【QH-50】(きゅうえいちごじゅう)

Gyrodyne QH-50 DASH

アスロックよりも更に広範囲をカバーできる対潜兵器としてアメリカ海軍が考案し、ジャイロダイン社が開発した無人対潜ヘリコプター
開発当初は「DSN-1」と呼ばれていたが、後に四軍統一命名法の導入により現在の名称に変更された。
Drone? Anti Submarine Helicopter(無人対潜ヘリコプター)を略してDASHとも呼ばれている。

機体は、むき出しのエンジンランディングスキッド二重反転ローターを取り付けただけのような外観をしている。
対潜魚雷または爆雷を搭載し、母艦となる駆逐艦からの遠隔操作で目標の潜水艦の上空まで飛び、遠隔操作で魚雷・爆雷を投下して母艦へ帰投する。

1959年に初飛行した後、アメリカ海軍では1962年から実戦配備を開始し、746機が生産された。近代改修を施した第二次大戦中の駆逐艦や護衛駆逐艦に多く搭載され、アスロックと並ぶ対潜兵器となった。
また、日本の海上自衛隊にも17機が供与され、対潜護衛艦などに搭載された。*1
しかし、魚雷や爆雷を運ぶ以外の用途に使えず汎用性に欠け、また、当時の無人機ジャミングなどに対して脆弱であった*2ため、有人の対潜ヘリコプターが充足すると退役していった。

スペックデータ

ローター直径:6m
全高:3m
全備重量:約3t(武装含む)
機関:ターボシャフトエンジン×1基
最高出力:330馬力
最高速度:150km/h
航続距離:65浬(約120km)


*1 うち1機は呉史料館「てつのくじら館」に展示保存されている
*2 実際に全生産機数の半分近い機体が、艦や他の航空機が通信に使用する電波との混信によって操縦不能となり、墜落している

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