*&ruby(ろーたりー・れしぷろえんじん){【ロータリー・レシプロエンジン】}; [#j372a136]

航空黎明期に一時期用いられていた航空用[[レシプロエンジン]]・[[空冷エンジン]]の一種。回転式エンジンとも。~
代表的な機種としてフランスのノーム・エ・ローヌ社のル・ローヌ9Cなどが有名。~
[[第一次世界大戦]]後、[[エンジン]]の放熱に関する基礎技術が成熟すると共に廃れていった。~
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主軸を胴体に固定し、燃焼室ごと[[エンジン]]本体を回転させているのが特徴。~
(一般的な[[レシプロエンジン]]はこれとは逆に燃焼室周りを固定し、主軸を回転させる)~
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[[エンジン]]自体が回転する事で多くの外気に触れ、効率よく冷却できる。~
また、エンジン自体の回転が弾み車のように作用して負荷を緩和するため、エンジン全体を軽量化できる。~
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反面、[[エンジン]]全体を回転に耐えられるように設計すると内部機構が複雑化する。~
また、重い[[エンジン]]の回転によるジャイロ効果が生じ、旋回に際して意図しない機体挙動を引き起こして操舵を阻害する。~
特に後者は死亡事故を多発させた事で悪名高い([[離>離陸]][[着陸]]時に[[機首]]を振り回して[[墜落]]を誘発している)。~
特に[[離陸]]・[[着陸]]時に[[機首]]を振り回すのは構造上の重大な欠陥であり、[[墜落]]・死亡事故を多発させた。~
また、この欠点は[[エンジン]]自体が大重量・高回転であるほど深刻化するため、回転式エンジンで実装できる出力には事実上の上限があった。~
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[[エンジン]]自体が大型化して回転が困難になった事と、[[第一次世界大戦]]後に放熱に関する基礎技術((熱伝導率の高い材質、シリンダーとシリンダーヘッドの分離、より緻密で背の高い冷却フィンなど。))が成熟し、回転させなくても充分な冷却が可能な新型の[[空冷>空冷エンジン]]星型エンジンが続々と登場した事から廃れていった。~
[[第一次世界大戦]]後には、熱伝導率の高い素材、シリンダーとシリンダーヘッドの分離、緻密な冷却フィンなど放熱に関する諸発明が集積。~
また、回転式では実現できないほど高出力の[[エンジン]]が求められた事もあり、以降の[[空冷エンジン]]は燃焼室を固定する方式に改められていった。

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