【SS-N-2】 †
ソ連が開発した中距離対艦ミサイル。
ソ連ではP-15「テルミート*1」と呼ばれ、NATOコードではSS-N-2/SSC-2「スティクス*2」と呼ばれる。
1954年に開発を開始し、1959年から配備が開始された。
主に、カシン級?駆逐艦、コニ級?フリゲート、タランタルI/II級コルベット、ナヌチュカ級?コルベット、オーサI/II級?高速ミサイル艇、マトカ型ミサイル艇に搭載されている。
実戦運用では、エイラート事件?やラタキア沖海戦?が有名。
ソ連のほか、中国やイラクなどに輸出され、中国ではこのミサイルをベースにSY-1が開発されている。
スペックデータ †
全長 | 5.2m(SS-N-2A) 5.8m(SS-N-2B) 6.5m(SS-N-2C/D/E) |
直径 | 76cm(SS-N-2A/B) 78cm(SS-N-2C/D/E) |
翼幅 | 2.75m |
発射重量 | 2,100kg(SS-N-2A) 2,300kg(SS-N-2B) 2,500kg(SS-N-2C/D/E) |
射程 | 35km(SS-N-2A) 40km(SS-N-2B) 80km(SS-N-2C/D/E) |
速度 | マッハ0.9 |
推進方式 | 液体燃料ロケット、固体推進ロケットモーター(ブースター部) |
エンジン | SPRD-30モーター(ブースター部) |
ペイロード | 350kg(SS-N-2A) 450kg(SS-N-2B) 513kg(SS-N-2C/D/E) |
弾頭 | HE 成形炸薬弾頭(350〜513kg) |
誘導方式 | オートパイロット、アクティブレーダーシーカー |
派生型 †
- P-15(SS-N-2A):
初期型。射程40km。
- P-15U(SS-N-2B):
折り畳み式主翼を備える型。
- P-15M(SS-N-2C):
バックアップ誘導用に赤外線探知装置を持つ型。射程80km。
- P-15MC:
ブルガリア海軍向け。
- P-20「テルミート2」:
誘導装置を更新した型。
- P-20K:
P-15Mの誘導装置を更新した型。
- P-20M:
折りたたみ式主翼を備える型。
翼長はP-15Uよりやや延長され、2,500mmとなった。
また、弾体尾部にはY字型の操舵用小翼を有する。
- P-21:
P-15Mの赤外線誘導型。
- P-22:
折りたたみ式主翼と赤外線誘導装置を備える型。
- ルベーシュ*3:
沿岸自走ミサイル複合体(地対艦ミサイル型)。
P-35「プログレス(SS-N-3)」?SSMを使用する「リドゥート*4」作戦戦術沿岸自走ミサイル複合体の後継として開発された。
MAZ-543 8×8トラックに自走発射装置3P51と「ガルプーン」レーダーを備えた管制室、電源用のガスタービン発電機を搭載する。
ミサイルはP-15Mを使用し、運用時は発射装置×4基と輸送装填車輌×4輌によって編成される。
*1 Термит:ロシア語で「白蟻」や「テルミット」の意味。
*2 Styx:ギリシャ神話に登場する冥界の河(三途の川)の意。
*3 Рубеж:ロシア語で「境界・国境」あるいは「作戦帯」という意味。
*4 редут:ロシア語で「堡塁」のこと。