*&ruby(えふはちじゅうよん){【F-84】}; [#q9b280fd]
Republic F-84"&ruby(サンダージェット){Thunderjet};" / F-84F"&ruby(サンダーストリーク){Thunderstreak};" / RF-84F"&ruby(サンダーフラッシュ){Thunderflash};".~
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アメリカのリパブリック社が1940〜1950年代に開発・生産した、黎明期の[[亜音速]]ジェット[[戦闘機]]。~
大きく分けて、[[直線翼]]を持つA〜E/G型「サンダージェット」と[[後退翼]]を持つF型「サンダーストリーク」に分けられる。~
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当初、本機は[[P-47「サンダーボルト」>P-47]]の後継となるジェット戦闘機「P-84」として、1944年に開発が始まった。~
1946年に原型機が[[初飛行]]すると、[[アメリカ陸軍航空隊>USAAF]]から226機が発注され、量産が始まった。~
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機体は[[機首]]に[[エアインテーク]]を取り付け、[[主翼]]にはオーソドックスな[[直線翼]]を採用した。~
[[速度]]性能では同時期に実用化した[[後退翼]]採用の[[F-86]]に迫ったものの、高高度での[[運動性]]では劣っていた。~
また、エンジンの[[推力]]も不足気味で[[離陸]]滑走距離も長かった。~
しかし、機体の頑丈さでは[[P-47]]譲りの頑強さを示しており、後々の活躍につながっていった。~
>[[空中給油]]能力を備える初期のジェット戦闘機であり、1950年には単座ジェット戦闘機としては初めて大西洋の無着陸横断に成功している。
部隊配備中に[[朝鮮戦争]]が勃発していたが、本機はその初動対応の主力として投入された。~
当初は[[北朝鮮軍>朝鮮人民軍]]の防空能力が貧弱だったこともあり活躍を見せたが、中華人民共和国が「[[義勇軍>義勇兵]]」（中国人民志願軍）として介入しだすと、ソ連から供与された後退翼の高性能戦闘機[[MiG-15]]が飛来するようになり、防戦一方になっていった((それでも9機の撃墜戦果を挙げている。))。~
その後、制空戦闘は[[F-86]]に譲り、本機は機体の頑強さと2トンの[[ペイロード]]、長い[[航続距離]]を活かして[[戦闘爆撃機]]として対地支援に用いられるようになった。~
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休戦後も本機の量産は続き、最終的には（[[後退翼]]を装備した「サンダーストリーク」も含め）各型合わせて7,524機が生産され、自由主義陣営同盟各国に輸出もされている。~
最後の運用国はギリシャで、[[偵察機]]型の「サンダーフラッシュ」を1991年まで運用していた。~
**スペックデータ[#x9b42107]
|>|CENTER:''F-84G「サンダージェット」''|
|乗員|1名|
|全長|11.60m|
|全高|3.84m|
|翼幅|11.10m|
|翼面積|24��|
|空虚重量|5,200kg|
|積載重量|8,200kg|
|最大離陸重量|10,590kg|
|[[エンジン]]|アリソン [[J35-A-29>J35]][[ターボジェット]]×1基（出力24.7kN（5,560lbf））|
|最高速度|1,000km/h|
|[[巡航速度]]|770km/h|
|[[戦闘行動半径]]|1,600km|
|[[フェリー>回航]][[航続距離]]|3,200km（外部タンク装備時）|
|[[実用上昇限度>上昇限度]]|12,350m|
|[[上昇率]]|19.1m/s|
|[[翼面荷重]]|342kg/��|
|[[推力重量比]]|0.31lbf/lb|
|固定武装|[[ブローニングAN/M3 12.7mm機関銃>ブローニングM2]]×6挺（装弾数300発）|
|兵装|最大2,020kgの兵装を搭載可能。&br;454kg[[爆弾]]×4発、[[ロケット弾]]×24発、マーク7[[戦術核爆弾>戦術核兵器]]×1発|
|[[アビオニクス]]|A-1CMまたはA-4照準器&br;AN/APG-30またはMK-18測距レーダー|
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|>|CENTER:''F-84F「サンダーストリーク」''|
|乗員|1名|
|全長|13.23m|
|全高|4.39m|
|翼幅|10.25m|
|翼面積|30��|
|空虚重量|5,200kg|
|最大離陸重量|12,701kg|
|[[エンジン]]|[[ライト>カーチス・ライト]] [[J65-W-3>J65]][[ターボジェット]]×1基（出力32.1kN（7,220lbf））|
|最高速度|1,119km/h（604kn、海面上）|
