【Su-27】(えすゆーにじゅうなな)

ロシアでの非公式の愛称はЖуравль(ジュラーブリク)(和訳:鶴)、NATOコードFlanker(フランカー)

アメリカのF-15F-16に対抗しうる、ルックダウンシュートダウン能力を持ち、目視外射程から敵機を撃墜できる機体として開発された、旧ソビエトの双発ジェット戦闘機
TsAGIの構想をもとにMiG-29と同時期に開発されたため、同機に似た外観と、優れた運動性を持つ。
またIRSTを採用している点も類似している。
しかしMiG-29とは逆にペイロード航続距離が大きく、ソビエト製の戦闘機としては初めて本格的なフライバイワイヤーを採用したこともあり、本機はソ連軍の末期を代表する戦闘機となった。

機体性能は当時としては恐ろしく飛びぬけており、本機を語る上でコブラ(プガチョフコブラ)に代表される高迎角?によるポストストール機動の高さは、切っても切り離せないであろう。
記録挑戦用のP-42(П-42)は、F-15が保持していた上昇力記録を全て更新した。

試作機のT-10は1977年に初飛行したが、空力的な問題があり、多くの改良を必要とした。
初期量産型は1981年に初飛行し、その後ロシア・ウクライナ・ベラルーシ・ウズベキスタン・カザフスタン空軍の主力戦闘機として配備され、数々の改修を受けて現在も現役である。
派生型として、戦闘爆撃機のSu-32・Su-32FNプラティパス、艦上機のSu-33、能力向上型のSu-35・Su-37・Su-30などが存在する。

中国・ベトナム・インド・イランなどへの輸出もさかんであり、ロシア軍が財政難であるため、輸出型のほうが高性能になってしまう逆転現象もおきている。

実戦では1998年、エチオピア・エリトリア紛争で使用されエリトリア軍のMiG-29を4機(5機撃墜の説も有り)撃墜。
うち3機は機関砲で、1機はAA-11だったと言われているが、全機AA-11によるという説もあり定かではない。
航空機のパイロットは両軍とも、ロシアやウクライナの傭兵という噂もある。

Su-30Mフランカーのスペック。

  • 全幅:14.70m
  • 全長:21.94m
  • 全高:5.93m
  • 主翼面積:62.0
  • 機体重量:17,700kg
  • 最大離陸重量:33,00kg
  • エンジン:サルチュン/リュールカAL-31F(A/B122.6kn)×2
  • レーダー:Zhuk-27 N001(最大探知距離130nm)
  • 燃料容量:11,775
  • 最大速度:M2.0
  • 離陸滑走距離:550m
  • 着陸滑走距離:670m
  • 機外最大搭載量:8,000kg
  • 戦闘行動半径:810nm
  • 最大航続距離:1,620nm(機内燃料)
  • 乗員:2名

フランカーシリーズに搭載可能の主な兵装。

機関砲:

空対空ミサイル:

空対艦ミサイル:

  • AS-20カヤック(Kh-35)?
  • Kh-41モスキート?

空対地ミサイル:

対レーダーミサイル:

  • AS-17クリプトン(Kh-31)?

ロケット弾:

爆弾:

  • FAB-250?
  • FAB-500?
  • FAB-1500?
  • RBK-500?
  • ODAB-500?
  • BETAB-500?
  • ZAB-500?
  • KAB-500?
  • KAB-1500?

現在の世界フランカー保有数(2003年 推測)。

アフリカ地域:

アンゴラ空軍               

8機(Su-27SK/UBKフランカー)

エチオピア空軍             

4機(Su-27SK/UBKフランカー)

アジア地域:

シリア空軍              

8機(Su-27SK/UBフランカー)

イラン空軍              

26機(Su-27/UBフランカー)

ベトナム空軍            

5機(Su-27SK/UBKフランカー)

インド空軍      

50(予定140)機(Su-30K/MKIフランカー)

マレーシア空軍   

予定18機(Su-30MKMフランカー)

インドネシア空軍  

予定40機(Su-27/UBK Su-30MKフランカー)

