【US-1】(ゆーえすいち)

新明和工業が開発した救難飛行艇
対潜哨戒機として使用されていたPS-1を元に開発された。

救難飛行艇として海上自衛隊に1975(昭和50)年から配備が開始された。
厳密には配備された1から6号機までがUS-1であり、7号機以降はエンジンを強化したUS-1Aが配備されている。

飛行艇として優れた性能を持ち、荒い海へ着水し航続距離の長さによる長時間の広域捜索や救難活動が可能であり、洋上救難者や空港設備の無い離島の救急患者の救助と陸上空港への搬送を効率良く行える。
柔軟な搬送に対応するため、PS-1ビーチングギアに替え、本機ではランディングギアを装備している。
初実績は1976(昭和51)年に房総沖のはるか太平洋上にあったギリシャ船の乗組員を救助。以降は700回以上の出動により、およそ700以上の人々を救助・救急搬送している。

余談ではあるが、1995年の阪神・淡路大震災の時にこの機体があれば、火災による死傷者を大きく減らす事ができたと言われている。

スペックデータ

乗員:12名・負傷者36名を収容可
全長:33.5m
全高:10m
全幅:33.2m
翼面積:135.8m²
空虚重量:25,500kg
運用時重量:26,600kg
最大離陸重量:43,000kg
燃料容量:19,456リットル
エンジン:
GE/IHI T-64-IHI-10E(3,060馬力)×4基(US-1)
GE/IHI T64-IHI-10Jターボプロップ(出力47kW(3,500ESHP))×4基(US-1A)
最大速度:490km/h
航続距離:4,000km以上
実用上昇限度:8,660m

派生型

  • US-1:捜索救難型。6機製造。
  • US-1A:エンジンをT64-IHI-10Jに換装し、出力を増強した形式。14機製造。

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