【SA-12】(えすえーじゅうに)

現在ロシア軍で使用されている、最新式の長距離地対空ミサイル。
NATOコードではSA-12グラディエーター/ジャイアントだが、ロシアではS-300Vと呼ばれている。
1970年代に開発が始まり、1980年代半ばから実戦配備された。

車両構成はSA-10と殆ど同じで、一部レーダー搭載車や発射機に違いがある。
レーダー搭載車の方は、2種類の車両を使用しそのため索敵距離が長くなったらしいが、 詳しい事は不明。発射機はタイヤ使用の牽引タイプから、自走式のキャタピラタイプに変わった事で、搭載ミサイルが大型化されたSA-12でも自力での走行が可能となった。タイプも9A83（9M83搭載車両）と9A82（9M82搭載車両）の二種類がある。

ミサイル（9M83グラディエーター）は4発搭載する事が出来き、高度30,000mまで到達出来る点はSA-10と同じだが、最大射程は75kmと延びている。輸送の際は水平姿勢で、発射時は垂直状態にされる。目標に対しては航空機・ヘリコプター・無人機・巡航ミサイル等あらゆる物に対して交戦が可能。スペック上では戦術弾道ミサイルも撃墜可能となっているが、誘導方式や索敵距離などの所が不明なためよく分かっていない。
9M82ジャイアント・ミサイルは2発搭載出来て9M83より射程が長い事以外、コレも詳しい事は分かっていない。
噂によると9M83は「短・中距離目標のみ」で、9M82も「長距離目標のみ」と言う構成とも言われている。 少しややこしいが、戦闘時は9M83搭載車両1両、9M82搭載車両1両の計2両（ミサイル計6発）で常にペアを組んで行動する。

一応ロシアの最新式なので輸出はかなり限定され、現在では中国とインドから輸出用のS-300VM（アンテイ2000）の発注を受けている。 現在では、新型のSA-20が開発中であるが、まだまだ完成には数年はかかりそうである。

S-300V（SA-12a/b）:ロシア軍使用の型。

S-300VM（アンテイ2000）:輸出型で、多少のスペックは落ちていると思われる。


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