中国空軍      

130機(Su-27SK/Su-30MKKフランカー/殲撃11)

中国海軍                

予定28〜40機(Su-30MKK2/MKK3フランカー)

東ヨーロッパ・ユーラシア地域:

ベラルーシ空軍           

19機(Su-27/UBフランカー)

カザフスタン空軍           

20機(Su-27/UBフランカー)

ロシア空軍      

280機(Su-27/UB Su-30/M Su-35フランカー)

ロシア海軍      

46機(Su-27/ Su-33フランカー)

ウズベキスタン空軍         

25機(Su-27/UBフランカー)

ウクライナ空軍            

53機(Su-27/UBフランカー)

現在確認されているバリエーション。

Su-27フランカー系

T-10 Flanker A:

Su-27の原型、試作機。

T-10.jpg

T-10
Photo:Sukhoi


P-42:

ストリークイーグルの上昇記録を破った、T-10改修の記録挑戦用特別機。

Su-27(T-10S) Flanker B:

ソ連軍仕様の初期生産型。
初期の方は(空軍)P型と(防空軍)S型に分かれていたが、空軍と防空軍の統合後この名称は無くなった。

Su-27P.jpg

Su-27P
Photo:Russia air force

Su-27SK(T-10SK) Flanker B:

初期生産型の輸出型。
アビオニクスはダウングレードしたが対地攻撃能力が強化された。
中国(殲撃11)・ベトナム・エチオピア・インドネシア・シリア・アンゴラ等に輸出されている。

Su-27SK.jpg

Su-27SK
Photo:Chinese Defence Today

Su-27SMK:

輸出用のSK型の改良型。
ハードポイントが10ヶ所から12ヶ所になり、燃料搭載量も増加され空対地ミサイル攻撃能力も追加された。
しかし、海外からの発注は未だに無い。

Su-27SMK.jpg

Su-27SMK
Photo:Sukhoi

Su-27SKM:

ロシア空軍向けに開発されたSu-27の改良型。

Su-27PD:

空中給油フローブ・衛星通信システムを装備した試作型。

Su-27SM:

初期生産型のレーダーエンジンを強化した型。

Su-27SM.jpg

Su-27SM
Photo: スホーイHP

Su-27RV:

ロシア軍アクロバットチーム?ロシアンナイツ」仕様。
全地球測位装置を搭載している。

Su-27RVB.jpg

Su-27RV
Photo:Russian Knights

Su-27LL:

ロシアのグロモフ研究所で使用されている試験機。

Su-27UB(T-10U) Flanker C:

初期生産型の複座型、戦闘能力は単座型と変わらない。

Su-27UB.jpg

Su-27UB
Photo:Sukhoi

Su-27UBK Flanker C:

UB型の輸出型。

Su-27UBK.jpg

Su-27UBK
Photo:Sukhoi

Su-30フランカー系

Su-30(旧:Su-27PU)Flanker F variant 1:

UB型の発展型で空中給油プローブを追加し、他に空対空・空対地面の攻撃能力が強化された。
ロシア軍が少数配備している。

Su-30.jpg

Su-30
Photo:Sukhoi

Su-30K Flanker F variant 1 :

Su-30の輸出型、少数がインド軍に輸出されている。

su30.jpg

Su-30K
Photo:USAF

Su-30M Flanker F variant 2:

Su-30の発展型で1991年に開発がスタートした。
基本のSu-30に対艦攻撃能力・誘導爆弾・空対地ミサイル運用能力が追加され、さらにグラスコックピット化されたマルチロールファイター型。
なお、ロシア軍が少数運用していると言う不特定情報もある。

Su-30M.jpg

Su-30
Photo:Sukhoi

Su-30KN:

詳細は不明。

Su-30KM:

詳細は不明。

Su-30MK:

Su-30Mの発展型で、先尾翼が追加されエンジンも新型に換装。
最近ではインドネシアに4機輸出された。

Su-30MK.jpg

Su-30MK
Photo:Sukhoi

Su-30MKI Flanker H:

