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*&ruby(ぴーすりー){【P-3】}; [#kdc2b504]
ロッキードP-3"&ruby(オライオン){Orion};"~
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旧西側陣営を代表する陸上[[対潜哨戒機]]で、世界11ヵ国の第一線に配備されている。 ~
本機は[[P2V「ネプチューン」>P-2]]の後継として、当時ロッキード社が製作していた民間向け[[ターボプロップ]][[旅客機]][[L-188]]エレクトラをベースとして開発され、1959年11月25日原型機YP3V-1(後にYP-3Aと改名)が初飛行を行った。~
本機は[[P2V「ネプチューン」>P-2]]の後継として、当時ロッキード社が製作していた民間向け[[ターボプロップ]][[旅客機]]L-188「エレクトラ」をベースとして開発され、1959年11月25日原型機YP3V-1（後にYP-3Aと改名）が初飛行を行った。~
[[旅客機]]がベースとなっていることもあり、前任の[[P2V>P-2]]と較べて居住性や搭載量などが大きく改善されている。~
ただし、A・B型は対潜装備については従来のものと変わらないため、戦闘能力自体はさほど向上していない。~
4発機ではあるが、滞空時間を重視する任務の性格上、外側2基のエンジンを停止した状態でも飛行することが出来る。~
現在の主力はC型で、このモデルは対潜装備を一新、[[A-NEW]]と呼ばれるシステムを導入した。~
これは[[レーダー]]、ソナー、音響、磁気、気象など各種センサーの情報や[[航法]]、兵装、機体情報などをデジタルコンピューターにより総合的に処理するものである。~
この[[A-NEW]]の導入によりC型は飛躍的に能力が向上した。 ~
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このC型にも順次改良が加えられており、以下のようなバージョンがある。~
-コンピューターメモリーと処理能力を向上したアップデートI。
-[[赤外線]]探知システム、[[ソノブイ照合システム]]、[[AGM-84「ハープーン」>AGM-84]]の運用能力を追加したアップデートII。
-[[赤外線]]探知システム、[[ソノブイ]]照合システム、[[AGM-84「ハープーン」>AGM-84]]の運用能力を追加したアップデートII。
-[[航法]]・通信能力を強化したアップデートII.5。
-ソノブイの音響収集能力を3倍に強化、UYS-1「プロテュース」音響信号処理システム(発生音響をコンピューターでふるいにかけ目標物の正体を特定する)を導入したアップデートIII(前期型はIIIR)
-ソノブイの音響収集能力を3倍に強化、UYS-1「プロテュース」音響信号処理システム((発生音響をコンピューターでふるいにかけ目標物の正体を特定する。))を導入したアップデートIII（前期型はIIIR）~
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などがある。 ~
また、対水上戦改良プログラム（AIP）が実施された機体には[[逆合成開口レーダー>合成開口レーダー]]、[[GPS>全地球測位装置]]など[[アビオニクス]]がより強化され、[[AGM-65]]、AGM-84ESLAMなどの運用能力が追加されている。~
また、対水上戦改良プログラム（AIP）が実施された機体には[[逆合成開口レーダー>合成開口レーダー]]、[[GPS>全地球測位装置]]など[[アビオニクス]]がより強化され、[[AGM-65]]、[[AGM-84E「SLAM」>AGM-84]]などの運用能力が追加されている。~
更にシステムを強化したアップデートIV、P-3Hや全面改修型である[[P-7A]]なども計画されていたが予算難、開発コストの問題によりキャンセルされた。 ~
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本機をベースとした派生型も多数製作されている。~
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**スペックデータ [#r8925299]
|乗員|10名（[[パイロット]]1〜2名、機上整備員、[[戦術航空士]]、航法･通信員、ソナー員、機上対潜音響員、&br;[[レーダー]]員、機上対潜非音響員、機上電子整備員、機上武器整備員）|
|全長|35.61m|
|全高|10.27m|
|全幅|30.37m|
|[[主翼]]面積|120.77��|
|自重|27,890kg|
|全備重量|61,240kg|
|最大搭載重量|9,070kg|
|[[エンジン]]|アリソン T56-A-14[[ターボプロップ]]（出力4,910hp）×4基|
|速度&br;（最大/哨戒時）|395ノット（730km/h）/335ノット（620km/h）|
|[[上昇率]]|594m/min|
|[[実用上昇限度>上昇限度]]|8,630m|
|[[航続距離]]|8,950km|
|兵装|[[Mk46対潜魚雷>対潜魚雷]]×8発&br;[[AGM-84「ハープーン」>AGM-84]]×8発&br;150kg[[対潜爆弾>爆雷]]&br;音響警告用水中発音弾&br;海上自衛隊機のみ：[[ASM-1C>80式空対艦誘導弾]],[[97式短魚雷>97式魚雷]]|
|兵装|[[Mk.46対潜魚雷>対潜魚雷]]×8発&br;[[AGM-84「ハープーン」>AGM-84]]×8発&br;150kg[[対潜爆弾>爆雷]]&br;音響警告用水中発音弾&br;海上自衛隊機のみ：[[ASM-1C>80式空対艦誘導弾]]、[[97式短魚雷>97式魚雷]]|
|主な装備|[[UHF]]/VHF無線機（国際マリンバンドも含む）&br;HF無線機（伝搬距離約1,200[[海里]]）&br;暗号通信装置&br;[[リンク11>データリンク]]&br;衛星通信装置&br;[[AN/APS-115]]捜索用[[レーダー]]（最大捜索距離約200km）[[ESM]]逆探知装置&br;赤外線暗視装置&br;AN/APS-137逆[[合成開口レーダー]]&br;[[ソノブイ]]投射機（ソノブイ探知距離 約30nm（CZ捜索時）、直接伝搬域探知時約3,000m）&br;AN/UYS-1ソノブイ解析システム&br;AQS-81磁気探知機（探知範囲約500〜1,000m）&br;ミサイル防御装置|
