【RPG】(あーるぴーじー)

Rocket Propelled Grenade(英)
Ручной противотанковый гранатомет(ルコイ・プロトニヴォタンゴヴィ・グラスオトメチ)(露)

ロケット推進擲弾。
パンツァーファウストを参考にソ連軍が開発した、携帯型対戦車兵器。
パンツァーファウストに比べ、弾体がロケットモーターで推進する点と、発射器が繰り返し使える点が異なる。

弾頭には主として成形炸薬弾が用いられるが、対人用の榴弾も存在する。
発射時はパンツァーファウストと同様に無反動砲の原理で射出されるが、その後は弾体後部の安定翼を開き、固体燃料ロケットで推進する。無反動砲ロケット弾の折衷型兵器といえる。それでも弾頭が重いため、発射直後の飛翔速度は遅く、目視で避けられてしまう場合も多い。また横風に弱く、強風時の命中精度は極端に低下する。
さらには発射時の音と後方炎が大きいため、後方の安全に注意する必要があり、敵に発見されるおそれも大きい。

初期のRPG2は射程と破壊力が不足したため、弾頭をより大型化して能力を向上させたRPG7が登場し、その扱いやすさと威力の大きさから重宝された。
RPG7には遠くの敵車両を狙うための光学照準器?が追加されたが、見越し照準が煩雑なためあまり使われず、装備されない場合も多い。

ソ連以外にも複数の国でライセンス生産されたほか、構造が単純なためデッドコピーされることも多く、非常に多くの国で使用されている。
取り扱いも容易でわずかな訓練で使えるようになるため、ゲリラテロリストに使われることも多い。
AK47と並び、世界各地の紛争地帯で見られる兵器である。もともとは戦車を狙うための兵器だったが、実際にはさまざまな物が標的となっている。
九州南西海域不審船事件?において北朝鮮の工作員が使用したとされており、このため日本での知名度も高い。

弾頭には電気信管を使用しているため、金網に当たると不発になるという弱点があり、ベトナム戦争でのアメリカ軍は陣地防御に金網を多用した。
ブラック・シーの戦いではソマリア民兵アメリカ軍ヘリコプターを撃墜するため、信管を時限信管に交換し、数百発を空に向けて発射したといわれている。

  • RPG2: 初期型、有効射程100m
  • RPG7: 弾頭を大型化して有効射程を500mに伸ばし破壊力を改善、また光学照準器?を追加
  • RPG7D: 空挺部隊用の折り畳み型
  • RPG7V: RPG7の小改良型
  • RPG18: それまでのRPGとは異なり、アメリカのM72に似た使い捨てロケット砲?

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