|[[航続距離]]|1,304km（[[戦闘行動半径]]、[[ドロップタンク>増槽]]×2基搭載時）|
|[[実用上昇限度>上昇限度]]|14,000m|
|[[上昇率]]|42m/s|
|[[翼面荷重]]|423kg/��|
|固定武装|[[ブローニングAN/M3 12.7mm機関銃>ブローニングM2]]×6挺（[[機首]]4基・[[主翼]]2基、装弾数：計1,800発）|
|兵装|最大2,727kgの兵装を搭載可能。&br;[[爆弾]]、[[ロケット弾]]、マーク7[[戦術核爆弾>戦術核兵器]]×1発|
|[[アビオニクス]]|A-1CMまたはA-4照準器&br;AN/APG-30またはMK-18測距[[レーダー]]&br;AN/ARC-33またはAN/ARC-34コマンドセットラジオ&br;AN/APX-6またはAN/APX-6A [[IFF>敵味方識別装置]]セット&br;AN/AR-6ラジオコンパス&br;AN/APW-11またはAN/APR-11Aレーダーセット&br;AN/APN-21 [[TACAN]]セット|
**バリエーション [#s211275e]
-XP-84（2機）：~
試作機。~
直線翼でアリソンJ35エンジンを搭載。~
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-XP-84A：~
増加試作機。~
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-YP-84A（15機）：~
実用試験機。固定武装を搭載。~
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-F-84B（226機）：~
初期量産型。~
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--EF-84B：~
MX-1016計画（コードネーム：「ティップ・トゥ」）用に製作された[[寄生戦闘機]]型。~
飛行中に結合/分離可能な翼端結合装置を介して[[ETB-29>B-29]]の翼端に取り付けるというものだった。~
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-F-84C（191機）：~
エンジンをJ35-A-13に換装した型。~
~
-F-84D（154機）：~
エンジンをJ35-A-17に換装し、燃料システムや[[降着装置]]を改良した型。~
エンジンをJ35-A-17に換装し、燃料システムや[[ランディングギア]]を改良した型。~
~
-F-84E（843機）：~
エンジンをJ35-A-17Dに換装し、胴体を延長、燃料容量を拡大した型。~
[[レーダー]]照準器や[[離陸補助ロケット>RATO]]の装備が可能。~
~
--EF-84E：~
テストベッド機型。~
空中給油の試験にも使用された。~
~
-F-84G（3,025機）：~
[[戦闘爆撃機]]型。~
エンジンをJ35-A-29に換装し、空中給油能力や自動操縦装置を追加した。~
また、フレームを追加して強化した[[キャノピー]]を標準装備し、以前の型も後から換装された。~
~
--EF-84G：~
[[ゼロ距離発進]]用の試作機。~
~
-F-84KX（80機）：~
[[米海軍>アメリカ海軍]]向けにB型を[[無人>無人機]][[標的機]]に改造した機体。~
~
-YF-96：~
試作機。~
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-F-84F「サンダーストリーク」：~
[[後退翼]]に再設計した型。~
エンジンは[[ライト>カーチス・ライト]][[J65-W-7またはJ65-W-3>サファイア]]を搭載。~
~
--GRF-84F（24機）：~
[[JRB-36F>B-36]]を母機とする「トム・トム」計画用に改設計された機体。~
~
--RF-84F「サンダーフラッシュ」（715機）：~
[[偵察機]]型。~
[[機首]]に偵察用カメラを搭載するスペースを確保するため、[[空気取入口>エアインテーク]]を左右の主翼付け根部分に移動させた。~
~
--RF-84K FICONプロジェクト（25機）：~
戦術偵察戦闘機（寄生戦闘機）型。GRF-84Fより改称。~
引き込み式のフック装置を装備し、母機の[[GRB-36>B-36]]の[[爆弾槽>ウェポンベイ]]に密着できるように[[水平尾翼]]に[[下反角]]がついている。~
~
-XF-84H：~
機首に[[ターボプロップ]]エンジンと[[超音速]][[プロペラ]]を装備した試作機。~
期待通りの性能は得られず、方向安定性の欠如、振動など多くの問題が露呈し、さらに40km先でも地上でのエンジンテストの音が聞こえたほど騒音がひどかった。~
非公式に「サンダースクリーチ」の愛称で呼ばれた。~
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-YF-84J：~
[[GE>ジェネラルエレクトリック]] J73エンジンを装備した型。試作のみ。~
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