*&ruby(よあつふく){【与圧服】}; [#p9eb249a]
Pressure suit / Pressurized suit.~
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飛行服の一種で、高高度など[[気圧]]の低い環境での生命維持を念頭に置くもの。~
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極度の低気圧は致死的であるため、基本的には気密・与圧によって体表の気圧を保つ事を念頭に置く。

> 内外での気圧差が大きいほど圧迫などの物理的な負荷・危険が生じるため、地上より少し低気圧に調整される。

気圧が極端に低くなると、肺が酸素吸収に必要な圧力を得られず、酸素マスクがあっても呼吸困難に陥る。~
また、減圧によって血中の窒素などが気泡となって圧迫する[[減圧症]]も問題になる。~

>「血液が沸騰する」などという風説もあるが、これは基本的に間違い。~
血液自体は沸騰し得るが、外傷性の大出血を起こしていない限り皮膚・血管で十分に保護される。

こうした低気圧に対しては、基本的には[[コックピット]]や[[キャビン]]自体を与圧((安全を考慮し、地上よりやや低い気圧に調整されるのが普通。))して対処する。~
与圧服は、被弾などで機体の気密構造が破られた状況を想定して着用される。~
こうした低気圧は基本的に[[コックピット]]や[[キャビン]]自体を密閉・与圧して対処する。~
与圧服を着用するのは緊急対応のためで、被弾・事故などで気密が破れた極限状況における短期間の生存を想定する。~
とはいえ、気密性を第一に考える与圧服は分厚く頑丈で動きにくく、操作を阻害する上に、実際には乗員の生還率にほとんど寄与しない。~
高高度で[[超音速巡航]]中に[[コックピット]]を圧壊させるような衝撃を受けた場合、そこにいた乗員がまだ生きているとは考えにくいからだ。~
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とはいえ、気密性を第一に考える与圧服は分厚く頑丈で動きにくく、操作を阻害する。~
現代では高高度飛行の機会が少なく、また損傷があまり想定されなくなった((現代の[[地対空ミサイル]]に対しては[[対応防御]]が成り立たず、高高度で損傷した機体はまず帰還できない。))ため、あまり用いられない。~
戦闘が想定される場合は低気圧を危惧するより手技の操作性を確保する方が生存上重要なため、現代[[軍用機]]で与圧服が必要とされる事はほとんどない。~
[[実験機]]や[[宇宙船]]など、未知の危険要因が予期される実験的計画では今でも与圧服が必要とされている。~
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宇宙開発の初期においては、[[航空機]]用の与圧服が[[宇宙服]]として流用されることも多かった。~
関連:[[宇宙服]]~
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&ref(http://www4.plala.or.jp/klesa108/diary/20050821psuit.jpg,512x384); ~
[[U-2]][[パイロット>エビエーター]]用与圧服~

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