【T-38】(てぃーさんじゅうはち)

Northrop T-38 Talon
ノースロップ社で開発され、アメリカ空軍?ドイツ空軍などで用いられた高等練習機*1。世界初の超音速練習機である。
元は軽戦闘機を目指して開発された機体(社内呼称N-156)だったが、米軍によって軽戦闘機が否定されたため、練習機として開発された。
(ただし後に輸出用戦闘機型のF-5も造られた)

小型のJ85ターボジェットを双発で備え、主翼は低翼式のテーパー翼であり、翼面荷重が高いながらも運動性と安定性を兼ね備えている。
また設計初期から高度な信頼性と整備性を考慮に入れられていたため、稼働率が高く、運用コストも安い。
燃費は良いものの機内の燃料タンクが小さくハードポイントもないため、航続距離が短いという弱点を持つ。このためT-38のかわりに、増槽を取り付けられるF-5Bを使う国も多い。
「完璧な練習機」とも呼ばれ、1961年から1972年にかけて1,187機が生産された。

パイロットを育成するのに用いられたほか、燃費が安いためオイルショックの時代にはサンダーバーズにも採用された。
またNASAでは宇宙飛行士の飛行訓練に使われるほか、宇宙ロケットの打ち上げや実験機の試験飛行などを観測する任務など、多岐にわたって活躍している。

なお、アメリカ空軍ホロマン航空基地(ニューメキシコ州)で実施された模擬格闘戦演習でF-22を「撃墜」した事がある。(模擬格闘戦で「撃墜」に成功したのは、EA-18Gに続いて2機目となる。)

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バリエーション

  • T-38A:標準の練習機型。
  • T-38A(N):NASAが使用しているタイプ。エアインテークに除氷装置が追加され、VHF無線機が搭載されている。
  • T-38B:後席下に取り付けられた機体中心線パイロンに訓練弾やガンポッドを搭載できる戦闘訓練機。
  • T-38C:A型の機体寿命延長型。射出座席や足回りの改良、内部構造の補強、エンジンの換装、キャノピーの強化などが行われている。

*1 一時期は日本の航空自衛隊にも導入が検討されたが、政治的な理由により却下され、国産のT-2が導入された

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