【PT-91】(ぴーてぃきゅうじゅういち)

PT-91 "Twardy(トファルディ)*1"
ポーランドで開発された主力戦車。
T-72M1の発展型で、1995年に配備が開始された。

主な改修点としては、射撃統制システム爆発反応装甲、エンジンの高出力化、トランスミッション、自動装填装置などである。
装甲には複合装甲とポーランド製の「エラヴァ(ERAWA)」爆発反応装甲を導入している。

主にアップグレード・キットとして提供され、ポーランド陸軍とマレーシア陸軍で採用されている。

スペックデータ

PT-91「トファルディ」
乗員3名
全長9.67m
車体長6.95m
全高2.19m
全幅3.59m
戦闘重量45.9t
懸架方式トーションバー方式
エンジンPZL-ヴォラ S-12U液冷ディーゼル(出力850hp)
登坂力60%
超堤高0.85m
超壕幅2.8m
最大速度60km/h(路上・整地)/ 45km/h(不整地)
行動距離450km/700km(追加燃料タンク搭載時)
装甲複合装甲
正面、側面、上面に「エラヴァ-1」または「エラヴァ-2」ERAを装備。
兵装2A46 51口径125mm滑腔砲×1門(携行弾数42発)
NSVT 12.7mm重機関銃×1挺(対空用、携行弾数300発)
PKT 7.62mm機関銃×1挺(主砲同軸、携行弾数2,000発)
12連装発煙弾発射機×2基


PT-91M「ペンデカル」
乗員3名
全長6.86m
全高2.60m
全幅3.70m
戦闘重量48.5t
懸架方式トーションバー方式
エンジンPZL-ヴォラ S-1000R液冷ディーゼル(出力1,000hp)
最大速度65km/h(路上・整地)
行動距離450km/700km(追加燃料タンク搭載時)
装甲複合装甲
「エラヴァ-3」ERA
兵装2A46MS 51口径125mm滑腔砲×1門(携行弾数42発)
M2HB 12.7mm重機関銃×1挺(対空用、携行弾数300発)
MAG 7.62mm機関銃×1挺(主砲同軸、携行弾数2,000発)
12連装発煙弾発射機×2基


主なバリエーション

  • PT-91「トファルディ」:
    T-72M1の改修型。
    主な装備はSKO-1M「ドラヴァ-1T」射撃統制システム*2、PCO SSC-1「オブラ-1」レーザー警戒システム、「エラヴァ」爆発反応装甲を装備。
    エンジンはPZL-ヴォラ S-12U(出力850hp)を搭載している。

  • PT-91A:
    エンジンをPZL-ヴォラ S-1000(1,000馬力)に換装し、機械式トランスミッションなどを改修した型。


  • PT-91Z「ハルディ*3」:
    近代化改修型。ZはZmodernizowany の略語で「近代化された」という意味。
    試作のみだが、後にPT-91Mの開発の参考に用いられた。

  • PT-91M「ペンデカル*4」:
    マレーシア向け輸出型。
    SAGEM 「サヴァン-15」射撃統制システムのほか、SAGEM VIGY 15 ジャイロスタビライザ付きパノラマ光電子サイト、「シグマ30」レーザージャイロ慣性航法装置、EADS EPS72 砲塔安定システム、PCO SSP-1「オブラ-3」レーザー警戒システムを装備している。
    エンジンはレンク/SESM ESM-350M自動トランスミッションを備えたPZL-ヴォラ S-1000R(出力1,000hp)を搭載。

  • PT-91E/Ex:
    輸出型。

  • PT-91P:
    ペルー向け輸出型。採用されず。
    新型のPCO 「ドラヴァ-TG」射撃統制システム、サーマルサイト、現代的な通信システムなどを備える。


*1 ポーランド語で「堅い、不屈の」という意味。
*2 初期生産型は代わりにSKO-1「ドラヴァ」を備える。
*3 Hardy:ポーランド語で「誇り高い」という意味。
*4 Pendekar:シラットの達人のことを指す。

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