*&ruby(よくめんかじゅう){【翼面荷重】}; [#l05593f6]
翼面荷重とは、翼1平方メートルがどれたけの重量を支えているかを表す数字。航空機の性能を測る一つの指標となる。~
基本的に単位面積あたりの荷重(kg/m2)を単位とし、一般的には水平飛行時(1G状態)に計測される。~

[[飛行機]]の飛行中に[[主翼]]にかかる負荷。~
面積あたりの荷重(キログラム/平方メートル)を単位とし、一般的には1Gの水平飛行時に計測される。~
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[[航空機]]の場合、測定した時点での機体の質量を[[主翼]]の有効翼面積で割った値に等しい。~
よって、重さと比較して[[主翼]]が大きいほど低翼面荷重、小さいほど高翼面荷重となる。~
理論上、機体総重量を[[主翼]]の面積で割った値に等しい。~
重量と比較して[[主翼]]が大きいほど翼面荷重が小さく、[[主翼]]が低いほど翼面荷重が大きい。~
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翼面荷重が高いほど、飛行に必要な[[揚力]]を確保可能な速度も高くなる傾向にあり、低速域では[[失速]]に陥りやすくなる。また、翼の強度、もしくは柔軟性が求められる。~
そのため、一般には翼面荷重が低いほど[[離着陸性能>STOL]]・上昇力・旋回半径に優れる。~
翼面荷重が大きいほど、[[推力]]から[[揚力]]への変換効率が悪くなる。~
これにより、[[失速]]を避けるために高速を維持する必要が生じ、[[離陸]]・[[着陸]]に必要な[[滑走路]]の長さも増す。~
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反面、翼面荷重が低いほど、高速飛行時の空気抵抗は増える傾向にあるため、優れた最高[[速度]]を求められる機体では、これは特に大きな問題となる。~
また、横風など、天候に左右される気流の影響を受けやすくなる。~
翼面荷重が小さいほど[[推力]]を[[揚力]]以外の用途に回す余裕が多くなり、上昇や旋回が容易になる。~
低速・短距離での離着陸([[STOL]])を実現するには翼面荷重を小さく形成する必要がある。~
反面、翼面荷重が小さい機体は[[静安定性]]が低く、[[抗力]]や気流によって揺動しやすくなる。~
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ただ、これらの指標はあくまで傾向のため、機体の空力設計やエンジン性能などによっては、この数値の限りではない。~
機体の翼面荷重がどの程度であるべきかは、設計思想上なにを優先すべきかを判断する[[トレードオフ]]の問題となる。~
また、その判断材料を集める際にも、機体の構造・機構・性能諸元が勘案される複雑な工学的計算が必要とされる。~
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しかし、相手となる機体の性能を超えることが求められる[[戦闘機]]においては、可能な限り旋回性能や低速域での安定性を向上させる(特に艦載機)一方、十分な速度性能も求められるため、この翼面荷重のバランスが重要となる。~
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関連:[[揚抗比]] [[翼幅荷重]]~

関連:[[揚抗比]] [[翼幅荷重]]
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