【SLAR】(すらー)

Side-Looking Airborne RADAR.

航空機に搭載されるレーダーの一種で、主として地形観測や偵察に用いられるもの。
日本語では「機上側方監視レーダー」、あるいは単に「側視レーダー」「サイドルッキングレーダー」などと呼ばれる。

側視レーダーは、細長いレーダーアンテナの直角方向へ電波?を照射することで、比較的高い解像度が得られるという特徴を持つ。
走査するにはアンテナを長手方向へ直進させる必要があるため、航空機に搭載して運用するのが普通であり、SLARと側視レーダーはほぼ同義に用いられる。
カメラなど光学式の観測装置に比べ、悪天候でも使用可能という利点があり、偵察機などの軍用機に用いられる。

比較的高い解像度を持つものの、観測対象と離れれば離れるほどに解像度は低くなる。また、高解像度を得るために波長を短くすると減衰しやすくなる。
上記の問題は、レーダーアンテナを長くすることで一応の解決がなされるが、それにも限度がある。*1
この限界を、電波の開口合成技術で補ったものが合成開口レーダーであり、長視程と高解像度を実現した。*2*3
 なお、既成の側視レーダーは「実開口レーダー」と呼んで区別される場合がある。


*1 機体の全長以上には拡張できないためである。
*2 ただし、合成開口レーダーは複雑な装置を必要とし、得られた情報の解析に時間がかかるという弱点があるため、現在でも実開口レーダーが使われる場合も多い。
*3 1基のレーダー装置で、実開口モードと合成開口モードを使い分けることのできる機種も存在する。

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