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**派生型（カッコ内は生産・改修機数）[#bc7e9628]
-YP3V-1（YP-3A）~
-YP3V-1（YP-3A）：~
原型機。~
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-P-3A（157機）~
初期生産型。現在では退役し、民間航空会社「エアロユニオン」の消防機（愛称"エア・タンカー"）として運用中。~
-P-3A（157機）：~
初期生産型。~
現在では退役し、民間航空会社「エアロユニオン」の消防機（愛称"エア・タンカー"）として運用中。~
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--P-3A(CS)（4機）~
--P-3A（CS）（4機）：~
アメリカ税関向けの麻薬取締機。~
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-EP-3A（7機）~
-EP-3A（7機）：~
電子偵察機型試作機。~
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-NP-3A（3機）~
-NP-3A（3機）：~
海軍研究所 (US Naval Research Laboratory) 向け試験機。~
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-RP-3A（2機）~
-RP-3A（2機）：~
海洋科学開発飛行隊（パタクセント・リバー海軍航空隊所属）向け。~
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-TP-3A（12機）~
-TP-3A（12機）：~
練習機型。~
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-UP-3A(CP-3A)（38機）~
-UP-3A（CP-3A）（38機）：~
米海軍基地支援用汎用輸送機型。~
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-WP-3A（4機）~
-WP-3A（4機）：~
気象観測機。~
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-VP-3A（WP-3A×3機・P-3A×2機）~
-VP-3A（WP-3A×3機・P-3A×2機）：~
VIP輸送機型。~
-P-3B（144機）~
-P-3B（144機）：~
A型のエンジン出力強化型。後にP-3C相当に改造された。~
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-EP-3B~
-EP-3B：~
電子戦訓練機。後にEP-3Eに改造。~
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-NP-3B~
-NP-3B：~
B型ベースの各種試験機。~
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-TAP-3B~
-TAP-3B：~
オーストラリア空軍向け訓練・輸送機型。~
-P-3C（118機）~
-P-3C（118機）：~
デジタルコンピュータを搭載し、処理能力を高めた型。~
--Update I（31機）：~
コンピューターの処理能力を強化した型。~
--Update II（44機）：~
赤外線探知システムを搭載し、[[ハープーン>AGM-84]][[空対艦ミサイル>対艦ミサイル]]の運用能力を付加した型。~
--Update II.5（37機。[[海上自衛隊]]機は69機）：~
航法・通信能力を強化した型。海上自衛隊の機体もこのタイプに順ずる。~
--Update III（32機）：~
音響信号処理システムを搭載した型。~
--Update IV：~
計画のみ。~
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-EP-3C~
-EP-3C：~
電子戦機型。~
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-EP-3E「アリーズ」（12機）~
-EP-3E「アリーズ」（12機）：~
電子戦訓練機。~
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-EP-3E「アリーズII」（12機）~
[[SIGINT]]機型。2001年に海南島近海で[[J-8II>殲撃8II]]と衝突（[[海南島事件]]）したのはこのタイプ。~
-EP-3E「アリーズII」（12機）：~
[[SIGINT]]機型。~
2001年に海南島近海で[[J-8II>殲撃8II]]と衝突（[[海南島事件]]）した機体はこのタイプ。~
~
-EP-3J（2機）~
-EP-3J（2機）：~
[[アメリカ海軍]]向け電子戦訓練支援機。~
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-NP-3C（1機）~
-NP-3C（1機）：~
C型ベースの開発研究用試験機。~
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-NP-3E~
各種テスト機（RP-3A、RP-3D、UP-3A を改称）~
-NP-3E：~
各種テスト機（RP-3A、RP-3D、UP-3A を改称）。~
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-RP-3C（1機）~
-RP-3C（1機）：~
大気観測機。~
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-RP-3D（1機）~
