シリーズ [#x2c08e5b]
-モデル81：~
モデル75を改造した原型機。~
エンジンは[[スーパーチャージャー]]付きのアリソンV-1710-11（離昇出力1,150hp）を搭載。~
全長も75�竸�ばされ、[[コックピット]]が後方に移されたが、前方視界が極めて悪かった。~
~
-P-40：~
米陸軍向けの初期生産型。V-1710-33エンジン（出力1,040hp）を搭載。~
武装は主翼内にブローニングM1919 7.62mm機銃を搭載。~
~
--P-40A：~
P-40にカメラを搭載した非制式の[[写真偵察機>偵察機]]の呼称。1機のみ製作。~
~
--P-40G：~
P-40にトマホークMk.��Aの主翼（7.7mm機銃×4挺仕様）、防弾鋼板、防弾ガラスを取り付けた機体。~
一部はソ連へ供与。~
~
--RP-40：~
[[偵察機]]型。~
~
--TP-40：~
複座の[[操縦士転換練習機>練習機]]へ改造した型。~
胴体燃料タンクは廃されている。~
~
--ホーク81A-1：~
[[フランス空軍>フランス軍]]向けP-40。フランス降伏によりイギリス空軍が受領。~
~
---トマホークMk.�機�~
ホーク81A-1の[[イギリス空軍>RAF]]での呼称。~
~
--P-40B：~
P-40の改良型。~
自動漏り止めタンク、翼内7.62mm機銃を2丁増設して4挺にした。~
~
--ホーク81A-2：~
英国向け供与型。B型相当の機体。~
~
---トマホークMk.��/Mk.��A：~
ホーク81A-2のイギリス空軍での呼称。~
~
--P-40C：~
B型の改良型。~
改良型自動漏り止めタンクを装備したが飛行性能は犠牲になった。~
無線機はSCR-274N（[[AN/ARC-5]]）に変更され、52galの[[ドロップタンク>増槽]]が用意された。~
~
--ホーク81A-3：~
英国向け供与型。C型相当の機体。~
~
---トマホークMk.��B：~
ホーク81A-3のイギリス空軍での呼称。~
~
---ホーク81A-2/3：~
輸出型。イギリスに供与予定だった機体を中国が購入したもの。~
中国国民党軍に引き渡され、[[アメリカ合衆国義勇軍>義勇兵]]（AVG、愛称「フライング・タイガース」）が使用した。~
[[増槽]]を装備していない。~
~
***モデル87シリーズ [#y1ae15fa]
-P-40D：~
再設計改良型。V-1710-39（-F3R）エンジン（出力1,150hp（860kW））を搭載。~
武装は12.7mm機銃×4挺。~
~
--P-40D-1：~
[[アメリカ陸軍航空軍（USAAF）>USAAF]]向け。~
~
--ホーク87A-1：~
英国供与型。D型相当の機体。~
~
---キティホークMk.�機�~
ホーク87A-1のイギリス空軍での呼称。~
~
-P-40E：~
D型の改良型。翼内搭載機銃を12.7mm機銃×6挺に強化。~
一部の機体は「フィッシュテイル」排気筒を装備し、後期生産型は[[垂直尾翼]]が大型化している。~
~
--P-40ES：~
複座練習機型。~
~
--P-40EF：~
[[ソビエト空軍>ソ連軍]]がE型・K型を写真偵察機として改造した型。~
~
--ホーク87A-2：~
英国供与型。D型相当の機体。~
~
---キティホークMk.��A：~
ホーク87A-2のイギリス空軍での呼称。~
~
---P-40E-1：~
ホーク87A-2の[[アメリカ陸軍航空軍>USAAF]]での呼称。~
~
-P-40F：~
パッカードV-1650-1（イギリス製、マーリン28エンジンのライセンス生産型、出力1,300hp）エンジン搭載の高高度性能向上型。~
武装は翼内12.7mm機銃×6挺。~
~
--XP-40F：~
D型にマーリン28型エンジンを搭載したプロトタイプ。~
~
--P-40F（P-40F-1）：~
パッカードV-1650-1エンジンを搭載した初期生産型。~
~
--P-40F-5：~
胴体後部を長胴化した型。~
~
--P-40F-10：~
手動操作の[[カウルフラップ]]を装備した型。~
~
--P-40F-15：~
防寒装備を備えた型。~
~
--P-40F-20：~
コックピットの酸素流入装置を変更した型。~
~
--YP-40F：~
試験機型。~
~
--P-40R-1：~
マーリンエンジンの不足により、アリソンV-1710-81エンジンを搭載した型。~
~
--ホーク87B-2：~
英国供与型。F型またはL型相当の機体。~
~
---キティホークMk.�供�~
ホーク87B-2のイギリス空軍での呼称。~
~
-P-40J：~
[[排気タービン]]装備予定の高高度戦闘機型。計画のみ。~
~
-P-40K：~
E型の改良型。エンジンはアリソンV-1710-73を搭載。~
~
--P-40K-1：~
中国へレンドリース予定だったものを[[真珠湾攻撃]]後にアメリカ陸軍航空軍と英国空軍が引き取った機体。~
~
--P-40K-5：~
ロータリーバルブ冷却器を備えた型。~
~
--P-40K-10：~
胴体尾部を長胴化した型。~
~
--P-40K-15：~
防寒装備を備えた型。~
~
--TP-40K：~
複座練習機型。~
~
--XP-40K：~
主翼のルートラジエーター試験機。~
エンジンはV-1710-43を搭載。~
~
--ホーク87B-3：~
英国供与型。K-1型またはL型またはM型相当の機体。~
