【StG44】(えすてーげーよんじゅうよん)

Sturm Gewehr(シュトゥルムゲヴェーア) 44 の略。
第二次世界大戦中、ドイツで開発・生産された突撃銃で、この種の武器のさきがけ。

弾丸1発当たりの威力と射程を犠牲にしてでも携行数に優る小型の弾を装備するほうが良い、という基本概念が1938年に確立され、1942年に採用されたMKb42(H)機関騎兵銃は、一般兵士の射撃距離である400m以内での対人戦闘用として7.92mm×33弾を使用し、フルオート射撃も可能だった。
さらに量産性も考慮され非常に実用的な構造だったが、弾丸に従来のKar98k小銃と互換性のないことから、アドルフ・ヒトラー総統が歩兵銃としての生産許可に難色を示した。
そこで、兵器生産の調整を行なっていた軍需相アルベルト・シェーアは、独断で「MP43」という短機関銃の呼称を与え、大量生産、配備が開始された。
その後実戦部隊からの評判が非常によく配備要請が相次いだため、ヒトラー総統は自分の命令が守られなかったことに激怒したが、その有効性を理解して1944年には生産を制式に認可、MP43に若干の改良を加えた「MP44」が制式採用された。
後にその名称はより攻撃的な「Sturm Gewehr(突撃銃)」と改められた。
採用後、生産工場や輸送手段が空襲などで破壊されたため思うように実戦配備は進まなかったものの、前線に配備された銃は兵士たちの手によって終戦の時まで使われ続け、連合軍兵士を大いに苦しめた。

最終的な生産数は42万6500挺。

戦後、その先進的な機構はソビエトのAK47などに引き継がれ、各国の歩兵装備の流れに大きな影響を与えた。
また、"Sturm Gewehr"という名前が突撃銃という呼称の走りとなり、現在でも使われている。


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