【SA-17】(えすえーじゅうなな)

現在ロシア軍で現役のSA-11ガドフライを改良した、新型中距離地対空ミサイル
NATOコードは「SA-17グリズリー」、ロシアでは「9k37ブーク」(または9k37Buk-2M)と呼ばれている。

このSA-17は1995年ロシア軍に配備されたSA-11(ブークM1)の改修型だが、変わったのは車両構成全てではなく発射機・ミサイル・多機能交戦レーダー搭載車の三種類だけである。
まずミサイルは9M38M1と9M317の2種類のミサイルを使用し、高度25,000m(SA-11は22,000m)まで届き、最大射程も50km(SA-11は35km)となった。誘導は初期誘導中間誘導慣性誘導?終端誘導セミアクティブレーダー誘導、弾頭の炸薬は50-70kgHE破片弾頭と強化され、最大マッハ4で飛行する目標も対応可能になっていると言う。次に多機能交戦レーダー搭載車は「GM-569」が搭載された。この「GM-569」が何の装置であるかは不明である。しかし、推測としてはミサイルの最大射程が伸びた事を考えると新型レーダーである「スノードリフト」を搭載している可能性が高い。最後に発射機は、寒冷地を考慮して凍結防止強化されたらしいが他は不明である。

このようにSA-17についてはいまだ謎の部分が多く、一般に知れ渡っていない地対空ミサイルの一つでもある。
なお、海軍型としてSA-N-12?の存在が確認されている。

SA-17グリズリーの主な種類。

  • 9k40(SA-17):量産型。
  • 「ウラール」:9K37M1-2「ブークM1-2」の輸出型。名称はウラル山脈またはウラル川の意味。
  • SA-N-12/Yezh:SA-17の艦対空ミサイル型、9M317を運用しソブレメンヌイ級駆逐艦(EM型)に装備。詳しくはSA-N-12?を参照。
  • HQ-16(紅旗-16):SA-17の中国輸出型、詳しくはHQ-16?を参照。

関連:SA-11 SA-N-12? HQ-16?


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