【THAAD】(サード)

Terminal High Altitude Area Defence (終端高高度地域防空)
ロッキード・マーチン社が開発し、アメリカ陸軍への配備を目指している地対空ミサイル
以前は"Theatre High Altitude Area Defence(戦域高高度地域防空)"ミサイルと呼ばれていた。

本ミサイルは、ミサイル防衛において、落下段階での短・中距離弾道ミサイルを大気圏外にて迎撃するものである。
ここで撃ち漏らした弾道ミサイルの迎撃はMIM-104パトリオットPAC-3(ERINT)に託されるが、例え成功しても大気圏内(高度20km程度)での核爆発が起これば被害は避けられないと思われる。

具体的には、極超音速で落下してくる弾道ミサイルに対して、大気圏外(最大150km程度?)での空中衝突を演出する。その相対速度は場合によってはマッハ20にも及ぶ。
近接信管による爆発では壊しきれず、誘爆の可能性のある弾道ミサイルでも、命中すれば運動エネルギーによって確実に破壊することが可能とされている。
なお、低高度での運用は考慮されておらず、純粋な対弾道ミサイル迎撃ミサイルである。

ミサイル本体は、"Kill Vehicle"と呼ばれる弾頭部とロケットブースター部からなる。
発射後は地上から管制を行うが、大気圏外でロケットブースター部を切り離し、後はミサイルに搭載された赤外線センサーとスラスターによって誘導・衝突を行う。

システムは、ミサイルを10発搭載したM1075PLSトラック?ランチャー・TMD-GBRフェイズドアレイレーダー・それらの指揮情報管制システムBM/C3Iからなる。
あくまで一定地域の防衛が限界であるため、弾道ミサイルの探知迎撃は高い総合力が必要とされる。現在これを使いこなせるのは米軍のみであろう。

技術的難度は高く長年失敗続きであったが、1999年以降次々と成功し始めたようだ。
本格的な運用は2009年に予定されている。

関連:ミサイル防衛 MIM-104(パトリオット) RIM-161(SM-3)


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