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*&ruby(えすすりー){【S-3】}; [#b7801f03]
ロッキード・マーティンS-3"&ruby(ヴァイキング){Viking};"。~
1960年代にアメリカで開発された艦上対潜[[哨戒機]]。~
主契約者はロッキード社だが、艦上機の製造経験が浅かったため、ヴォート社を従契約者として開発が行われ、機体の開発・製造はヴォート社、胴体の製造と航空電子システムの統合、最終組み立てはロッキード社で行われた。~
Lockheed/Vought S-3 "&ruby(ヴァイキング){Viking};".~
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1960年代に[[S-2「トラッカー」>S-2]]の後継として"VSX（次期固定翼対潜機）"の名称で開発され、1972年に初飛行。1974年から部隊配備が開始された。~
1960年代にアメリカで開発された[[艦上>艦上機]][[対潜哨戒機]]。~
主契約者は[[ロッキード]]社だが、[[艦上機]]の製造経験が浅かったため、[[ヴォート]]社を従契約者として開発が行われ、機体の開発・製造はヴォート社、胴体の製造と[[航空電子システム>アビオニクス]]の統合、最終組み立てはロッキード社で行われた。~
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機体は、ほぼ四角断面の機体に大きな単垂直尾翼と高翼配置の主翼を持ち、航空母艦という限られたスペースに搭載するため主翼や尾翼は折り畳み機構が備えられており、[[MAD>磁気捜索装置]]センサーのブームや[[FLIR]]、空中受油ブームは引き込み式になっている。~
1960年代に[[S-2「トラッカー」>S-2]]の後継として"VSX（次期固定翼[[対潜機]]）"の名称で開発され、1972年に[[初飛行]]。1974年から部隊配備が開始された。~
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武装には、胴体内の兵装庫に対潜魚雷や爆雷を搭載可能な他、翼下パイロンに対艦ミサイルのほか、各種爆弾や[[ロケット弾]]・増加燃料タンクを搭載可能である。~
また、”バディシステム”と呼ばれる空中給油装置を搭載しての[[空中給油]]能力を持つ。~
機体は、ほぼ四角形に近い断面の胴体に大きな単[[垂直尾翼]]と[[高翼]]配置の主翼をつけた構造で、[[航空母艦]]という限られたスペースに搭載するために主翼や尾翼は折り畳み機構が備えられており、[[MAD>磁気捜索装置]]センサーのブームや[[FLIR]]、空中受油ブームは引き込み式になっている。~
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実戦では、1991年の湾岸戦争が初で、陸上施設への爆撃と艦艇への攻撃に使用されたが、対潜攻撃を行った例は無い。~
武装には、胴体内の[[兵装庫>ウェポンベイ]]に[[対潜魚雷]]や[[爆雷]]を搭載可能な他、翼下[[パイロン]]に[[空対艦ミサイル]]のほか、各種爆弾や[[ロケット弾]]・[[増加燃料タンク>増槽]]を搭載可能である。~
また、「バディシステム」と呼ばれる空中給油装置を搭載し、[[空中給油の母機>空中給油機]]としても使用できる。~
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2003年には原子力空母「エイブラハム・リンカーン」をジョージ・W・ブッシュ大統領が訪問する際に、第35対潜飛行隊（VS-35）のS-3が乗機として使用され、この機はアメリカ海軍史上初めて大統領座乗機に付与される“ネイビーワン”のコールサインで呼ばれたアメリカ海軍航空隊機となった。~
実戦参加は、1991年の[[湾岸戦争]]が最初で、陸上施設への爆撃と[[対艦ミサイル]]による艦艇攻撃に使用されたが、本来任務であった[[潜水艦]]への攻撃を行った例は無い。~
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冷戦終結後は[[P-3C>P-3]]に任務を譲り、艦載機への空中給油任務に使用されたが、[[F/A-18E/F>F/A-18]]の配備に伴い2009年に全機退役したが、[[NASA]]では海軍の退役機を所得して各種試験機として運用する計画である。~
