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【ZSU-23-4】 †
ソビエトの開発した自走式AAA。
NATOコードは『シルカ』*1、ZSUとは「Zenitnaya Samokhodnaya Ustanovka」の略であり『自走高射装置』という意味である。
ソ連最初の自走式高射機関砲ZSU-57-2の後継として、PT-76水陸両用戦車のシャーシを流用して開発された。
後に付く数字の通りRPK-2「ヴィユーガ(NATOコード:B-76「ガンディッシュ」)」レーダーにリンクしたAZP-85 液冷式23mm機関砲を4門束ねており、ソビエトの兵器らしく名は体を表している。
また、追加兵装として、9K38「イグラ」6基又は側面に9K310「イグラ-1」を装備できた。
しかし、砲身冷却システムには欠陥があり、砲身のオーバーヒートとシステムダウンを防ぐため、射撃時には1門または2門ずつの交互射撃が標準であり、4門全部射撃するのは緊急時限定であった。
また、冷却不十分のまま射撃すると砲身が焼損するかそのまま弾切れになるまで砲弾が発射される「コックオフ」がしばしば発生した。
砲身が焼損した場合は機関砲を交換で済めばいい方で、重篤なケースでは熱によって砲身が溶解したり、砲が完全に壊れて修理不能になる事も多かった。
そうしたことから、実際には機甲部隊に近接随伴した形では無く、部隊後方1km程に位置する事が多かった。
実戦では、第4次中東戦争で地対空ミサイルと組み合わせて構成され、2K12「クープ」や9K31「ストレラ-1」の攻撃を避けて低空侵入したイスラエル国防軍機を多数撃墜した。
また、ソヴィエト・アフガン戦争?では輸送部隊の車列の護衛に付き、仰角を大きく取ることができるという性質を利用し、山の上から攻撃するアフガンゲリラ(ムジャーヒディーン)に対して攻撃を行った。
後継の自走式AAAは2S6「ツングースカ」だが、価格の高騰などで配備は進んでおらず、ロシアでは現在でも現役で使用しており、その他にもイラクなどの中東諸国やアフリカ、北朝鮮などに輸出され運用されている。
スペックデータ †
乗員 | 4名 |
全長 | 6.53m |
全高 | 3.57m(レーダー起立時) |
全幅 | 3.12 |
戦闘重量 | 20.5t |
懸架・駆動方式 | トーションバー |
エンジン | V-6Rディーゼルエンジン(出力280hp) |
登坂力 | 60% |
超堤高 | 1.1m |
超壕幅 | 2.8m |
最大速度 | 65km/h(路上) |
行動距離 | 550km |
装甲 | 15mm(車体前面)/9.2mm(砲塔前面) |
兵装 | AZP-23 23mm機関砲×4門(弾数2,000発) |
バリエーション †
- ZSU-23-4:
1964年に開発された初期量産型。
量産型とは砲塔前面部の形状が異なる。
- ZSU-23-4V:
1968年に開発された量産型。
電子機器の冷却システムと車内換気システムを改良し、車長用光学照準器を装備している。
- ZSU-23-4M:
1977年に開発された発展型。
レーダーをRPK-2「トーボル」から「ヴィユーガ」に換装し、射撃管制装置をデジタルコンピューター化、銃身のための追加装甲、1〜3個の砲塔外付け式弾薬庫により個別に作戦行動を取れるようになった。
- ZSU-23-4MZ:
1977年に開発されたIFFを搭載した部分改良型。
既存のM型も順次この型に改良されている。 - ZSU-23-4M2:
1987年に開発された近距離戦闘能力を重視した改良型。
アフガン紛争で対ゲリラ戦用途に活用されたため、「アフガン型」と呼ばれる。
レーダーとレーダー火器管制装置を撤去し*2、戦車用の夜間暗視装置を搭載している。
電子装置の搭載スペースは弾薬庫に変更され、搭載弾数は2,000発から4,000発に増加した。 - ZSU-23-4M4:
1999年より生産されている近代化改修型。 各部の駆動装置を油圧式に改良し、センサーと射撃管制装置を近代化、近距離地対空ミサイルの連装発射機2基を砲塔上に搭載している。
- ZSU-23-4MZ:
- ZSU-23-4M5:
ベラルーシで開発された改良型。
センサーと射撃管制装置が近代化され、砲塔後部左右に近距離地対空ミサイルの3連装発射機を搭載している。
- ZSU-23-4MP Biala:
ポーランドで開発された改良型。
射撃統制装置と照準装置を改良し、砲塔上右側に国産の「グロム*3」地対空ミサイルの連装発射機2基を搭載している。
- ZRAK ドネーツィ:
1999年にウクライナで開発された後継型。
T-80UDのシャーシにZSU-23-4の砲塔を搭載、ストレラー10のミサイルを装備した。
- 4M4:
ウクライナで開発された改良型。
- 4M5:
ベラルーシで開発された改良型。
- M1993:
北朝鮮で開発された改良型。機関砲を30mm連装機関砲に換装した。
M1993は仮称で正式名称は不明。
*1 ソ連では防空兵器には河川名に由来する愛称をつける(ツングースカ、ネヴァー、ガーンク(ガンジス川)など、一部例外あり)。同様に、自走砲には花に由来する名称をつける。例)グヴォズージカ(カーネーション)、アカーツィヤ(アカシヤ)、ギァツィント(ヒヤシンス)など
*2 代わりに 1RL133"Credo"地上監視用レーダーのマウントが砲塔右前面に設置されている。
*3 Grom:雷の意。