【SA-18】(えすえーじゅうはち)

旧ソ連がストレラシリーズ(SA-7/SA-9/SA-14)の後継として開発した個人携帯式地対空ミサイル
NATOコードではSA-18「グローズ」、ロシアでは9M38「イグラ*1」と呼ばれる。
1972年からコロムナ設計局で開発が始まり、1981年には量産化が開始された。
誘導方式はオールアスペクト発射能力を持つ赤外線誘導
ジャマー?対策に目視照準機も付属されている。

前作のSA-14と比べると、次のような改良が図られている。

  • シーカーの感度向上:従来使用されてきた硫化鉛(PbS)に加えてアンチモン化インジウム(InSb?)素子を導入
  • IFFシステムの改良による同士討ちの防止
  • 照準行程の自動化による応答時間短縮
  • ロケットモーターの大型化と誘導装置の改良による射程の延伸

さらにヘリコプター用の短射程空対空ミサイルとしてMi-24「ハインド」Mi-28「ハボック」への搭載(イグラ-1V)が確認され、海軍型(SA-N-10)も開発された。
輸出の方もCIS諸国の他、中東や南アフリカなどに輸出された。

スペックデータ

全長1.574m
直径7.2cm
重量10.8kg
弾頭高性能炸薬弾頭(1.17kg)
信管近接または直撃
推進方式固体燃料ロケットモーター
最大速度マッハ2.3
最大高度3,500m
有効射程5.2km
最大射高3.5km
誘導方式赤外線誘導
シーカー2波長光波シーカー

主な種類。

  • 9K38「イグラ(SA-18)」:
    量産型。

  • 9K310「イグラ-1E」:
    輸出型。

  • イグラ-1M:
    改良型。

  • イグラ-1D:
    空挺部隊及び特殊部隊向けバージョン。

  • 9M39「イグラ-1V」:
    空対空ミサイル型。

  • イグラ-1N:
    弾頭を大型化した型。代わりに射程が短くなっている。

  • イグラ-1A:
    輸出型。詳細不明。

  • 9K338「イグラ-S」:
    弾頭を大型化し、射程を延伸した型。
    NATOコードはSA-24「グリンチ」と呼ばれる。
  • SA-N-10:
    艦対空ミサイル型。

*1 Игла:ロシア語で針の意。

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