*&ruby(えすえすえぬじゅうきゅう){【SS-N-19】}; [#h4600d83]
P-700 Granit(御影石)~
[[NATOコード]]:SS-N-19 Shipwreck(難破船)~
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[[SS-N-12]]の後継として1970年代前半にP-70(SS-N-7「スターブライト」)およびP-50(SS-N-9「サイレーン」)との置換を目指して開発され、1980年ごろに配備されたソ連製の世界最大級の[[艦対艦ミサイル]]。~

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射程は700km、推進装置は「固体ロケット・ラムジェット統合推進システム」(固体ロケットで超音速まで加速した後、ラムジェットに切り替えて巡航する)で速度は時速1600km、発射重量は6980kg。~
弾頭は750kgHEもしくは500kt級核弾頭が装備可能、と西側の代表[[艦対艦ミサイル]]である[[ハープーン]]や[[エグゾセ]]を大きく上回る破壊力を持つ。~
誘導方式は、指令更新付[[慣性誘導]]、[[終端誘導]]に[[IR>赤外線誘導]]又は[[アクティブレーダー誘導]]。~
どちらかと言えば、爆弾を抱いた無人のジェット機を体当たりさせる、と表現した方がわかりやすいかもしれない。~
開発に当たり、旧ソ連が1970年代末期に実用化した全地球規模海洋監視衛星システム「レゲンダ」と連動して運用する事を前提にしており、当然、目標の捕捉並びに誘導も「レゲンダ」に依存している。この為、それまでのソ連の長距離対艦ミサイルのように航空機による中間誘導の必要が無くなった。~
この他の特徴としては相互[[データリンク装置>データリンク]]が装備されていることである。~
複数のミサイルが同時発射された場合、[[データリンク]]によって1基が探査役として高高度を飛行し、残りは探知を避けるため低空を飛行する。~
探査役のミサイルが撃墜された場合、低空飛行している1基が新たな探査役となる。~
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ただし、その重量と容積の問題から搭載艦艇は大型艦艇のみに限られ、現在配備されているのは[[アドミラル・クズネツォフ>アドミラル・オブ・ザ・ソビエトフリート・NG・グズネツォフ]]級空母(VLS12基)、[[キーロフ]]級原子力ミサイル重巡洋艦(傾斜VLS20基)、[[オスカー]]1/2級潜水艦(水中発射舷側傾斜発射管24基)のみである。~
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後継として、潜水艦発射を前提に小型化して重量を抑え、ミサイルの中間誘導を簡略化可能にしたP-800(SS-N-26)「オーニクス(Оникс:縞瑪瑙)」が開発されており、プロジェクト885「ヤーセン(セヴェロドヴィンスク)」級原子力潜水艦に搭載される予定である。~
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**スペックデータ [#we253719]
全長:10.5m~
直径:88cm~
翼幅:2.6m~
発射重量:6,980kg~
射程:550km~
速度:1,600km/h(時速)~
飛行高度:20km(巡航時)~
推進方式:固体推進(射出)+ラムジェット(巡航)~
推進装置:KR-93ターボジェットエンジン~
弾頭:核弾頭(500kt)または HE(750kg)~
誘導方式:指令更新付慣性誘導/アクティブレーダー/IR~
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