• 追加された行はこの色です。
  • 削除された行はこの色です。
*&ruby(あーるあいえむいちいちろく){【RIM-116】}; [#f2b14333]
RIM-116 [[Rolling Airframe Missile(RAM)>RAM]]~
~
アメリカとドイツが共同開発した近接防空用[[艦対空ミサイル]]システム。~
[[艦艇]]に接近する航空脅威、特に[[対艦ミサイル]]の撃墜を目的とする[[CIWS]]として運用される。~
弾体は[[サイドワインダー>AIM-9]]、[[シーカー]]は[[FIM-92]]を設計母体とする。~
弾体は[[サイドワインダー>AIM-9]]、[[シーカー]]は[[スティンガー>FIM-92]]を設計母体とする。

発射装置としては、艦の[[FCS>火器管制装置]]と連動させて運用するMk.49 GMLS(21連装)の他、[[ファランクス]]の[[M61バルカン>M61A1]]を11連装発射機に換装し、照準システムを流用することで艦固有の[[FCS>火器管制装置]]がなくても運用できるMk.15 mod.31 SeaRAM(11連装)が存在する。~

**開発の経緯 [#n488e7dd]
開発当時、[[CIWS]]は[[機関砲]]で行われるものであり、ほとんど[[ファランクス]]の同義語といって良いほどだった。~
これに対し、[[対艦ミサイル]]は「超低空を超高速で飛行する」という方向性の進化によって[[CIWS]]に対抗。~
事実、発見が遅れる事によって迎撃を行う時間的猶予を確保できなくなり、[[ファランクス]]は時代遅れになり始めた。~
~
これだけであれば単に[[機関砲]]を大口径化すれば対応可能であったが、問題はそれだけに留まらない。~
[[機関砲]]は複数の目標を同時に[[撃墜]]する事が構造的に不可能なため、多数の[[ミサイル]]を一斉発射されると撃ち漏らしが生じる。~
すなわち、[[機関砲]]では[[飽和攻撃]]に対して有効な防御力を発揮できない。~
本システムは、この問題に対する技術的回答として用意された「[[ミサイル]]を[[撃墜]]するための[[ミサイル]]」である。~
~
開発は1974年に始まったが、相対速度が[[マッハ]]2を越える状況下での[[終端誘導]]は大きな課題であり、開発は難航。~
何度も中止の危機を乗り越えつつ、1992年にようやく実戦配備にこぎつけた。
何度も中止の危機を乗り越えつつ、1992年にようやく実戦配備にこぎつけた。~
~
関連:[[AN/SLQ-32]]~

**スペックデータ [#fd006754]
|種別|近接防空ミサイル|
|設計社|ジェネラル・ダイナミクス|
|製造社|レイセオン|
|全長|2.79m|
|直径|12.7cm|
|翼幅|44.5cm|
|発射重量|73.5kg|
|射程|9.6km|
|速度|[[マッハ]]2.5|
|推進方式|[[固体推進ロケットモーター>固体燃料ロケット]]|
|[[エンジン]]|Mk.36改8またはMk.112減煙[[モーター>ロケットモーター]]([[AIM-9]]のもの)|
|弾頭|WDU-17B [[HE>榴弾]]爆風破片弾頭(10kg)|
|誘導方式|[[パッシブレーダー誘導]]/[[赤外線誘導]]|
|信管|着発・[[近接信管]]|
|タイプ|CENTER:RIM-116A&br;(Block0)|CENTER:RIM-116B&br;(Block2)|CENTER:RIM-116C&br;(Block3)|
|種別|>|>|CENTER:近接防空ミサイル|
|設計社|>|>|CENTER:ジェネラル・ダイナミクス|
|製造社|>|>|CENTER:レイセオン、ディールBGTディフェンス|
|全長|>|>|CENTER:2.82m|
|直径|>|CENTER:12.7cm|CENTER:14.61cm|
|翼幅|>|CENTER:44.5cm|CENTER:32.17cm|
|発射重量|>|CENTER:74.4kg|CENTER:88.2kg|
|射程|>|CENTER:800m〜9km|CENTER:400m〜15km|
|飛翔高度|>|CENTER:1.5m〜6,100m|CENTER:1.5m〜8,100m|
|速度|>|>|CENTER:[[マッハ]]2.5|
|推進方式|>|>|CENTER:[[固体推進ロケットモーター>固体燃料ロケット]]|
|[[エンジン]]|>|>|CENTER:Mk.36改8またはMk.112減煙[[モーター>ロケットエンジン]]([[AIM-9]]のもの)|
|弾頭|>|>|CENTER:WDU-17B [[HE>榴弾]]爆風破片弾頭(10kg)|
|誘導方式|>|CENTER:[[PRH>パッシブレーダー誘導]]/[[IRH>赤外線誘導]](終末段階)|CENTER:PRH+IIR(終末段階)|
|信管|>|>|CENTER:着発・[[近接信管]]|
~
**プラットフォーム [#l3fc386c]
:Mk.49 GMLS(Guided Missile Launching System, 誘導ミサイル発射システム)|艦載用の21連装ミサイルランチャー。総重量5777kg。艦の[[火器管制装置]]で制御する。
:Mk.15 mod.31 SeaRAM|[[ファランクス]]システムの機関砲を11連装ミサイルランチャーに換装した型。独立した[[火器管制装置]]を内蔵。

