【UYQ-70】(ゆーわいきゅーななじゅう)

米海軍海上自衛隊で採用されている艦載用コンピュータ。
ロッキード・マーチンが「Q-70」として開発し、日本では三菱エアロスペースがライセンス生産している。
UYQ-70は米海軍での制式名称。

UYQ-70は前代のUYK-43UYK-44?とは異なり、当初からCOTS(民生品)を用いた構成になっている。
このUYQ-70は米海軍のOA化の流れの中心的な機材となり、現在ではニミッツ級空母を始め、揚陸艦まで多種多様な艦船に搭載されている。

本システムは従来別々に開発されていたUYA/UYQシリーズを統合し、また、入力装置と出力装置の統合化(従来まではUYK-43やUYQ-21?のような組み合わせが一般的であった)がなされた。
このような分散処理システムの導入により、システム自体の脆弱性は大幅に下がった。

分散処理コンピューティング

コンピュータの機能を複数のホストコンピュータで分担分割する処理形態を持つシステム。
負荷分散、並立処理、機能分散によるシステム効率の向上、冗長構成による信頼性の向上を目的とする。
これらはコンピュータ・ネットワークとして構築され、LANを用いた局所的なシステムから広域網を利用した大規模なシステムまで様々な結合方式が実現している。

UYQ-70は開発の後、はじめはアーレイ・バーク級ベースライン6フェーズ1(DDG-85〜90)に搭載され、以後UYK-43、UYK-44にかわって標準搭載されるようになった。
日本でもあたご型やひゅうが型、あきづき型などの新型護衛艦に搭載されている。
最近ではニミッツ級最終番艦CVN-77「ジョージ・H・W・ブッシュ」にも搭載されるなど非常に汎用性の高い設計となっている。

以下にシステムの概略を示す。

  • Command and Decesion Console with dual display (2画面意思決定システム)
  • USQ-148/153 SCVISN Common Server(共通サーバー)
  • USQ-148E SCI ネットワークサーバー
  • CVN-77 CV-TSC コンソール(「ジョージ・H・W・ブッシュ」搭載)
  • Enhanced Control Display System(改良型管制ワークステーション)

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