2003年には[[原子力空母]]「[[エイブラハム・リンカーン(CVN-72)>ニミッツ（航空母艦）]]」をジョージ・W・ブッシュ大統領が訪問する際に、同艦に乗艦していた第35対潜[[飛行隊>スコードロン]]（VS-35）の本機が乗機として使用された。~
この機は、[[アメリカ海軍]]史上初めて大統領座乗機に付与される「[[ネイビーワン>エアフォースワン]]」の[[コールサイン]]で呼ばれた機体となった。~
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**スペックデータ [#lb159627]
乗員：4名（主操縦士兼機長、副操縦士兼センサー員、音響センサー員、戦術調整士）~
全長：16.26m~
全高：6.93m~
全幅：20.93m/8.99m（主翼折り畳み時）~
[[主翼]]面積：55.55��~
空虚重量：12,088kg~
最大離陸重量：23,831kg~
[[エンジン]]：GE TF34-GE-400ターボファン（推力42.2kN（[[A/B]]使用時））×2基~
[[速度]]（最大/巡航）：447kt/367kt~
海面[[上昇率]]：1,260m/min~
実用上昇限度：10,670m~
[[航続距離]]：3,000nm（フェリー時）/2,000nm（最大重量時）~
兵装：[[AGM-84]]、[[ロケット弾]]ポッド、Mk.46対潜魚雷、Mk.56・Mk.60対潜爆雷、[[増槽]]、バディシステム等
米ソ[[冷戦]]の終結後は[[P-3C>P-3]]に本来の任務を譲り、[[艦載機]]への[[空中給油母機>空中給油機]]として使用されたが、[[F/A-18E/F>F/A-18]]の配備に伴い2009年に全機退役した。~
[[NASA]]では、海軍から退役した機体の一部を取得して、各種[[実験機]]として運用する計画である。~
>本機は前任のS-2と異なり、海外への輸出はされず((1970年代、日本の[[海上自衛隊]]が[[S-2]]の後継機として導入を検討していたこともあったが、「艦上機を陸上から運用するのは不経済」という意見があり（当時、海上自衛隊は[[航空母艦]]を持っていなかった）、実現しなかった。))、アメリカ海軍のみで運用されていた。
関連：[[S-2]]
**スペックデータ（S-3A）[#lb159627]
|乗員|4名&br;（[[機長]]、[[副操縦士>副機長]]兼センサー員（COTAC）、音響センサー員（SENSO）、&br;[[戦術航空士（TACCO）>戦術航空士]]）|
|全長|16.26m|
|全高|6.93m/5m（尾部折り畳み時）|
|翼幅|20.93m|
|幅|8.99m（主翼折り畳み時）|
|[[主翼]]面積|55.6��|
|翼型|root：NACA 0016.3-1.03 32.7/100 mod&br;tip：NACA 0012-1.10 40/1.00 mod|
|アスペクト比|7.73|
|空虚重量|12,057kg|
|総重量|17,324kg|
|最大離陸重量|23,831kg|
|[[燃料]]容量|機体内：7,320L（1,933 US gal）、JP-5&br;外部：1,100L（300 US gal）[[ドロップタンク>増槽]]×2基|
|[[エンジン]]|[[GE>ジェネラルエレクトリック]] [[TF34-GE-2>TF34]][[ターボファン]]×2基|
|[[推力]]|41.26kN（9,275lbf）|
|最高速度|795km/h（海面上）|
|[[巡航速度]]|650km/h|
|[[失速]]速度|180km/h|
|[[航続距離]]|5,121km/6,238km（[[フェリー>回航]]時）|
|[[戦闘行動半径]]|852.8km|
|[[実用上昇限度>上昇限度]]|12,500m|
|[[海面上昇率>上昇率]]|26.0m/s|
|[[翼面荷重]]|334kg/��|
|[[推力重量比]]|0.353|
|>|CENTER:兵装|
|兵装搭載量|胴体内兵装庫4ヶ所と翼下[[ハードポイント]]2ヶ所に最大2,200kgまで搭載可能。|
|ミサイル|[[AGM-65E/F「マーベリック」>AGM-65]]×2発&br;[[AGM-84D「ハープーン」>AGM-84]]×2発&br;[[AGM-84H/K「SLAM-ER」>AGM-84]]×1発|