~
---キティホークMk.�掘�~
ホーク87B-3のイギリス空軍での呼称。~
~
-P-40L：~
F型の軽量化モデルだが、一部装備品が異なる。~
~
--P-40L-1：~
P-40F-5と同様の機体。一部装備品が異なる。~
~
--P-40L-5：~
燃料容量を削減した型。~
~
--P-40L-10：~
エンジンシステムを改良し、電気[[補助翼]]を備えた型。~
~
--P-40L-15：~
改良されたキャブレターフィルターと信号灯を備えた型。~
~
--P-40L-20：~
無線や電機システムを変更した型。~
~
--P-40L-25：~
567機発注もキャンセルされ製造されず。~
~
--P-40L-30：~
60機発注もキャンセルされ製造されず。~
~
-P-40M：~
K型のエンジン換装型。~
アリソンV-1710-81（出力1,360hp）を搭載、細かい改善点以外はK型と同等。~
~
--P-40M-1：~
初期生産型。~
~
--P-40M-5：~
キャブレターエアフィルターと[[エルロン>補助翼]]を改良した型。~
~
--P-40M-10：~
燃料システムを改良した型。~
~
--TP-40M：~
複座練習機型。~
~
--キティホークMk.�掘�~
英国空軍およびオーストラリア[[空軍]]・ニュージーランド空軍供与型。~
~
-P-40N：~
最終生産型。~
機体がより軽量化され、アリソンV-1710-81（後に-99、-115）エンジンを搭載。~
~
--P-40N-1：~
初期生産型。主翼機銃は4挺。~
~
--P-40N-5：~
[[コックピット]][[キャノピー]]を改良した型。~
主翼機銃を6挺に増強している。~
~
--P-40N-6：~
P-40N-5の胴体に偵察用カメラを搭載した現地改造型。~
~
--P-40N-10：~
防寒装備を備えた型。主翼機銃は4挺。~
~
--P-40N-15：~
バッテリーを移動し、主翼燃料タンク大型化、主翼機銃を6挺に増強した型。~
~
--P-40N-16：~
P-40N-15の偵察機改造型。~
~
--P-40N-20：~
アリソンV-1710-99エンジン搭載型。~
~
--P-40N-25：~
改良型計器盤と非金属性燃料タンクを備えた型。~
~
--P-40N-26：~
P-40N-25の偵察機改造型。~
~
--P-40N-30：~
バルブと電機システムを変更した型。~
~
--P-40N-35：~
システムを変更して新型の無線機を搭載した型。~
~
--P-40N-40：~
改良された燃料タンクや新型の無線機および酸素システムを装備した型。~
エンジンはV-1710-115（1,360hp）を搭載。~
~
--TP-40N：~
複座練習機型。~
~
--XP-40N：~
[[バブルキャノピー]]に改良されたN型の非公式呼称。~
~
--ホーク87V/W：~
英国供与型。N型相当の機体。~
~
---キティホークMk.�検�~
ホーク87V/Wのイギリス空軍での呼称。~
~
-P-40P：~
マーリンエンジン搭載型。マーリンエンジンの不足により実現せず。~
~
-P-40Q：~
エンジンを2段式[[スーパーチャージャー]]装備のV-1710-121に換装、[[水滴型風防>バブルキャノピー]]を装備、冷却システムの更新など徹底改良された型。~
最高速度680km/hを出すP-40系統で最高性能のモデルだが、既に実績を挙げている[[P-51]]などの新鋭機を代替するほどの価値はないと判断され、採用されなかった。~
~
--XP-40Q-1：~
胴体を長胴化し、XP-40Kと同様の翼端ラジエーターや4枚プロペラを装備した型。~
~
--XP-40Q-2：~
大規模な設計変更後のプロトタイプ。~
ラジエーターの吸気口は[[機首]]下に移動したが、より合理化された。~
[[キャノピー]]は[[バブルキャノピー]]を装備する。~
~
--XP-40Q-2A：~
P-40K-1をベースに改造したプロトタイプ。~
XP-40Q-2に似ているが若干の改良が施されている。~
~
--XP-40Q-3：~
P-40N-25をベースに改造したプロトタイプ。~
合理化された[[キャノピー]]を除き、XP-40Q-2と同等の機体。~
~
--P-40Q：~
6門の50口径[[機関銃]]または4門の20mm[[機関砲]]を備えた初期生産型。生産されず。~
~
-P-40R：~
F型・L型のエンジンをアリソンV-1710-81に換装した型。主に練習機として使用。~
~
--P-40R-1：~
F型のアリソンV-1710-81エンジン換装型。~
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--P-40R-2：~
L型のアリソンV-1710-81エンジン換装型。~
~
IP:124.144.51.84 TIME:"2023-08-06 (日) 12:20:37" REFERER:"http://mmsdf.sakura.ne.jp/public/glossary/pukiwiki.php" USER_AGENT:"Mozilla/5.0 (iPhone; CPU iPhone OS 16_6 like Mac OS X) AppleWebKit/605.1.15 (KHTML, like Gecko) Mobile/15E148 Safari Line/13.11.0"
