【SB2C】(えすびーにしー) †

SB2C Helldiver(ヘルダイバー)（カイツブリの意。もしくは、急降下爆撃機の形容詞）
カーチス社がSBD（ドーントレス）の後継として開発したアメリカ海軍の艦上爆撃機。
原型機の初飛行は1940年12月で、1943年11月から実戦投入された。

小型空母（軽空母・護衛空母）での運用を可能にするため胴体が短く、また空冷エンジンの搭載もあって非常にずんぐりした外観で、コックピットは胴体にめり込むように垂直尾翼の近くまで来ていた。

航続距離や最大速度、搭載量こそSBDを上回っていたものの、機体構造は貧弱で、航空母艦のエレベーターに収めるために無理やりに機体後半部を切り詰めた設計にしたことと、性能より生産性を重視した仕様の為、致命的な程に安定性も悪く、2,000馬力級エンジンから発生するトルクも相まって、米海軍で最も着艦の難しい艦上機となってしまった。
逐次改修されたものの、兵士たちから「Son of a Bitch 2nd Class（二流のろくでなし）の略だ」などと陰口を叩かれる程の、基礎設計に起因する欠陥は最後まで改良できなかった。
しかし、他に適当な機体がなかったこともあって、太平洋戦争後期に日本艦船を多数撃沈する活躍をみせ、最終的に7,000機を越える生産がされた。

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スペックデータ †

乗員：2名
全長：11.18m
全高：4.01m
全幅：15.16m
翼面積：39.20��
自重：4,784kg
最大重量：7,540kg
速度：475km/h（高度5,090m）/254km/h（巡航）
上昇限度：8,870m
航続距離：1,875km
発動機 ライト R-2600-20「サイクロン」空冷星形複列14気筒空冷エンジン（1,900馬力）1 基
固定武装：20mm固定機銃2門、ブローニングM1919 7.62mm旋回機銃2門
爆装：2000lb爆弾1発、500lb爆弾2発、5インチロケット弾8発
雷装：Mk13-2 航空魚雷1発

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派生型 †

  • XSB2C-1
    R-2600-8エンジン(1,700hp)を搭載する原型機。社内呼称Model 84。

  • SB2C-1
    主翼内に12.7mm機銃4門を搭載する初期生産型。

  • A-25A
    米陸軍向け機体の呼称。大半は海軍向けに改修して海軍及び海兵隊へ納入された。

  • SB2C-1C
    主翼内搭載機銃を12.7mm機銃4門から20mm機関砲2門に変更した機体。

  • XSB2C-2
    SB2C-1に双フロートを装備した、試作長距離水上機の原型機。

  • SB2C-3
    R-2600-20エンジン(1,900hp)を搭載する機体。細部に変更点有り。

  • SB2C-4
    主翼下にロケット弾または爆弾搭載用の搭載架を装備した主要生産型。

  • SB2C-4E
    SB2C-4に夜戦用レーダーを装備した機体の呼称。

  • SB2C-5
    燃料搭載量を増加した最終生産型。

  • XSB2C-6
    R-2600-22エンジン(2,100hp)を搭載する胴体延長モデル。生産されず。

  • SBF-1
    フェアチャイルド社で製造されたSB2C-1C相当の機体。

  • SBF-3
    フェアチャイルド社で製造されたSB2C-3相当の機体。

  • SBF-4E
    フェアチャイルド社で製造されたSB2C-4E相当の機体。

  • SBW-1
    カナディアン・カー＆ファウンドリー社で生産されたSB2C-1C相当の機体。

  • SBW-1B
    カナディアン・カー＆ファウンドリー社が英国供与型として生産したSBW-1。
    英国海軍では"Helldiver Mk.I"と呼称されたが、実戦には参加しなかった。

  • SBW-3
    カナディアン・カー＆ファウンドリー社で生産されたSB2C-3相当の機体。

  • SBW-4E
    カナディアン・カー＆ファウンドリー社で生産されたSB2C-4E相当の機体。

  • SBW-5
    カナディアン・カー＆ファウンドリー社で生産されたSB2C-5相当の機体。

関連：急降下爆撃機


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