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*&ruby(てぃーろく){【T-6】}; [#p976d5f2]
North American T-6(AT-6)/SNJ "&ruby(テキサン){Texan};((この愛称の由来は、大量生産にこたえるためにテキサス州ダラスに工場が作られたことにちなんでいるという。))/&ruby(ハーバード){Harvard};".~
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アメリカの[[ノースアメリカン]]社が1930年代〜1940年代に開発・生産した[[単発>単発機]][[レシプロ>レシプロエンジン]][[高等練習機>練習機]]。~
当初の運用者であった[[アメリカ陸軍>USAAF]]・[[海軍>アメリカ海軍]]はもとより、英国や英連邦諸国でも使用され、[[第二次世界大戦]]後は日本を含めさらに多くの国で使用され、15,495機が生産された。~
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本機の元祖となったのは、1935年に[[初飛行]]した「NA-16」である。~
同機は[[低翼]][[単葉>単葉機]]・[[タンデム]]複座の[[コックピット]]という、その後の本機につながるレイアウトを備えていたが、[[主脚>着陸装置]]は固定式であり、機体も[[主翼]]以外は[[羽布>布]]張りであった。~
>同機は「BT-9/NJ-1」の名前で量産が行われ、フランスや中華民国にも輸出された他、オーストラリアでは「CA-1『ワイラウェイ』」として[[ライセンス生産]]も行われた。~
また、日本にも2機が見本として供与され「二式陸上中間練習機（K10W）」開発の参考とされた。
このNA-16を基に、[[アメリカ陸軍航空隊>USAAF]]の要求で兵装訓練用の武装を搭載可能とし、[[主脚>着陸装置]]を引き込み式にしたのが本機である。~
当初は「基本戦闘練習機（Basic Combat）」として「BC-1」の[[型式]]をつけていたが、まもなく「高等練習機（Advanced Trainer）」に統合され、型式も「AT-6」となった。~
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本機は[[海軍>アメリカ海軍]]にも「SNJ」の型式名称で採用され、[[航空母艦]]への着艦訓練用に[[アレスティングフック]]をつけたモデルも作られた。~
また、大量の[[パイロット>エビエーター]]育成を求めていた英連邦諸国((当時、英本国は[[ドイツ空軍>ルフトバッフェ]]との[[バトル・オブ・ブリテン]]の最中にあり、一人でも多くのパイロットを養成する必要があった。))からも大量の発注を受け、大量生産が行われた。~
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本機は本来の目的であった操縦訓練に加え、[[対地攻撃>近接航空支援]]、連絡、[[偵察]]、[[救難>捜索救難]]などに幅広く用いられ、1942年にはメキシコ沿岸で、[[通商破壊戦]]に従事中のドイツ[[潜水艦]]の撃沈も記録している。~
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[[第二次世界大戦]]の終結後は、多くの機体が「T-6G」として再生され、また、旧敵国であった日本や（西）ドイツにも供与されるなど幅広く活躍した((一部の国では1990年代でもまだ現役であった。))。~
[[朝鮮戦争]]では、T-6FやLT-6Gが「モスキートミッション((後席に陸軍の偵察員を乗せて前線の敵後方に回り込み、低空から戦闘爆撃の誘導を行う任務。))」に使用されたほか、フランスに供与されたT-6Gは、アルジェリア戦争で翼下に[[ガンポッド]]や[[ロケット弾]]を搭載し、対地攻撃に用いられた。~
他にもポルトガルでの植民地戦争や[[印パ戦争]]にも投入されている。~
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保存されている機体や民間に払い下げられている機体にはまだ飛行可能なものも多く、海外の[[エアショー]]ではしばしば飛行する姿を目にすることがある。~
また、[[リノ・エアレース]]では本機のみが参加できる部門がある。~
***日本でのT-6 [#v9021485]
日本では1955年から[[自衛隊]]への供与が開始され、陸軍航空隊→空軍型の「T-6D/F/G」が167機（[[航空自衛隊]]に供与）、海軍型のSNJ-5/6が48機（[[海上自衛隊]]に供与）引き渡された。~
自衛隊では「まつかぜ」という愛称を与えて「中間練習機」として用いていたが、ジェット推進の高等練習機[[T-33]]や実用作戦機と、それに合わせて[[前輪式]]になっている初等練習機[[T-34>T-34（航空機）]]の間に[[尾輪式]]の本機が挟まるのは非合理的で、基本設計も1930年代のものとすでに時代遅れとなっていることから、1960年代にはジェット推進の[[T-1]]と交代した。~
一部は航空救難群((現在の「航空救難団」の前身。))に移管されて[[救難機]]として用いられていたが、それも1970年に退役して姿を消した。~
現在は埼玉県・所沢の「所沢航空発祥記念館」に099号機、[[浜松広報館]]で010号機が展示保存されている他、静岡県・静浜基地で011号機が動態保存されている((エンジンには常にオイルを入れてあり、年に数回エンジンの起動を行っている。&br; しかし、自衛隊でレシプロ機の操縦資格を取得できたのは[[KM-2>LM]]が退役する1989年までのことであり、合法的に操縦できる隊員は年々少なくなっているという。))。~
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[[海上自衛隊]]では、1960年代に[[KM-2>LM]]との交代を終えたのちも数機がしばらくの間、[[連絡機]]として使用されていた。~
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**スペックデータ [#icbea1cd]
|乗員|2名|
|全長|8.84m|
|全高|3.57m|
|翼幅|12.81m|
|主翼面積|23.6��|
|空虚重量|1,886kg|
|運用時重量|2,548kg|
|[[発動機>エンジン]]|[[P&W>プラット＆ホイットニー]] [[R-1340-AN-1「ワスプ」>R-1340]][[空冷>空冷エンジン]]星型9気筒×1基&br;（出力600hp）|