現在量産されているフランカーシリーズの中では最新と言われている型。
Su-37の推力変向ノズル付きエンジンAL-31Fを改良したAL-31FPを搭載し、電子機器面・レーダー面(Zhuk-PH N011フェイズドアレイレーダー)も強化された。
現在はインドで量産化が開始されており、約140機の生産を予定している。

Su-30MKI.jpg

Su-30MKI
Photo:Sukhoi

Su-30KI:

インドネシア仕様、キャンセル。

詳細は不明。

Su-30KN.jpg

Su-30KI
Photo:Russia air force

Su-30MKK Flanker G:

Su-30MKの中国仕様(空軍用)、中国名は殲撃13
初期生産型と後期生産型ではレーダーが違い、どちらもカナードは無く空対艦ミサイル運用能力も除去された。

Su-30MKK.jpg

Su-30MKK
Photo:Sukhoi

Su-30MKK2:

MKK型の発展型で中国仕様(海軍用)。
偵察ポットや誘導爆弾を運用出来るようになった。

Su-30MKK3:

MKK2型の発展型。
レーダー(ジュークMSEマルチモードレーダー)が強化され、対艦ミサイル(Kh-31)運用能力が追加されている。

Su-30MKM:

Su-30MKIとほぼ同じ性能を持つマレーシア仕様。
アビオニクスが一部改修されている。

Su-32フランカー系

Su-32(旧:Su-27IB):

先尾翼付き並列複座型。
前部が再設計されレーダー・電子機器も強化、誘導爆弾・対地ミサイル・対艦ミサイル等を運用可能。
初めはSu-27IBだったが1994年にSu-34、2000年ではSu-32と改名された。

Su-32.jpg

Su-32
Photo:Sukhoi

Su-32FN:

Su-32の発展型でロシア海軍用として開発された。
対潜魚雷運用能力等が付与され、対潜哨戒・攻撃能力を持つ。

Su-32FN.jpg

Su-32FN
Photo:Sukhoi

Su-33フランカー系

Su-33(旧:Su-27K)Flanker D:

現在ロシア軍内の実戦配備機では最新の海軍型。
先尾翼アレスティングフック・ダブルスロッテットフラップ・強化型離着装置等を装備し、対艦ミサイル(Kh-41)も運用可能である。
一方、着艦時の衝突を防ぐためにテールコーンが短縮され、チャフフレアの搭載数が減少している。
1990年以降に量産が開始され、現在では約50機がロシア海軍で運用されている。
1998年にSu-33へ改名。

Su-33.jpg

Su-33
Photo:Sukhoi

Su-33UB(旧:Su-27KUB):

艦載練習機であるSu-45?フロッグフットの後継機として開発されたSu-33の複座型。

Su-27KUB.jpg

Su-27KUB
Photo:Sukhoi

Su-35スーパーフランカー系

Su-35(旧:Su-27M)Flanker E variant 1:

Su-27の後継機として開発された機体で、スーパーフランカーとも呼ばれている。
複合材の導入により機体が軽量化され、カナード・新型エンジン(AL-37FM)・新型レーダー・サイドスティク等が装備された型。
空対地ミサイル運用能力もあり、空対空ミサイルにしてはR-37?KS-172も搭載できる。
現在の所ロシア軍からの発注は、ロシアンナイツの機種変換を目的とした6機だけである。
なお、ブラジルが次世代戦闘機案にSu-35を候補にいれている。

Su-35.jpg

Su-35
Photo:Sukhoi

Su-35UB:

Su-35の複座型。

Su-37スーパーフランカー系

Su-37 Flanker E variant 2:

Su-35にAL-31Fエンジンを搭載した型。

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Su-37
Photo:Russia air force

Su-37K:

Su-37の輸出型。計画のみ。

Su-37KK:

Su-37のアビオニクス強化型で、計画のみ。

Su-54フランカー系

Su-54(S-54/55)

ロシア版JSFといわれるもの。
現在開発が進んでいるのかは不明。



関連:殲撃11 殲撃13


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