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*&ruby(てぃーきゃす){【TCAS】}; [#edd5f489]
Traffic alert and Collision Avoidance System(空中衝突防止装置).~
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[[航空機]]同士の空中衝突を回避するための警報装置。~
無線通信を通じて他の[[航空機]]のTCASと連絡し、危険な接近を関知すると[[操縦士>エビエーター]]に警告を発する。~
無線通信を通じて他の[[航空機]]のTCASと連絡し、危険な接近を感知すると[[操縦士>エビエーター]]に警告を発する。~
登場当時既存の航空事故防止策と比べ、地上の[[航空管制官]]との交信を必要としない点で革新的だった。~
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[[電波>電磁波]][[周波数]]帯のうち1,030MHzを問い合わせのために、[[周波数]]1,090MHzを応答のために使用する。~
毎秒数回の頻度で周辺[[航空機]]に問い合わせを行い、その応答と[[アビオニクス]]の[[航法]]情報から他機との相対位置を推定。~
[[UHF]][[周波数]]帯のうち1,030MHzを問い合わせのために、1,090MHzを応答のために使用する。~
この周波数帯は[[軍用>軍用機]]の[[敵味方識別装置]]と共通で、敵味方識別の質問信号に対する応答にも用いられる。~
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毎秒数回の頻度で周辺の[[航空機]]に問い合わせを行い、その応答と[[アビオニクス]]の[[航法]]情報から他機との相対位置を推定。~
未来位置と衝突の危険性を数学的に推定し、危険があると判定された時に警告メッセージを再生する。~
現在の[[グラスコックピット]]機では、[[航法]]ディスプレイにTCASのディスプレイが統合されている。~
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TCASを採用する機体同士でしか位置確認ができないため、[[UFO]]との遭遇時など警報が発されない状況もある。~
また、判断精度は完全ではなく、まれに誤報が発生する可能性もある。~
この点について、現行の運用教則では「より緊急性の高い危険要因への対処時((「対地接近」「[[失速]]」「ウインドシア」などがそうした緊急の危険要因として挙げられる。))を除いて必ずTCASからの示唆に従う」のが原則。~
誤報の疑いがあっても、[[航空管制官]]からの情報と矛盾があっても、TCASからの示唆に従う事とされる。
この点について、現行の運用教則では必ずTCASからの示唆に従うのが原則となっている。~
誤報の疑いがあっても、[[航空管制官]]からの情報と矛盾があっても、TCASからの示唆に従う事とされる。~

>TCASに関する判断ミスでもっとも衝突事故に繋がりやすいのは「2機のうち1機だけがTCASに従い、もう1機が従わなかった場合」である。~
重大事故の要因としては、TCASが誤算を起こす可能性より、[[パイロット]]の疑念によるヒューマンエラーの方が蓋然性が高い。~
>TCASに関する判断ミスでもっとも衝突事故に繋がりやすいのは、2機のうち1機だけがTCASに従い、もう1機が従わなかった場合である。~
重大事故の要因としては、TCASが誤算を起こす可能性より、[[パイロット>エビエーター]]の疑念によるヒューマンエラーの方が蓋然性が高い。~
従うか従わないか決断できる事自体が事故要因であるため、確率上最も安全な「TCASに従う」という選択を常に選ぶよう義務づけられている。

日本では、''最大離陸重量5,700kgまたは客席数が19を超え、[[タービンエンジン>ガスタービン]]を搭載するすべての民間航空機''に装備が義務付けられている((根拠法令:[[航空法]]施行規則第147条及び付則。))。
ただし、[[失速]]や[[墜落]]に繋がる危急の事態においては、[[パイロット>エビエーター]]が緊急の回復操作に専念してTCASを無視する場合がある。~
この場合に限り、TCASを無視するのは安全上やむを得ない行為であったと認められる(なぜ危急の事態を未然に回避できなかったのかを問われるが)。


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