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*&ruby(ぴーきゅうじゅう){【P90】}; [#b23d7839]
ベルギーの[[ファブリック・ナショナル]]社が開発した[[PDW]]。~
FN P90~
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ベルギーの[[ファブリック・ナショナル]]社が開発した[[PDW]]／[[短機関銃]]。~
プロジェクト90と読む。~
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最大の特徴は、[[レシーバー]]の上に装着される[[ヘリカルロードマガジン]]である。このため50発もの装弾数を持ちながら、かさばらない。~
1980年代、[[ボディアーマー>防弾チョッキ]]の普及と高性能化により、軍人が護身用に持つ[[拳銃]]・[[短機関銃]]は威力不足になり始めた。~
しかし、全ての兵士に[[歩兵]]と戦える[[突撃銃]]を携行させるのは作業効率上あまり現実的ではない。~
そこで、アメリカ軍は『拳銃弾より貫通力に優れ、突撃銃より取り回しの良い銃』の製作を各社に依頼。~
当時[[APDW>PDW]]と呼ばれたこの要望に対して、[[FN>ファブリック・ナショナル]]社が1987年に要求仕様を満たした銃を開発した。~
これが「PROJECT-90」ことP90である。~
>ただし、PDWという概念は結局あまり浸透せず、現在では[[短機関銃]]に分類されている。
最大の特徴は、レシーバーの上に装着されるヘリカルロード[[マガジン>弾倉]]である。~
弾丸は横向きに複列装弾されているが、バネによって90度回転させることで本体薬室に送弾する。~
このため50発もの装弾数を持ちながら、かさばらないという利点がある。~
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これを実現するため、コンパクトさと貫通力を兼ね備えた、専用の5.7mmx28口径弾が開発された。~
さらに下面から排莢するため、薬莢が邪魔になりがちな[[ブルパップ]]の難点も解消されている。~
また[[コリメーターサイト]]を標準装備していることも大きな特徴である。~
この弾は通常の拳銃弾とは異なる、ライフル弾を短小化したようなボトルネック形状をしており、サイズこそ拳銃弾並だが貫通力に優れる。~
さらに下面から排莢するため、薬莢が邪魔になりがちな[[ブルパップ]]の難点も解消された。~
射手の利き手を選ばず、左右臨機応変に構えなおすことが可能となっている。~
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ただし近年では[[PDW]]の存在価値が薄れたため、[[短機関銃]]の一種として売り出されている。~
テロリストや犯罪者が[[ボディーアーマー]]を装着していても貫通することができる一方、弾の[[運動エネルギー]]が小さいため壁を貫通することは少なく、周囲に被害を与えづらい。また人体内で弾丸が横転するため、口径の割に比較的[[マンストッピングパワー]]に優れ、それらの特性が[[CQB]]に適している。~
[[ペルー大使公邸人質事件]]において、突入部隊がこの銃を使用し成功を収めたことで、実戦評価が高まった。~
とはいえコストが高く、特に専用弾を使うため維持費が他の銃より割高になってしまう。また貫通力の高い弾丸を使うがゆえに販売先は軍や警察に限定されていることもあり、普及しているとは言いがたい。~
（後に民間用の[[ソフトポイント弾]]も登場したが、この銃のメリットを十分活かせないことになる）~
またコリメーターサイト（ダットサイト）を標準で内蔵していることも大きな特徴である。~
しかし用途上コンパクトさを重視しているため小型で視野角が狭く、とっさの照準が難しい場合もある。~
コリメーターサイトを廃止し、[[スコープ>望遠鏡式照準器]]やレーザーサイト・フラッシュライト等を取り付け可能にした「P90TR((Triple Rail.))」や「P90タクティカル」も存在する。~
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[[特殊部隊]]で併用されることを意識して、同種弾を使用する[[半自動式拳銃]]の[[ファイブ・セブン]]も開発されている。~
標的が[[ボディーアーマー>防弾チョッキ]]を装着していても貫通できるが、軽量な弾丸は分厚い壁までは貫通しにくく、周囲に被害を与えづらい。~
また、人体内で弾丸が横転する構造になっており、[[口径]]の割に比較的[[マンストッピングパワー]]に優れ、それらの特性が[[CQB]]に適している。~
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ペルー大使公邸人質事件において、ペルー軍の突入部隊がこの銃を使用して成功を収めたことで、実戦評価が高まった。~
とはいえコストが高く、特に専用弾を使うため維持費が他の銃より割高になってしまう。~
また、貫通力の高い弾丸を使うがゆえに販売先は軍や警察に限定されていることもあり、未だ普及しているとは言いがたい。~
後に[[セミオート]]専用の民間モデル「PS90」と民間用の[[ソフトポイント弾]]も登場したが、本銃の存在意義から考えれば本末転倒に近い。~
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[[アメリカ海軍]]の[[SEALs]]が、[[MP5]]に替わる[[白兵戦]]火器として実戦形式でトライアル中である。~
イギリス陸軍の[[SAS>SAS(特殊部隊)]]は既にトライアルを終え、追跡潜入作戦に投入していることが確認されている。~
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[[特殊部隊]]で併用される事を意識して、P90と弾薬を共用可能な[[FN ファイブ・セブン]][[半自動式拳銃]]も開発されている。~
**スペックデータ [#ka55d590]
|口径|5.7mm|
|全長|500mm/667mm（PS90）|
|銃身長|263mm/407mm（PS90）|
|全高|55mm|
|全幅|210mm|
|重量|2.54kg（弾倉を外した場合）&br;2.68kg（弾倉に装填していない状態）&br;3.0kg（弾倉に装填した状態）&br;2,900g/3,400g（弾丸50発満載時。PS90）|
|弾丸|5.7x28mm弾|
|装弾数|50発&br;10発/30発/50発（PS90）|
|作動方式|シンプル・ブローバック方式&br;クローズド・ボルト撃発|
|発射速度|900発/分|
|初速|715m/s|
|有効射程|200m|
|最大射程|1,800m|
|照準|三重水素で発光するドットサイト、予備にアイアンサイト|
**バリエーション [#c811abd5]
-P90スタンダード：~
基本形。コリメーターサイトを内蔵している。~
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-P90TR：~
コリメーターサイトを廃し、かわりに短い[[ピカティニー・レール]]を3本装備した型。~
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-P90タクティカル：~
TRの[[ピカティニー・レール]]を改良した型。~
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-PS90：~
セミオートオンリーの民間モデル。~
バレルが16インチに延長された他は、軍・法執行機関向けと性能等に大差はない。~
--PS90TR：~
標準モデルに[[赤外線]][[レーザー]]照準器、フラッシュライト等が装着できるようマウントレールを追加した型。~
--PS90USG：~
ダットサイトを発光型に交換した型。~
軍用型のそれぞれに、可視光レーザーサイトを内蔵したLV((LASER：Visible.))型と、赤外線レーザーサイトを内蔵したLIR((LASER：InfraRed.))型が存在する。~