「Project Magnet」用に改造された能力試験機。MAD装置の最適化データ収集に使用された。~
-RP-3D（1機）：~
「Project Magnet」用に改造された能力試験機。~
MAD装置の最適化データ収集に使用された。~
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-WP-3D（2機）~
-WP-3D（2機）：~
米海洋大気局（&ruby(ノア){NOAA};）所属の大気観測機。~
ハリケーン・ハンターとして運用中。~
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-P-3F（6機）~
-P-3F（6機）：~
帝政期のイラン空軍向けの機体。B型に空中給油機能を追加装備している。~
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-[[P-7]]（P-3G「オライオンII」）~
-[[P-7]]（P-3G「オライオンII」）：~
近代化改修型（開発中止）。詳しくは項を参照。~
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-P-3H~
-P-3H：~
P-7計画を簡略化した近代化改修型。提案のみ。~
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-P-3K（5機）~
-P-3K（5機）：~
ニュージーランド空軍向けの機体。~
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-P-3N（2機）~
-P-3N（2機）：~
ノルウェー空軍向けの機体。~
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-P-3P（6機）~
ポルトガル向けの機体。旧オーストラリア空軍向け P-3B をUpdate II 相当に向上させたもの。~
-P-3P（6機）：~
ポルトガル向けの機体。~
旧オーストラリア空軍向け P-3B をUpdate II 相当に向上させたもの。~
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-P-3T~
-P-3T：~
タイ向けの機体。~
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-P-3W~
-P-3W：~
オーストラリア空軍向けの機体。~
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-P-3AEW&C「センチネル」~
-P-3AEW&C「センチネル」：~
[[E-2「ホークアイ」>E-2]]と同じAPS-96[[レーダー]]と電子機材を搭載する[[早期警戒機]]型。~
アメリカ合衆国連邦関税局が麻薬密輸機取締り用に使用している。~
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-P-3A(CS)~
-P-3A（CS）：~
米国税関向けの機体。赤外線探知システムを搭載。~
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-P-3A「ブラック・オライオン」（3機）~
[[CIA]]用の特殊偵察機。主に沖縄・[[嘉手納基地>嘉手納空軍基地]]から中国、ビルマ、チベット、ラオス、ベトナム方面への偵察に使用された。（3機とも、のちにEP-3(試作機)に改造）~
-P-3A「ブラック・オライオン」（3機）：~
[[CIA]]用の特殊偵察機。~
主に沖縄・[[嘉手納基地>嘉手納空軍基地]]から中国、ビルマ、チベット、ラオス、ベトナム方面への偵察に使用された。（3機とも、のちにEP-3(試作機)に改造）~
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-EP-3（5機）~
-EP-3（5機）：~
[[海上自衛隊]]向け[[ELINT]]用[[電子戦機]]。P-3Cベースで、胴体前部下面にバルジが増設されている。~
第31航空群第81航空隊（岩国基地）に配備（[[コールサイン]]は"VIOLET"）。~
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-UP-3C（1機）~
-UP-3C（1機）：~
海上自衛隊の装備品評価試験機。第51航空隊（厚木基地）に配備。~
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-UP-3D（3機）~
-UP-3D（3機）：~
海上自衛隊の電子戦訓練機。標的曳航も可能。~
第31航空群第91航空隊（岩国基地）に配備（コールサインは"DELPHI"）。~
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-OP-3C（4機）~
-OP-3C（4機）：~
海上自衛隊の遠距離（広域）画像情報収集機。~
SLAR、側方画像監視レーダーまたはLOROP・長距離監視センサーを装備。~
第31航空群第81航空隊（岩国基地）に配備（[[コールサイン]]はEP-3と同様）。
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-CP-140「オーロラ」（18機）~
-CP-140「オーロラ」（18機）：~
カナダ軍向けに[[S-3「バイキング」>S-3]]のものに類似する装備を追加搭載した海洋監視任務型。~
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-CP-140A「アークトゥルス」（3機）~
-CP-140A「アークトゥルス」（3機）：~
飛行訓練及び海洋監視専用型。~
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関連：[[潜水艦]]
http://isweb28.infoseek.co.jp/motor/f15/atsugi001227/p3c002.jpg
