【SA80】(えすえーえいてぃ)

Small Arms 1980's

イギリス軍の現用突撃銃で、軍採用名はL85。
ブルパップ式であること以外は、特に何の変哲もない5.56mmNATO弾使用の自動小銃である。

.....と書きたいところだが、驚異的(ないし「脅威的」)なまでに信頼性が低い銃としてよく知られており、あちこちで酷評されている。
具体的には、薬莢を噛む、フィーディングトラブル、弾倉脱落といった、あり得る限りの全てのトラブルを頻発させた。
よく「M16AKより信頼性が〜」等という議論が為されたりするが、それらとは遠く及ばないレベルだったという。
また、金属を多用しているため、ブルパップ式なのに非常に重量が重い、という欠点もある。

後に、ドイツのH&kに改修を依頼し、これらの欠点は多少改善されたというが、この改修でも『ようやく世界標準水準に近くなった』との評価で、未だにその信頼性には大きな疑問が抱かれている。

このため、イギリス軍以外で本銃を採用している国はない。

スペックデータ

種別:アサルトライフル
口径:5.56mm
全長:785mm
銃身長:495mm
重量:4,980g(弾倉に30発装填、4×SUSAT装着時)
ライフリング:6条右転
装弾数:30発(箱型弾倉)
使用弾薬:5.56mmNATO弾
作動方式:ガス圧利用・ターンロックボルト
銃口初速:940m/s
発射速度:610〜775発/分

バリエーション

  • SA80(L85)IW*1
    独自に開発した4.85mm弾を使用する試作型。
    後に、5.56mmNATO弾に変更された。

  • L85A1:
    正式採用モデル。

  • L85A2:
    H&K社による改修型。ガスシステム周りやコッキングハンドルなどの改修が行われている。
    また、AG36(M320)グレネードランチャーを使用できるようになった。

  • L85LSW*2
    L4(ブレンの改良型)の後継として開発された分隊支援火器モデル。
    現在は、遠射性能と精度の高さからマークスマンライフルとして運用されている。

  • L22A1/A2:
    カービンモデル。ハンドガードの代わりにフォアグリップが取り付けられている。
    A2はピカティニーレールを追加し、イギリス陸軍の戦車兵用装備として配備されている。

  • L98A1/A2:
    訓練用モデル。セレクターレバーがなく、ガスシステムを排除しており、グリップ前方まで引き伸ばされたコッキングハンドルを引いて弾薬を発射する。


*1 Individual Weaponの略
*2 Light Support Weaponの略。

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