|魚雷/爆雷|Mk.46[[対潜魚雷]]×4発&br;Mk.50対潜魚雷×2発&br;[[機雷]]又はMk.56・Mk.60[[対潜爆雷>爆雷]]×6発&br;B57[[核爆弾>核兵器]]×2発（核爆雷として使用）|
|爆弾/ロケット弾|[[Mk.80シリーズ]]（Mk.82×10発、Mk.83×2発、Mk.84×2発）&br;CBU-100[[クラスター爆弾]]×6発&br;[[ロケット弾]][[ポッド]]×2基|
|その他|1,136L（300 USgal）[[ドロップタンク>増槽]]×2基&br;バディシステム等|
|[[アビオニクス]]|AN/APS-116 捜索レーダー（A型）&br;AN/APS-137逆[[合成開口レーダー]]（ISAR）（B型）&br;OR-89[[FLIR]]（3倍ズームカメラ付き）&br;AN/ARS-2 [[ソノブイ]]受信機（ブレードアンテナ×13基）&br;AN/ASQ-81[[MAD>磁気捜索装置]]センサー&br;AN/ALR-47 [[ESM]]装置&br;AN/ASN-92 [[慣性航法装置]]（[[ドップラーレーダー]]と[[TACAN]]を備える）&br;[[ソノブイ]]×60個（戦術用59個、捜索救難用1個）|
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**主なバリエーション（カッコ内は製造・改修機数） [#c4771d5d]
-S-3A：原型試作機を含む初期生産型。（187機）~
-S-3B：A型の改修型。電子機器の更新やAPS-137逆合成開口レーダーの搭載、AGM-84の運用能力追加などが施された。（119機）~
-ES-3A：[[SIGINT]]機型。「シー・シャドウ」とも呼ばれる。~
-KS-3A：空中給油機提案型。バディーシステムが採用されたため不採用。（1機）~
-US-3A：操作員席と電子機器を廃し貨物室としたCOD（艦上輸送機）型。（6機）~
-OUTLAW ヴァイキング：遠距離艦船探知システム搭載型。~
-ORCA S-3B：機雷原探知システム搭載型。~
-S-3A（187機）：~
原型試作機を含む初期生産型。~
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関連：[[S-2]]
-S-3B（119機）：~
A型の改修型。~
電子機器の更新やAPS-137逆合成開口レーダーの搭載、[[AGM-84]]の運用能力追加などが施された。~
~
-ES-3A：~
[[ELINT]]機型。「シー・シャドウ」とも呼ばれる。~
~
-KS-3A（1機）：~
空中給油機への試作改修型。バディーシステムが採用されたため不採用。~
~
-KS-3B：~
B型の空中給油機型。提案のみ。~
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-US-3A（6機）：~
操作員席と電子機器を廃し貨物室としたCOD（[[艦上輸送機>輸送機]]）型。~
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-Aladdin ヴァイキング：~
陸上監視と[[ELINT]]任務改修型。~
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-Calipso ヴァイキング：~
密輸監視機型。提案のみ。~
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-Gray Wolf ヴァイキング：~
翼下に[[AN/APG-76]][[レーダー]]を取り付けた改造貨物ポッドを装備した型。~
"SeaSTARS"とも呼ばれる。~
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-OUTLAW ヴァイキング：~
地平線空中センサー情報システム（OASIS �掘謀觝楫拭�~
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-ORCA ヴァイキング：~
[[アビオニクス]]テストベッド型。~
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-[[NASA]] ヴァイキング：~
NASAの研究機として改修した型。~
[[ウェポンベイ]]部分に研究機器ラックを装備する。~
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