|最大速度|335km/h（高度1,500m）|
|巡航速度|233km/h|
|[[航続距離]]|1,175km|
|[[実用上昇限度>上昇限度]]|7,400m|
|[[上昇率]]|6.1m/s|
|[[翼面荷重]]|108kg/��|
|パワー/マス|0.11hp/lb|
|武装|7.62mm[[機関銃]]×3挺|
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**バリエーション [#z0adacc6]
-BC-1：~
最初の量産型。~
エンジンはR-1340-47（出力600hp）を搭載。~
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--ハーバードMk.1：~
イギリス空軍での呼称。~
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-AT-6（BC-1A）：~
機体フレームを変更した型。エンジンはR-1340-47を搭載。~
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--SNJ-1：~
アメリカ海軍での呼称。~
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--ハーバードMk.2：~
イギリス空軍での呼称。~
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-SNJ-2：~
SNJ-1のエンジンをR-1340-56に変更した型。~
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-AT-6A：~
エンジンをR-1340-49に換装し、翼内タンクを非インテグラル化した型。~
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--SNJ-3：~
アメリカ海軍での呼称。~
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---SNJ-3C：~
SNJ-3に着艦フックを装備した型。~
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--AT-16：~
ノールデュイン社（カナダ）製のAT-6A。~
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--ハーバードMk.2B：~
[[イギリス空軍>RAF]]での呼称。~
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-AT-6B：~
背面に旋回[[機関銃]]を装備した射撃[[練習機]]型。~
エンジンはR-1340-AN-1を搭載。
エンジンはR-1340-AN-1を搭載。~
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-AT-6C：~
軽合金の節約のため胴体後部を合板製に変更した戦時省資源型。~
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--SNJ-4：~
アメリカ海軍での呼称。~
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---SNJ-4C：~
SNJ-4に着艦フックを装備した型。~
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--ハーバードMk.2A：~
イギリス空軍での呼称。~
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-AT-6D：~
電気系統を改善し、軽合金製に戻した型。~
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--SNJ-5：~
アメリカ海軍での呼称。~
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---SNJ-5C：~
SNJ-5に着艦フックを装備した型。~
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--ハーバードMk.3：~
イギリス空軍での呼称。~
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-XAT-6E：~
エンジンをレンジャーV-770[[空冷>空冷エンジン]]V型12気筒に換装した型。試作のみ。~
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-AT-6F：~
機体構造を強化し、[[キャノピー]]を改良した型。~
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--SNJ-6：~
アメリカ海軍での呼称。~
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-T-6G：~
R-1340-AN-1エンジンの搭載、後席の上昇、燃料搭載量増加、尾輪やプロペラの改善等を施した型。~
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--SNJ-7：~
アメリカ海軍での呼称。~
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--SNJ-7B：~
SNJ-7の射撃練習機型。~
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--ハーバードMk.4：~
カナダ向けの呼称。~
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--LT-6G：~
G型をモスキート・ミッション用に改装した型。~
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-T-6H：~
F型をT-6G仕様に改修した型。~
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-T-6J：~
ヨーロッパ諸国に供給されたカナダ製のハーバードMk.4。~
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-A-27：~
BC-1の軽攻撃機型。~
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