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*&ruby(やこぶれふさんじゅうはち){【Yak-38】}; [#r1e722bd]
旧ソビエトの[[ヤコブレフ]]設計局が開発・生産した[[VTOL]]機。~
[[NATOコード]]は&ruby(フォージャー){Forger};((「（[[ハリアー]]の）まがい物」の意))。~
英国の[[ハリアー]]に対抗して設計され、[[キエフ級>キエフ]][[航空巡洋艦]]で[[攻撃機]]（[[シュトゥルモヴィーク>シュトルモビク]]）として運用された。~
旧ソビエトの[[ヤコブレフ]]設計局が開発・生産した[[VTOL]][[戦闘攻撃機]]。~
[[NATOコード]]は"&ruby(フォージャー){Forger};((「偽造者」の意。[[ハリアー]]のまがい物だ、という悪意的な命名なのか、戦闘機を示す"Ｆ"から始まる単語を適当に割り振っただけなのかは定かでない。))"。~
英国の[[ハリアー]]に対抗して設計され、[[キエフ級>キエフ（航空母艦）]][[航空巡洋艦]]で[[攻撃機]]（[[シュトゥルモヴィーク>シュトルモビク]]）として運用された。~
~
[[VTOL]]用の2基のリフトエンジンを持ち、最大離陸重量は[[ハリアー]]を上回る。~
ただし、当初から[[艦載機]]として開発されたため、陸上での運用も考慮していたハリアーに対して本機は[[STOL]]が不可能であり、実用上は[[STOVL]]である[[ハリアー]]に比し運用レベルでの最大離陸重量は劣っている。~
また、同機の特徴であるリフトエンジンは、離着陸時以外は死荷重として兵装や燃料面での性能の悪化を引き起こしてしまい、[[ペイロード]]・[[戦闘行動半径]]などにおいて、ソ連海軍に要求される能力を満たすことができなかった。~
ソ連のアフガニスタン侵攻では対地攻撃任務に投入されたが、対地攻撃能力がシステムと兵装両面で不足しており、殆ど役に立たなかった。~
[[VTOL]]用の2基の[[リフトジェット]]を持ち、[[カタログスペック]]上の最大離陸重量は[[ハリアー]]を上回る。~
ただし完全な[[艦載機]]であって[[滑走路]]利用（[[STOL]]）を行えないため、実用上の[[ペイロード]]は[[STOVL]]で運用される[[ハリアー]]の半分に満たない。~
[[リフトジェット]]が離着陸以外の役に立たない死荷重であるため、[[ペイロード]]・[[戦闘行動半径]]も極めて劣悪である。~
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実際のところ、この機の真の目的は「ソ連でも[[VTOL]]機を設計・生産し運用することができる」ことを誇示するという象徴的な意味あいが強く、殆どその目的だけに運用が続行された。~
[[VTOL]]ゆえに[[離陸]]・[[着陸]]時の安定性も極めて悪く、生産された200機中、確認されているだけで20機を事故によって喪失している。~
アフガニスタン侵攻において実戦投入されたが、その[[バトルプルーフ]]により、ソ連海軍の要求を満たせず、対地攻撃任務に耐えない事が明らかになった。
>ソ連当局はかなり早い段階で本機が欠陥品である事を察していた節がある。~
しかし、それを公表する事はソ連の軍事技術に対する威信を大きく損なうため、ガラクタだとわかっていても生産を続行したのだという。
その後、[[ハリアー]]に追いつくべく改修（Yak-38M）が図られたが、折悪く[[冷戦]]が終結したため、目立った成果は知られていない。~
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さらに[[VTOL]]時の安定性が極めて悪く、生産された200機中、少なくとも20機が事故により失われるという、他機ではありえないほど高い数字になっていた。~
しかし、同じ[[VTOL]]機である[[ハリアー]]も、初期にはほぼ同じ割合で[[墜落]]しており、本機だけの欠点とは言いがたい。~
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後にエンジンを改良し、[[ペイロード]]を増加して、能力をハリアー並にした発展型のYak-38Mも登場したが、時既にソ連崩壊の足音が近づくころで、ほとんど運用されることはなかった。~
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関連：[[Yak-36]] [[Yak-141]]~
http://weapons-free.masdf.com/air/russia/yak38.html
~
関連：[[Yak-36]] [[Yak-141]]