**バリエーション [#me8d5a7e]
-RIM-116A(Block0):~
初期型。パッシブレーダー誘導。~
初期型。~
IRH誘導システムは、スティンガーミサイルのものを使用する。~
~
-RIM-116B(Block1):~
センサーを改良した型。赤外線誘導。~
センサーを80ピクセルの線型アレイ方式に変更した型。~
これにより、全方位交戦能力が付与されたほか、発射直後からPRHに頼らず、全航程を通じてIRH誘導とする(IR-all-the-way guidance)こともできるようになった。~
~
-RIM-116C(Block2):~
推進装置等を改良した型。赤外線画像誘導。~
推進装置等を改良した型。~
赤外線画像(IIR)誘導方式が導入され、同一目標への複数弾斉射が可能になった。~
また、運動性向上のために2枚のみだった前翼も4枚に増やされている。~
~
**主な搭載艦艇 [#r6c42279]
-アメリカ
--[[キティホーク級>キティホーク]][[航空母艦]](CV-63・CV-67のみ後日装備)
--[[エンタープライズ級>エンタープライズ]]航空母艦(後日装備)
--[[キティホーク級>キティホーク]][[航空母艦]](CV-63とCV-67のみ後日装備)
--原子力空母「[[エンタープライズ]]」(後日装備)
--[[ニミッツ級>ニミッツ(航空母艦)]]航空母艦(後日装備)
--[[ジェラルド・R・フォード級>ジェラルド・R・フォード]]航空母艦(建造中)
--[[ジェラルド・R・フォード級>ジェラルド・R・フォード]]航空母艦
--[[スプルーアンス級>スプルーアンス]][[駆逐艦]](一部の艦に後日装備)
--[[アーレイ・バーク級>アーレイ・バーク(駆逐艦)]][[ミサイル駆逐艦>ミサイル艦]](SeaRAM、一部の艦に後日装備)
--フリーダム級[[LCS>沿海域戦闘艦]]
--インディペンデンス級LCS(SeaRAMを装備)
--[[コンステレーション級>コンステレーション]][[ミサイル]][[フリゲート]]
--[[タラワ級>タラワ]][[強襲揚陸艦]](後日装備)
--[[ワスプ級>ワスプ]]強襲揚陸艦(後日装備)
--アメリカ級強襲揚陸艦(計画中)
--アメリカ級強襲揚陸艦
--ホイットビー・アイランド級[[ドック型揚陸艦]](後日装備)
--ハーバーズ・フェリー級ドック型揚陸艦
--[[サン・アントニオ級>サン・アントニオ]]ドック型揚陸艦
--フリーダム級[[LCS>沿海域戦闘艦]]
--インディペンデンス級LCS
--ハーバーズ・フェリー級ドック型揚陸艦(後日装備)
--[[サン・アントニオ級>サン・アントニオ]]ドック型輸送揚陸艦
~
-ドイツ
--リュッチェンス級駆逐艦(後日装備)
--ブレーメン級フリゲート(後日装備)
--リュッチェンス級[[駆逐艦]](後日装備)
--ブレーメン級[[フリゲート]](後日装備)
--ブランデンブルク級フリゲート
--ザクセン級フリゲート
--バーデン・ヴュルテンベルク級フリゲート
--ブラウンシュヴァイク級コルベット
--ブラウンシュヴァイク級[[コルベット]]
--ゲパルト級ミサイル艇(後日装備)
~
-アラブ首長国連邦
--バイヌナ級コルベット
~
-エジプト海軍
--アンバサダーMk.3級ミサイル艇
~
-韓国
--忠武公李舜臣級[[駆逐艦]]
--[[世宗大王級イージス駆逐艦>世宗大王]]
--独島級強襲揚陸艦((ドック型揚陸艦に分類される場合もある。))
--独島級強襲揚陸艦
--仁川級フリゲート
~
-日本
--[[いずも型ヘリコプター搭載護衛艦>いずも]](SeaRAM予定)
--[[いずも型ヘリコプター搭載護衛艦>いずも]](SeaRAMを装備)
--もがみ型護衛艦(SeaRAMを装備)
~
-ギリシャ
--リュッセン級ミサイル艇

-トルコ
--ミルゲム型コルベット(建造中)
--アダ級コルベット(建造中)

-エジプト
--アンバサダーMk.3級ミサイル艇(建造中)


トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS