*&ruby(くうちゅうちょうおんき){【空中聴音機】}; [#n8a49cff]
空中早期警戒システムの一種で、航行する[[飛行機]]の爆音を探知する装置。~
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巨大なお椀型のものや、ラッパのような形状のもの、「お面」のような顔に装着する滑稽な形のものまで、大小様々な聴音機が開発され、1920年代〜1940年代まで使用されていた。~
条件が良ければ、30km以上の距離で[[爆撃機]]を探知できた((実用上において聴音機で探知できるのは方角のみで距離を判別する事は出来ない。))。~
条件が良ければ30km以上離れた[[爆撃機]]を検知できたが、検知能力を聴音員の耳に頼っており、距離を判別する事は出来なかった。~
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しかし、1920年代頃にはせいぜい[[マッハ]]0.1〜0.2程度しか速度を出せなかった飛行機は、1940年代には[[マッハ]]0.4〜0.5もの速度が出せるようになり、音による早期警戒では「探知できても以後の対処が不能」とされ、意味を成さなくなってしまった。~
>仮に、[[対地速度]]400km/hで接近中の敵を距離30kmで探知できたとしても、その音が聴音機に届くまでの約90秒の間に20kmにまで接近しており、さらにその時点からの猶予は僅かに180秒(3分)しかない。
1920年代当時の[[航空機]]を検出する手段としては一定の信頼を置けたが、その後[[軍用機]]の高速化によって実用上の価値を減じていった。~
[[音速>マッハ]]に依存する原理上不可避な欠陥があったため、光速で走査できる[[レーダー]]が配備されると共に姿を消していった。

こうしたことから、瞬時に[[飛行機]]を探知できる[[レーダー]]が実用化されると聴音機は姿を消していった。~
補助的にではあるが、[[バトル・オブ・ブリテン]]や日本及びドイツ本土の防空戦においても使用されている。~
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http://www.time.com/time/covers/0,16641,19361228,00.html~
空中聴音機を閲兵する昭和天皇 (TIME誌)~
> [[対地速度]]400km/hで接近中の敵機を距離30kmで探知できたとして、その音が聴音機に届くまでに約90秒が経過している事になる。~
これほどのタイムラグがあっては察知してから実際に敵機が飛来するまでに準備できる事などほとんどなく、早期警戒として事実上機能しない。

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