**性能諸元 [#d9f9adc0]
|種別|艦上攻撃機（[[シュトルモビク]]）|
|種別|[[艦上攻撃機]]（[[シュトルモビク]]）|
|開発|ヤコヴレフ設計局|
|[[初飛行]]|1970.12.2|
|乗員|1名|
|全長|15.50m|
|全高|4.37m|
|全幅|7.32m|
|全高|4.4m|
|翼幅|7.32m/4.88m（折り畳み時）|
|[[主翼]]面積|18.5��|
|空虚重量|7,485kg|
|最大離陸重量|11,700kg|
|最大兵装搭載量|1,360kg|
|エンジン|推進用：ツマンスキーR-27V-300[[ターボジェット]]（[[推力]]6,930kg）×1基&br;リフト用：コリェソフRD-36-35-FVRターボジェット（推力3,570kg）×2基|
|最高速度|1,150km/h|
|[[上昇率]]（海面上）|4,500m/min|
|[[実用上昇限度>上昇限度]]|12,000m|
|[[航続距離]]|680km（内部燃料のみ、滑走離陸時）/500km（垂直離陸時）|
|武装|機体外部に1,500kgまでの武装を搭載可能。&br;[[GSh-23 23mm機関砲>GSh-23]][[ポッド]]×1門&br;[[R-60>AA-8]][[AAM>空対空ミサイル]]×2発&br;[[Kh-23>AS-7]][[ASM>空対艦ミサイル]]×2発&br;無誘導爆弾など|
|エンジン|推進用：ツマンスキーR-27V-300[[ターボジェット]]×1基（[[推力]]6,930kg）&br;リフト用：コリェソフ[[RD-36-35FVR>RD-36-35]]ターボジェット×2基（推力3,570kg）|
|最高速度|1,280km/h|
|[[実用上昇限度>上昇限度]]|11,000m|
|[[航続距離]]|680km（[[フェリー>回航]]時）&br;600km（[[ペイロード]]1t、[[STOL]]時）&br;185km（ペイロード750kg、VTOL時）|
|[[上昇率]]|75m/s（14,800ft/min）|
|>|CENTER:兵装|
|兵装搭載量|[[主翼]][[ハードポイント]]4ヶ所（両翼2ヶ所ずつ）に2,000kgまでの武装を搭載可能（STOL時）。|
|[[ガンポッド]]|UPK-23-250×1〜2基（[[GSh-23 23mm機関砲>GSh-23]]を装備、装弾数250発）|
|[[AAM>空対空ミサイル]]|[[R-60/R-60M（AA-8「エイフィド」）>AA-8]]×2発|
|[[ASM>空対艦ミサイル]]|[[Kh-23（AS-7「ケリー」）>AS-7]]×2発|
|[[ロケット弾]]|[[S-5]][[ロケット弾]]等|
|爆弾類|FAB-250汎用爆弾×4発&br;FAB-500無誘導爆弾×2発&br;ZB-500[[焼夷弾]]×2発&br;RN-28核爆弾×2発|
|その他|「デルタ-V」[[ミサイル]]誘導[[ポッド]]（Kh-23用）、[[増槽]]等|
|[[アビオニクス]]|ASP-PFD-21光学式照準装置&br;[[K-36VM>K-36]][[射出座席]]|
|運用国|ソ連/ロシア ウクライナ|
~
**派生型（カッコ内は生産機数） [#d9f9adc0]
-Yak-38：基本型（143機）。~
-Yak-38M：Yak-38をベースにエンジンを強化した発展型（53機）。~
-Yak-38：後席に副操縦装置を備えた複座練習機型。~
ノーズコーンを変形させ、機首のレドームが撤去されている（38機）。~
-Yak-36M "フォージャー"（3機）：~
原型試験機。~
~
-Yak-38 "フォージャーA"（143機）：~
基本型。~
~
-Yak-38M "フォージャーA"（53機）：~
Yak-38ベースの発展型。~
エンジンをツマンスキーR28V-300（推進用）とリビンスクRD-38（リフト用）に強化し、VTOL時の最大離陸重量を11,300kgに増加（短距離離陸時は12,000kg）、[[主翼]]下[[パイロン]]が強化され、910kgまでの兵装が搭載可能となった。~
~
-Yak-38U "フォージャーB"（38機）：~
後席に副操縦装置を備えた複座[[練習機]]型。~
ノーズコーンを変形させ、[[機首]]のレドームが撤去されている。~
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-Yak-39：~
主翼を大型化して燃料増量を増加させた[[マルチロール>マルチロールファイター]]VTOL[[戦闘攻撃機]]型。~
PRNK-39[[アビオニクス]]スイート（S-41D[[マルチモードレーダー]]）を採用し、エンジンはR-28V-300×1基とRD-48×2基を搭載予定だった。~
計画のみで製造されず。~
~
