*&ruby(てぃーえいちごじゅうご){【TH-55】}; [#wb7d8336]
Hughes TH-55 &ruby(オーセージ){Osage};~
アメリカ合衆国の航空機メーカー・[[ヒューズ]]社が開発した小型[[ヘリコプター]]。~
[[アメリカ陸軍航空隊>USAAF]]向けの[[操縦訓練機>練習機]]として開発された。~
社内呼称は「ヒューズ269（後にヒューズ300）」。~
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製造・運用コストの安さを重視し、[[サイドバイサイド]]複座((民間用に大型化した300Cでは3座設定も可能。))の軽量簡素な機体に[[レシプロエンジン]]を装備している。~
[[メインローター]]は3枚羽、[[テイルローター]]は2枚羽で、テイルブームが細長い棒状になっていることも特徴である。~
軽量な機体ではあるが、[[ランディングスキッド]]には緩衝装置が着けられている。~
安価であるがゆえに[[アメリカ陸軍]]にとどまらず、多くの国で軍民問わず多数が使用されている。~
日本の[[陸上自衛隊]]でも「TH-55J」の名称で採用されていた時期があった。~
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他の[[ヒューズ]]製[[ヘリコプター]]と同様、一時は[[マクダネル・ダグラス]]へ権利売却されたが、間もなく、本機のみ[[滑空機]]の製造で知られるシュワイザー社へ転売された。~
このため、民間型は「シュワイザー300」と呼ばれるようになる。~
現在シュワイザーは[[シコルスキー>シコルスキー・エアクラフト]]の傘下にあり、旧[[ヒューズ]]機としては唯一[[シコルスキー>シコルスキー・エアクラフト]]ブランドで販売される機体となっている。~
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また発展型として、やや大型化して4座の[[ターボシャフト]]機として[[シュワイザー330]]が存在する。~
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**スペックデータ [#zdf12278]
|乗員|2名|
|全長|8.8m|
|全高|2.4m|
|[[主ローター>メインローター]]直径|7.6m|
|主ローター旋回面積|18.1m²|
|空虚重量|406kg|
|全備重量|703kg|
|[[エンジン]]|ライカミング HIO-360-B1A 水平対向エンジン（180hp（134kW））×1基|
|速度&br;（最高/巡航）|8kts/65kts|
|[[航続距離]]|203nm|
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**派生型（カッコ内は生産機数） [#vc8e6c61]
-ヒューズ269（2機）~
ライカミング O-360-A エンジン（180hp）とトラス構造のテールブームを持つ試作機。~
1956年10月に初飛行した。~
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-269A型~
試作機のトラス構造のテールブームをモノコック構造・[[アルミニウム]]製のテールブームに換えた機体。~
エンジンには、オプションで低圧縮比のO-369-C2D、高圧縮比のHO-360-B1B又は燃料噴射式のHIO-360-B1Aが搭載できた。~
また、顧客は複式操縦装置と72Lの予備燃料タンクもオプションで取り付けられた。~
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-YHO-2（5機）~
老朽化したOH-13「スー」とOH-23「レイヴン」を代替する[[観測ヘリコプター]]の評価用として導入された機体。~
予算不足のため発注されず。~
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-TH-55A（792機）~
アメリカ陸軍の標準練習ヘリコプターに選定された型。~
愛称は「オーセージ」（インディアンの種族）~
本機には軍事用無線機と計器が搭載され、1機の実験用TH-55Aにはアリソン 250-C18 ターボシャフトエンジンを装備し、もう1機にはヴァンケル RC 2-60 ロータリーエンジン（185hp）を装備した。~
1964年から1967年にかけてアメリカ陸軍により調達された。~
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-TH-55J（38機）~
269A型を[[川崎重工業]]で[[ライセンス生産]]したモデル。~
[[陸上自衛隊]]に納入された。~
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-269A-1 "モデル200 ユーティリティ"~
ヒューズ・モデル200として販売された、特別な内装や塗装、サイクリックレバーを装備した型。~
標準の95Lの主燃料タンクの代わりにオプションで114Lのものを取り付けることもできたが、O-369-C2D エンジンを装備することはできなかった。~
ブラジル海軍、スペイン海軍、スウェーデン陸軍で運用されている。~
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-モデル200 デラックス~
ほぼ200型に同じ。~
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-269B "モデル300"~
3座席のコックピットにHIO-360-A1A エンジン（190hp）を装備した型。~
ヒューズ・モデル300として販売され、最初はどの269の派生型にも付けることのできた[[フロート]]をオプションで付けることができた。~
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-280U~
269Bに電気式のクラッチと安定装置を装備した単座の多用途型。~
280Uには農業用機材として散布装置を取り付けることが出来た。~
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-300AG~
269Bに農業用散布装置を取り付けた専用型。~
胴体の両側面に114L入りの薬剤タンクと10.67mの散布ブームを装備。~
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-300B~
小型航空機並みの機外騒音に抑えるために静音型テールローター（Quiet Tail Rotor）を269Bに装着した型。~
QTRは1967年6月以降の全生産機に装着され、それ以前の生産機にも組み付けキットとして供給された。~
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-269C "モデル300C"~
300Cはライカミング HIO-360-D1A エンジン（190hp (141 kW)）とより直径の大きい主ローター（25 ft 4 inに対し26 ft 10 in）を装備していた。~
増大したローターとエンジン出力のおかげで以前の269型よりも性能は45%向上した。~
ヒューズ社とシュワイザー社の両社で269Cを"モデル 300C"として販売した。~
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-NH-300C~
イタリアの航空機メーカーのブレダナルディ社（BredaNardi）でライセンス生産された269C。~
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-300C スカイナイト~
モデル 300Cの警察任務用。~
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-TH-300C~
軍用練習機型。~
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